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嬉しくなる

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「んじゃ、今日も今日とて頑張りますか」

今日は……一応、ハンターギルドで地図や情報を購入した。
依頼は受けてないが、ハンターギルドの中に入ったということもあって、いつも通り様々な視線を向けられたが……朝は皆忙しいのか、視線を向けるだけで声は掛けてこなかった。

ずっとそうしておいてほしいもんだ。

「そういえば、あの、ナンパ男。どう、なったんだ、ろう?」

「ハンターギルドに入った時は何も聞かなかったし、投げ飛ばした時の落下地点的に……何事もなかったら、門が閉まる前に戻れてただろうから、もしかしたら死んだかもな」

「そう。それは、ご愁傷、様?」

「そういうことだな」

罪悪感はないのかって?

馬鹿を相手に罪悪感なんて持ってたら、回復効果を無効にさせる方法で金〇を潰したり、そんな非道な事出来ないっての。

「私としては、しっかり死んでてほしいところですね」

「そんな堂々と死を願うのはどうかと思うが……まぁ、ぱっと見だけど痛い目に合ったからといって、改心しなさそうな見た目だったしな」

「ラガスさんの言う通りっすね。ありゃメリルの毒を食らっても改心しなさそうっす」

そ、それはどうだろう?

メリルは本当に色んな毒を生み出せるようになったから……つっても、その場だけ謝るパターンになるか?

『ラガス、大きいのが一体来たよ』

『おっ、もう客が来たのか。サンキュー、ルーフェイス』

ルーフェイスの言う通り、巨体を持つモンスター……サイクロプスがいきなり棍棒を振り下ろしながら登場。

「っ!! ガァアアアアアアッ!!!!」

「ラガス坊ちゃま、私に戦らせてもらえないでしょうか」

「おっ? 珍しい申し出だな。良いぞ、やっちゃえやっちゃえ」

「ありがとうございます」

サイクロプスなんか、シュラが戦りたそうな相手だけど、メリルが自分から戦いたいって言いだすのは本当に珍しいな。

「シュラも戦りたかったか?」

「いや、大丈夫っす。この森の中ならまだまだいそうなんで。それに……なんか、メリルが自分から戦いたいって宣言するのを聞くと、ちょっと嬉しくないっすか?」

「はは、その気持ちは超解る」

基本的に俺たちが無茶するのを心配してるし、一緒に戦うのも基本的に後衛からの援護や妨害がメイン。

自分から戦いたいって言うこともあるにはあるけど、それは本当に強い敵と遭遇してしまった時に、キッチリ本気を出して戦えるようにするための……調整って言えば良いのか?

その為に偶にそこそこガチで戦うだけだからな……サイクロプスみたいなザ・脳筋なモンスターを相手に自分から戦いたいって言うのは、本当に珍しい。

あのサイクロプス、昨日戦ったフォレストオークと同じぐらい、普通の寄り大きくて速い。

そんな相手に……接近戦で挑んでんだもんな~~~。

「サイクロプスを相手に接近戦で挑むとか、超熱いじゃん」

「普段のメリルなら、行わない戦法だろうな」

「やっぱそうっすよね。でも、あいつの蹴りって超鋭いし、双剣の扱いも上手いし……全く心配しなくて良さそうっすね」

「だな」

あいつの後ろ跳び蹴りとか、絶対に衝撃が体を貫通してるだろうな。

サイクロプスが魔力を纏って防御力を上げてても難なく双剣で斬り裂いてるし……接近戦が強いタイプでも、Cランクではあまり良い戦いにならなくなってきたか?

「ラガス、足音が……聞こえる。どう、する?」

「邪魔が入って中断なんかさせたくないし、俺たちでちゃちゃっと片付けるぞ」

「了解っす!!」

「分かった」

足音的に、蟻系のモンスターだろうな……ほらやっぱり、アイアンアントだ。

「キキキキキキキキッ!!!!」

「悪いけど、今うちのメイドが楽しそうに遊んでるんだ。邪魔しないでくれ」

「ギギっ!!??」

こっちもこっちで、最低でも一回りぐらいは大きいが……まだまだ魔弾で貫ける堅さだな。
けど、このランク帯のモンスターが魔弾であっさり倒せなくなってくると、それはちょっと不味いかもな~。
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