760 / 965
どこまでいっても理解出来ない
しおりを挟む
「……私の気のせいでなければ、セルシア様と戦うルーキーたちの眼が厳しいですね」
「そりゃ多分、公爵家のご令嬢だからじゃないか? 温室で育ってきた貴族のガキになんか負けてたまるか!!! みたいな?」
「貴族には貴族なりの苦労があるのですが……それを伝えたところで、だから何なんだと言い返されるのがオチでしょうね」
「はっはっは!!! そうなる光景が目に浮かぶな。まっ、そこに関してはそもそもの土俵が違うから、永遠に理解出来ない問題だろうな」
平民からすれば、そもそも貴族は偉そうで自分勝手な存在ってイメージが強い。
そうじゃない貴族が領主の街では違うのかもしれないが、どの街にも日々の生活で困ってる人はいるだろうから……貴族なんて結局無慈悲な存在と思われる可能性もありそうだ。
まぁ、貴族も全知全能の神ではないから、領地の隅々まで手が届くわけではないしな……うん、受け入れられない平民は同じ冒険者という職に就いていたとしても本気で受け入れられないだろうな。
「つっても、どれだけ貴族に対して憎い感情とかがあったとしても……現段階では気持ちの差で埋まることはないな」
全員の全力を引き出し終え、最後にささっと片付けて終了。
倒し方はやや違うものの、結果は一緒。
為す術もなく倒されたってところだな……とりあえず、これで面倒なプライドは折れてくれただろう。
「これで全員、俺たちに五対一という模擬戦で負けた訳だけど……まだ何か文句あったりしないよね? てか、文句はハンターギルドの方に言ってもらわないと困るんだけどさ」
「っ……」
ありゃ、まだ何か言いたげな顔をしてる奴が何人かいるな。
「もしかして、五対一で倒せなくても十対一なら倒せるとか変なこと考えてないよな? そういうのは将来堕落するような大人の考えだから、今すぐ捨てた方が良い」
「「「「っ!!!」」」」
適当に考えた内容ではあるけど、ぶっちゃけ間違ってないと思う。
てか、そういうのって堕落した大人の考えだけじゃなくて、虐めっ子の思考にも似てるよな。
そう考えると、尚更そういう考えが浮かぶようになってほしくないね。
「……お前らが、そんなに強いのは……親のお陰だろうが」
一人のルーキーが小さく……覇気はないものの、そんな反抗的な言葉を呟いた。
「ふ、ふふふ」
「だっはっは!!!!」
おい、そこ二人。
そんな大胆に笑うなっての。
笑いたくなる気持ちは解らんくもないけど。
「ラガス坊ちゃまを例にしてはなりませんが、ラガス坊ちゃまは旦那様と奥様に強くなれる最高の環境を用意されていた訳ではありません」
「いや、寧ろある意味で最高の環境ではあったんじゃねぇか? お二人ともラガスさんの無茶を止めなかったわけなんだしよ」
「……そうとも言えるかもしれませんね」
「「「「「「「「「「???」」」」」」」」」」
おいおい二人とも、お前たちだけでしか解らない話で盛り上がるんじゃない。
ルーキーたちがマジで訳解からず、キョトンとした表情を浮かべてるだろ。
「お前らなぁ~~、説明するならちゃんとこいつらに解るように説明しろよ」
「申し訳ありませんでした。確かに両親が優れた戦闘力を持っている場合、その子供も同じ様に成長する可能性は高いです。しかし、まず大前提としてラガス坊ちゃまのご両親はあなた達と同じ、元ハンター……平民です」
「「「「「「「っ!!!!????」」」」」」」
「興味がないのであれば、死合ないのも無理はありませんね。そして、ラガス坊ちゃまは幼い頃からモンスターと戦っています。勿論、旦那様と奥様はまだ早いのでは、それでもあの子なら……と、色々葛藤していたようです」
「が、ガキの頃からって……そ、それでも強い騎士とかが傍に居たんだろ!!!!」
「途中まではいましたが、ある程度成長したあたりからは私とシュラ、ルーフェイスも入れて四人で行動してました。というか、そうなってからも……そうなるまでも、ラガス坊ちゃまは自身の戦闘では私たちや護衛の兵士の力を借りたことなど全くありませんよ」
今思うと、結構心配かけてたよな……これからも心配かけてしまうだろうけど。
さて……あともう一押しいるみたいだな。
