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地上では会いたくない
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「そういえば、ラガスさんたちって、最下層のボスを……倒したんですよね」
「あぁ、そうだな」
「ど……どう、でした?」
どうでした、というと……どれぐらいボスのモンスターが強かったかって意味だよな。
「強かった。真面目に強かった。なっ、セルシア」
「うん、強かった、よ。私は、本気の、本気で戦わない、と、駄目だった、かな」
本気の本気ってのは、紫電崩牙まで使わないとってことだろうな。
「俺も同じだな。ガチのガチで、本気で殺しにいかないと勝てねぇ。つ~か、まだ今のままだとこっちも死ぬ覚悟を持って挑まないとって感じだな」
「そうですね……私たちにはルーフェイスが居るので、ケルベロスを任せることが出来ました。ケルベロスの様な強敵を任せられる仲間がいないと、ハイ・ヴァンパイアだけに集中して戦うのことは無理だったでしょう」
あのケルベロス、普通のケルベロスよりも強いからな~~。
Aランクを複数人で倒せるぐらいのレベルの人たちが相手にしないと、安全には倒せないだろうな。
「ッ……ラガスさんたちでも、本気で挑まなければならない程、強敵なんですね」
「そりゃ五十階層のボスだからな本当に強いよ。本当に……真面目に殺す気で戦わないと、こっちがやられてもおかしくない」
これからもう少し身長とかは伸びても、身体能力や魔力総量が急激に増えることはないかなぁ~~~。
まっ、幼い頃に頑張ったから初っ端からスタートダッシュをかませたわけだけども。
「……私たちの前に冒険者たちが挑み、その戦闘で学習されているとなると、更に戦い辛くなるでしょうね」
「あぁ~~、そりゃそうだな……うん、あんまり考えたくないけど、全然あり得る話だ」
ケルベロスの方はどうなのか知らないけど、ハイ・ヴァンパイアの方に関しては負った傷を回復する術がある。
冒険者の死体から血を吸って回復した上に、人間の戦闘技術を学ばれたとなると……この上なく厄介だ。
そう考えると、地上で長年生きてるヴァンパイアとかとは……ちょっと戦いたくないな。
「俺たちは使わなかったが、ヴァンパイアは銀の武器に弱い。それをメインで戦うのも良いし、敢えて囮に使った自慢の攻撃を叩きこむのも良い。ただ、ヴァンパイアが現れる階層を探索するなら、きっちり対策しておいた方が良いと思うぞ」
「う、うっす!!!」
数十分の休憩を終え、再び実戦訓練を開始。
すると、今度はスケルトンリザードと遭遇。
体が大きいオークと違い、スケルトンリザードは元がCランク。
骨だけになった影響で速くなっているが、それでもルーキーたちでも十分に相手を出来る……と思ってたんだが、前衛の一人が尾撃で吹き飛ばされ、後衛二人が着地地点に向かった瞬間……地面が光りやがった!!!!!
