万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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解っていても挑む?

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賑やかではある……賑やかではあるんだけど、ちょっと戦闘に関わってる人たちの顔は……全員、その賑やかさに同調はしてない感じ、かな。

「良いじゃん良いじゃん……賑やかなだけじゃなくて、ちょっと張りつめてるっすね」

「そうだな。ダンジョンがあったオクトーでも似た様な雰囲気は度々あったけど……多分、こっちはこれが日常なんだろうな」

ダンジョンが迷宮、魔宮であることに変わりはないんだろうけど、一応対策する術がある。
しっかり事前準備を怠らない奴なら、危機に瀕してもやり方次第で地上に戻れる可能性はそれなりにある。

でも、アスロバの遺跡を中心とした森は……一応対策出来たとしても、無事に戻ってこれる可能性は高くないんだろうな。

「あれだな。もしかしたらこの街に来る人は、ダンジョン以上に一攫千金を求めてるのかもな」

「手に入る薬草や果実の質が高いことを考えれば、採集がメインの仕事でもそれなりに稼ぐことが出来る……それを考えれば、ハンターたちから人気がある街ではありそうですね」

……むっちゃ何か言いたげそうな顔するじゃん。

多分、俺やシュラに不満があるんじゃなくて、自分たちみたいに確かな実力と素早い脚がない者たちが、何故無謀にも挑むのか理解に苦しむ……的な事を考えてるんだろうな。

あれだろうな……前世で例えると、お金がないのに何故かパチンコをうったり、競馬で散在する人たち?
話だけしか聞いたことがなくて、実際にそんな人たちと話したことはないからその心理は細かく知らんけど、多分……負けると解っていても勝負したくなる欲望があるんだろうな。

まっ、こっちの世界で勝負に負けたら死ぬ可能性は十分にあるけども。

「ってことは、あれだ。やっぱり同業者に絡まれる機会も増えるんすかね」

「……その機会にワクワクし過ぎだろ。つっても………………うん、その内絡まれることになるんじゃないか」

そういう星の元に生まれたからとかではなく、なんとなく……なんでそうなるのか、割と説明出来るぐらい脳内に浮かんだ。

「とりあえず、やっと到着したんだから、さっさと宿を取ろう」

時間的に大丈夫だとは思うが……割と長期間、宿泊する客が多いかもしれない。

と思っていたが、割とあっさり良さげな宿を取ることができた。

「とりあえず一か月間は、この宿で良さそうですね」

「ベッドも良い感じに柔らかいし、文句なしだな」

早く決まったから、まだ飯時まで時間あるし……散策するか!!!


「ラガスさん、何か新しい武器でも買うんすか?」

「いや、全くその予定はないぞ」

フェリスさんから貰った狼牙瞬雷はまだまだ現役だし、リザード公爵様から貰った双剣もあるしな。

「武器なら、ダンジョンの宝箱から手に入れた物がいくつかあります。無駄に購入する必要はないでしょう」

「……私も、紫電が、あるから、大丈夫、かな」

ま、まぁセルシアは当分武器を変えることはないだろうな。

今更だけど、アルガ王国の国王様もよく用意出来たよな……多分、ちょっとぐらいは国宝として残し、別の武器を用意出来れば、なんて考えただろうな。

「……もが」

「ん?」

今すれ違った奴……俺か俺たちに向かって何か言ってきたか?

「…………」

「シュラ、ステイ」

「解ってるっすよ。正面から絡めないようなクソチキンなんて、一ミリも楽しめそうにないっすからね」

そこで判断するものじゃないと思うんだけど……とりあえずオッケー?

「おそらく、ヘラヘラ笑ってんじゃねぇよ、クソガキ共が。と言ったのでしょう。ただそうやって負の感情を言葉にしてぶつけることしか出来ないその行動力の低さこそが子供レベルと思いますが……まぁ、おそらくその自覚はないのでしょう」

…………メリル。良く耐えてくれた。
それをすれ違いざまに口にしてたら、喧嘩待ったなしだったよ、絶対に。

「二人がイライラするのは解かるけど、あれぐらいは見逃しとけ。ギルドでも同じような事があるかもしれないけど……その時は殺気を飛ばす程度で我慢してくれると助かる」

「「了解」」

……まっ、殺気を向けられただけで死ぬってことはないだろ。
多分、最悪失禁だけで済む筈だ……多分。
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