「そりゃ多分、公爵家のご令嬢だからじゃないか? 温室で育ってきた貴族のガキになんか負けてたまるか!!! みたいな?」
「貴族には貴族なりの苦労があるのですが……それを伝えたところで、だから何なんだと言い返されるのがオチでしょうね」
「はっはっは!!! そうなる光景が目に浮かぶな。まっ、そこに関してはそもそもの土俵が違うから、永遠に理解出来ない問題だろうな」
平民からすれば、そもそも貴族は偉そうで自分勝手な存在ってイメージが強い。
そうじゃない貴族が領主の街では違うのかもしれないが、どの街にも日々の生活で困ってる人はいるだろうから……貴族なんて結局無慈悲な存在と思われる可能性もありそうだ。
まぁ、貴族も全知全能の神ではないから、領地の隅々まで手が届くわけではないしな……うん、受け入れられない平民は同じ冒険者という職に就いていたとしても本気で受け入れられないだろうな。
「つっても、どれだけ貴族に対して憎い感情とかがあったとしても……現段階では気持ちの差で埋まることはないな」
全員の全力を引き出し終え、最後にささっと片付けて終了。
倒し方はやや違うものの、結果は一緒。
為す術もなく倒されたってところだな……とりあえず、これで面倒なプライドは折れてくれただろう。
「これで全員、俺たちに五対一という模擬戦で負けた訳だけど……まだ何か文句あったりしないよね? てか、文句はハンターギルドの方に言ってもらわないと困るんだけどさ」
「っ……」
ありゃ、まだ何か言いたげな顔をしてる奴が何人かいるな。
「もしかして、五対一で倒せなくても十対一なら倒せるとか変なこと考えてないよな? そういうのは将来堕落するような大人の考えだから、今すぐ捨てた方が良い」
「「「「っ!!!」」」」
適当に考えた内容ではあるけど、ぶっちゃけ間違ってないと思う。
てか、そういうのって堕落した大人の考えだけじゃなくて、虐めっ子の思考にも似てるよな。
そう考えると、尚更そういう考えが浮かぶようになってほしくないね。
「……お前らが、そんなに強いのは……親のお陰だろうが」
一人のルーキーが小さく……覇気はないものの、そんな反抗的な言葉を呟いた。
「ふ、ふふふ」
「だっはっは!!!!」
おい、そこ二人。
そんな大胆に笑うなっての。
笑いたくなる気持ちは解らんくもないけど。
「ラガス坊ちゃまを例にしてはなりませんが、ラガス坊ちゃまは旦那様と奥様に強くなれる最高の環境を用意されていた訳ではありません」
「いや、寧ろある意味で最高の環境ではあったんじゃねぇか? お二人ともラガスさんの無茶を止めなかったわけなんだしよ」
「……そうとも言えるかもしれませんね」
「「「「「「「「「「???」」」」」」」」」」
おいおい二人とも、お前たちだけでしか解らない話で盛り上がるんじゃない。
ルーキーたちがマジで訳解からず、キョトンとした表情を浮かべてるだろ。
「お前らなぁ~~、説明するならちゃんとこいつらに解るように説明しろよ」
「申し訳ありませんでした。確かに両親が優れた戦闘力を持っている場合、その子供も同じ様に成長する可能性は高いです。しかし、まず大前提としてラガス坊ちゃまのご両親はあなた達と同じ、元ハンター……平民です」
「「「「「「「っ!!!!????」」」」」」」
「興味がないのであれば、死合ないのも無理はありませんね。そして、ラガス坊ちゃまは幼い頃からモンスターと戦っています。勿論、旦那様と奥様はまだ早いのでは、それでもあの子なら……と、色々葛藤していたようです」
「が、ガキの頃からって……そ、それでも強い騎士とかが傍に居たんだろ!!!!」
「途中まではいましたが、ある程度成長したあたりからは私とシュラ、ルーフェイスも入れて四人で行動してました。というか、そうなってからも……そうなるまでも、ラガス坊ちゃまは自身の戦闘では私たちや護衛の兵士の力を借りたことなど全くありませんよ」
今思うと、結構心配かけてたよな……これからも心配かけてしまうだろうけど。
さて……あともう一押しいるみたいだな。
34
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる