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本当に我慢した

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「にしても、今日はマジで楽しかったっすね!」

ギルド職員との報告会が終わって、それなりの臨時報酬を貰ったので、現在良さげな店で料理を食べている。

「そうだな。状況が状況だったら、楽しむことも出来たしな……うん、最後にあいつが何をするのかだけは、気になる心残りだな」

「ラガス坊ちゃまが戦ったのは、確かシャーマンでしたね。やはり、特大の呪術でも使おうとしていたのですが?」

「呪術……そうだな。呪術に変わりはないと思うが、あれが果たして攻撃だったのか、それとも自分の何かしらを犠牲にして、更にパワーアップするのか……後者であれば、間違いなくAランク並みの怪物になっていただろうな」

多分、元々生物の血を使って刺青を彫り、そこから多分人間の血が良いと解って、その後にあの台座を使って彫れば更に良い効果が表れると解った……って、プロセスなら、自分の何かを犠牲に刺青を強化すれば、目の前の敵に勝てるかもしれないって発想に至ってもおかしくない。

「……その結末を、最後まで見なかったのですね」

「おぅ、そうだよ。ギルド職員の前でもそう説明しただろ。なんだよ、疑ってたのか?」

「…………正直に言いますと、ラガス坊ちゃまなら何だかんだで楽しさを優先するのではと思っていましたので」

それはまぁ、基本そうだな。
これはしゃあない。

日頃の行いが……悪いとは言いたくないけど、そのせいではあるからな。

「相変わらずそういう部分は否定出来ない。でも、今回はメリルから言われたことをちゃんと優先したよ。メリルとルーフェイスなら、捕まってた人たちを既に救出し終えているとは思ってたけど、万が一ってのがあるだろ」

「……成長されましたね、ラガス坊ちゃま」

「その眼で褒めるのは止めてくれ」

メリルとしてはただ純粋に褒めてるんだろうけど、なんか……超むず痒くなる。

「にしても、あれが噂の超大きな遺跡じゃないんだったら、他にもまだまだそれらしい遺跡があるってことだよな?」

「それはどうでしょうか……いえ、そうですね。まだ未開拓の地が多いことを考えると、小規模中規模の遺跡があってもおかしくはない、ですね」

ふむ、二人の言う通りかもな。
けど……それだと、まだまだあんな恐ろしい台座がある遺跡が大量にあるってことか?

「それはあれだな、ただ強くて珍しいモンスターと戦うだけなら良いんだけど、あんな面倒な物がまだまだあるって思うと、面倒だな」

そりゃ俺たちがどうにかする必要はないし……一応、ギルド職員には説明した。
だから、探索力と戦闘力が高いハンターたちには既に伝えてるかもしれないけど……人間、どのタイミングで欲望に走るか解んないもんな~。

「ラガス、難しそうな、顔、してる」

「ん、まぁちょっとな……」

別に正義の味方、スーパーマンでもないんだから、放っておいても良いんだけど…………なんかあれだな。

出来る力が持ってるのも考えものって思うのは、超贅沢だな。

「あれっすか、これからは遺跡がありそうな場所を探索するってことっすか?」

「そう、だなぁ……別に俺たちが気にする必要はそんなにないんだけどな」

「? そういう怪しい場所に向かえば、今日みたいに強い奴らと戦える可能性が高いじゃないっすか。あっ、どうせなら中に強い連中が居たら、どうにかして外に引っ張っりだしたらどうっすか? そしたらそんなに周りを気にしくても戦えるじゃないっすか」

「…………はっはっは!! そうだな……うん、確かにその通りだな。はぁ~~~……シュラ、本当にその通りだ」

「? あざっす」

そうだな、そこまで難しく変に考えなくても良い。

ついでにその件も多少意識しながら動く。
それで珍しい強敵とかに出会えたらラッキー、程度に思っておかないとな。
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