万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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バランスの取れた試練?

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「それにしても、本当に容赦なくBランクのモンスターが襲って来ますね」

「四十一階層からいきなり攻略難易度が上がったと言っても過言じゃないな」

実際、このダンジョンで死ぬ人は他の階層でもそこそこいるらしいけど、ブロンズやシルバークラスの人はこの辺りで死ぬ可能性が高いらしい。

四十層のボス戦を潜り抜けてきたってのを考えると、勢いづくのは解るけど……うん、ちょっと厳しいというか……本当に厳しいだろうな。

「……ラガス坊ちゃま、本当にこのまま降りますか?」

「言いたい事は解る。でも、結局は一旦戻ってなんやかんやするってなっても、ルーフェイスの力を借りることになるだろ」

「そうですね」

「それだったら、このまま降りても俺たちが得られる経験値はそこまで変わらないだろ。リスクの方もな」

五十階層のボスは確実にAランクだし、どこかで一旦地上に戻ってという気持ちは解らなくもない。

ただ、どうやらメリルは肝心なことを忘れてるみたいだな。

「けどな、メリル。俺たち……地上に戻ったら、何故か同じルーキーに指導しないといけないんだぜ」

「…………申し訳ありません。すっかり忘れていました」

「いや、別に気にしなくて大丈夫だから。ただ俺としてはその指導で、それなりに時間が取られると思うと、このまま最下層まで攻略した方が良いんじゃねぇかって思うんだよ」

「えぇ、全くもってその通りです」

メリルも納得してくれたため、このまま最下層まで向かうことが決定。

確かに危険っちゃ危険ではあるけど、セーフティーポイントはちゃんとあるから、しっかり進んで準備してを繰り返さなければ、多分大丈夫。

そう思いながら下へ下へと向かうのだが……たま~にダンジョンががっつり俺たちを殺しにくるんだよな。

「はっはっは!!!! 最高に暴れられるぜ!!!!!」

「斬って、斬って、斬り、まくる」

「ラガス坊ちゃま! 魔核は切り捨てよろしいでしょうか!?」

「おう! 構わねぇぞ!!!」

エルダーリッチと挟むように襲って来たスケルトンリザード。
その大群がいきなり襲い掛かって来た。

大群って言っても、十数体とかじゃない。
合計……五十近いか?
いくらランクCのモンスターとはいえ、完全に異常発生だ。

モンスターパーティーの一種と言えるか?

実戦訓練としては悪くないんだが、これ普通のハンターたちなら死んでるぞ。

「ぬぅおりゃあああああっ!!!!」

「シッ!!!!!」

「全く、本当に嫌になる数ですね」

ん~~~……ここまで潜れる他のハンターたちが優秀じゃないって言いたいわけじゃないけど、やっぱりシュラたちは飛び抜けて優秀なんだろうな。

とはいえ、これだけ数が多いと俺も本気で聖光弾を撃ち続けないと、うっかり不意打ちを食らってしまってもおかしくない。

ルーフェイスは何をしてるかって? さっき十体ぐらいのスケルトンリザードマンと戦ってたから、今回はお休みしてもらってるんだよ。
状況を考えれば完全に危機ではあるんだけど、それでもこういうのを乗り越えないと、技術が上がらないからな!!


「ふぅ~~~~~~。いやぁ~~~、中々スリリングの強襲だったっすね!!!」

「全くだな。どうやらルーフェイスの鼻で気付くのがギリギリだったのを考えると……不意に生まれた個体たち、だったのかもな」

「かもしれませんね。本当に、噂通り探索者を殺しに来てると言われても仕方ない襲撃です」

……今回は特別な部屋? で戦った訳でもないし、当然宝箱が現れる……なんてことはない。

「でも、多くのモンスターを狩ることが出来る。宝箱の中には売れば一獲千金になる何かが入ってるのを考えると、妥当な試練なのかもな」

「試練、ですか…………まぁ、今回襲ってきたのがBランクモンスターの集団でなかっただけ、まだ試練と言えますね」

はっはっは、さすがに化け物が一気に現れたら、さすがにルーフェイスに出動してもらわないとな。
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