「ッ!? そっちは頼んだ!!!!」
強化系アビリティは魔闘気を纏い、ラビットフットまで使って……なんとか三人と同じ場所には到達した。
そして……できれば三人を抱えて現れた魔法陣から抜け出したかったが、そう上手くはいかなかった。
「……まっ、仕方ないか」
「こ、ここは…………ど、どこなん、ですか?」
「悪いな。俺の確認不足だった。ここは転移トラップで飛ばされた部屋だ」
「「「ッ!!??」」」
あちゃ~~、まぁそう恐怖で表情が沈むのも無理はないだろうな。
「安心しろ。俺はこの前、ここよりも深い階層で転移トラップで飛ばされたが、元の場所に戻る事が出来た」
「ほ、本当ですか!?」
「あぁ、本当だ。だから、今は気持ちを切り替えて戦い抜く準備をしろ」
本当は飛ばされたというよりも、自ら飛んだんだが……今、それを言う必要はないだろう。
「っと、戦い抜く準備をしろとは言ったが、無理そうなら俺の後ろに居てくれ。後は俺が何とかする」
「ッ……自分が、起こしてしまった不始末です。俺も、戦います!!!!」
発破をかけたつもりじゃなかったんだが……どうやら、他二人も戦る気は十分みたいだな。
「あぁ、そうだな」
「ど……どう、でした?」
どうでした、というと……どれぐらいボスのモンスターが強かったかって意味だよな。
「強かった。真面目に強かった。なっ、セルシア」
「うん、強かった、よ。私は、本気の、本気で戦わない、と、駄目だった、かな」
本気の本気ってのは、紫電崩牙まで使わないとってことだろうな。
「俺も同じだな。ガチのガチで、本気で殺しにいかないと勝てねぇ。つ~か、まだ今のままだとこっちも死ぬ覚悟を持って挑まないとって感じだな」
「そうですね……私たちにはルーフェイスが居るので、ケルベロスを任せることが出来ました。ケルベロスの様な強敵を任せられる仲間がいないと、ハイ・ヴァンパイアだけに集中して戦うのことは無理だったでしょう」
あのケルベロス、普通のケルベロスよりも強いからな~~。
Aランクを複数人で倒せるぐらいのレベルの人たちが相手にしないと、安全には倒せないだろうな。
「ッ……ラガスさんたちでも、本気で挑まなければならない程、強敵なんですね」
「そりゃ五十階層のボスだからな本当に強いよ。本当に……真面目に殺す気で戦わないと、こっちがやられてもおかしくない」
これからもう少し身長とかは伸びても、身体能力や魔力総量が急激に増えることはないかなぁ~~~。
まっ、幼い頃に頑張ったから初っ端からスタートダッシュをかませたわけだけども。
「……私たちの前に冒険者たちが挑み、その戦闘で学習されているとなると、更に戦い辛くなるでしょうね」
「あぁ~~、そりゃそうだな……うん、あんまり考えたくないけど、全然あり得る話だ」
ケルベロスの方はどうなのか知らないけど、ハイ・ヴァンパイアの方に関しては負った傷を回復する術がある。
冒険者の死体から血を吸って回復した上に、人間の戦闘技術を学ばれたとなると……この上なく厄介だ。
そう考えると、地上で長年生きてるヴァンパイアとかとは……ちょっと戦いたくないな。
「俺たちは使わなかったが、ヴァンパイアは銀の武器に弱い。それをメインで戦うのも良いし、敢えて囮に使った自慢の攻撃を叩きこむのも良い。ただ、ヴァンパイアが現れる階層を探索するなら、きっちり対策しておいた方が良いと思うぞ」
「う、うっす!!!」
数十分の休憩を終え、再び実戦訓練を開始。
すると、今度はスケルトンリザードと遭遇。
体が大きいオークと違い、スケルトンリザードは元がCランク。
骨だけになった影響で速くなっているが、それでもルーキーたちでも十分に相手を出来る……と思ってたんだが、前衛の一人が尾撃で吹き飛ばされ、後衛二人が着地地点に向かった瞬間……地面が光りやがった!!!!!
「ッ!? そっちは頼んだ!!!!」
強化系アビリティは魔闘気を纏い、ラビットフットまで使って……なんとか三人と同じ場所には到達した。
そして……できれば三人を抱えて現れた魔法陣から抜け出したかったが、そう上手くはいかなかった。
「……まっ、仕方ないか」
「こ、ここは…………ど、どこなん、ですか?」
「悪いな。俺の確認不足だった。ここは転移トラップで飛ばされた部屋だ」
「「「ッ!!??」」」
あちゃ~~、まぁそう恐怖で表情が沈むのも無理はないだろうな。
「安心しろ。俺はこの前、ここよりも深い階層で転移トラップで飛ばされたが、元の場所に戻る事が出来た」
「ほ、本当ですか!?」
「あぁ、本当だ。だから、今は気持ちを切り替えて戦い抜く準備をしろ」
本当は飛ばされたというよりも、自ら飛んだんだが……今、それを言う必要はないだろう。
「っと、戦い抜く準備をしろとは言ったが、無理そうなら俺の後ろに居てくれ。後は俺が何とかする」
「ッ……自分が、起こしてしまった不始末です。俺も、戦います!!!!」
発破をかけたつもりじゃなかったんだが……どうやら、他二人も戦る気は十分みたいだな。
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