万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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はい、そうです。異常です。

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……二度聞いた。
同じセリフだった……俺の聞き間違えではなかった。
勿論ギルド職員の言ってる言葉は理解出来るんだけど……だめだ、やっぱりちょっと理解出来ない。

「あの、そちらも解ってるとは思うんですけど、俺……まだ冒険者になって活動を始めてから一年も経ってないんですよ」

「も、勿論存じています」

「それは良かったです……で、それなら俺なんかにルーキーたちの講師なんて務まらないことぐらい解ると思うんですけど」

一年も経ってないんだぞ。
ぺーぺーもぺーぺーの素人だ!

いや、色々と素人じゃないってのは自覚してるけど、それでもこう……色々と問題があるだろ!!

「た、確かに年数だけであればラガスさんたちは新人と言えるのですが、その……普通の新人は、あっという間に四十層まで攻略出来ません」

「うぐっ!」

……そこを突かれると、マジで上手く反論出来ない。

ルーフェイスのお陰だと言うか?
それはそれで俺たちがルーフェイスにおんぶ抱っこって認識されるのはなぁ……我ながら我儘な考えだよな。

「……けどな。それでも俺たちはルーキーだ。誰かに何かを教えるなんて経験は」

「そういえば卒業試験の前に、多くの生徒たちの指導をしていましたね」

「………………メリル、さん?」

おいおいおいおいおいおいおい、メリルさんや……何を言ってるんだい?

「どちらにしろ、これからも面倒事に絡まれるのは避けて通れません。であれば、この街に滞在してる間だけでも、同世代の者たちから信頼を勝ち取り、その層から絡まれないようにするのもありかと思います」

「あぁ~~~~……なるほど?」

そりゃ性根が腐ってない同業者であれば、仲良くしたいが……それでも、見た目も中身もおそらくそのルーキーたちと変わらないよな。

「そのルーキーたちの年齢は大体どれぐらいなんですか」

「下は十四から、上は十七ですね」

「………………」

無茶クソ悩む。
どこかしらでこういう依頼は受けなきゃダメだろうから、今受けるのは別に悪い事ではないと思うけど……どう考えてもダル絡みされるのが目に見えてる。

「……条件があります」

「は、はい! なんでしょうか!!」

「俺たちはとりあえずこれから五十階層に向けてダンジョン探索を行います。それまでに講習? を受けるルーキーたちに何があっても俺たちにダル絡みしない様に伝えてください。というか、現場に何人か捕獲と強制的に退出させられる人を用意しててください」

「わ、解りました!!! ありがとうございます!!!!」

職員は顔を超明るくし、ダッシュで宿から出て行った。

「あら、本当に受けるんですね」

「……余計な情報をぶっ込んだのはお前だろ」

「私はハンターギルドなら、そういった情報は既に掴んでると思っていて……」

「はぁ~~~~……もう良いや。受けちまったしな」

別にルーキーたちへの指導をするギルドからの依頼料金は悪くない。

そこまで詳しく相場は知らないが、ぶっちゃけベテランが貰う金額より高いと思う。

「安心してください、ラガスさん!! バカな連中はきっちり俺が拳骨を下ろしとくんで!!」

「……いや、仮に監視を振り切って絡んでくる奴がいたら、俺がちゃんと振り下ろすよ」

ルーキーが色々とあーだこーだと不公平だと不満を口にするかもしれないが、それでも俺に一定以上の戦闘力があるってのは認めさせとかないとな。

出会った初っ端からどう凄さを見せたら良いか考えてる間に、あっという間にダンジョンに到着。

「ッ!? なんだ……この感覚」

四十一階層に転移するとこれまでと比べて、更に強い寒気が襲ってきた。

実際に寒いわけではないんだが、霊的な寒気? が非常に強かった。

「……ボス戦まで退屈かと思ってたけど、意外と退屈しないっぽいな」

「ダンジョンに退屈などありませんよ、ラガス坊ちゃま」

「……はいはい、解ってますよ」
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