万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
732 / 989

そこまで鬼じゃない

しおりを挟む
「お、らッ!!!!!」

「せい」

前衛組の動きの質は……元気なだけじゃなくて、ちゃんと動けてるみたいだな。
とはいえ、バカデカいボーンナイトの剣技も悪くない。

てか……体格差的に、腕力に関しては向こうの方が上っぽいな。

「ラガス坊ちゃま、シュラは……大丈夫、でしょうか」

「心配か?」

「あのサイズ、身体能力を持つ相手となれば、心配にもなります」

「ふふ、それもそうか」

ちょっとからかおうかと思ったけど、どうやら無駄だったな。

「あの斬撃をまともに食らえば、シュラでも吹っ飛ばされるだろうな。でも、それはシュラも解ってるみたいだ」

火属性の大剣に鬼火を纏い、闇を纏うボーンナイトの剣に対抗してるが、真っ向から斬り合うことは避けてる。

回避不可能と思えば、直ぐに弾いて軌道を逸らすことに集中して対応してる。
それに、シュラの攻撃は必殺の一撃にはなっていないが、それでもダメージは与えられてる。

スピードに関してはシュラの方が上回ってるから、よっぽど大きなミスをしない限りは、大丈夫だろう。

「どちらかといえば、ボーンナイトと戦ってるシュラよりも、ボーンドラゴンと戦ってるセルシアの方が、厳しい相手では、あるかもな」

どんな理屈で空を飛んでるのか解らないけど、パワーに関してはシュラよりも負けてる。
一撃のダメージ量ならそこまで差はないと思うけど、強力な一撃を食らったら、シュラなら耐えるだろうけど、セルシアの防御力を考えると……ヤバい。

「セルシア様の方のサポートを優先した方が、良いということですね」

「そういう事だな。まぁ、セルシアが紫電崩牙を抜剣すれば話は別なんだが……多分、抜かないよな」

「そうですね……キリアから頼まれてる私としては抜剣してほしいのですが」

セルシアの気持ちは正直解らなくはない。
あれを抜けば、マジで勝負が終わる。

素早さでは負けてないから、攻撃を当てるのはそう難しくない筈。
そうなってくると……うん、紫電崩牙の切れ味を考えると、たった一斬りで終わってしまってもおかしくない。

「なぁ、メリル。このボーナスステージ? に関しては、別に訓練には入ってないんだよな」

「私としては想定してなかったシチュエーションですので……でも、おそらく使ってくるであろうキメラが相手ということを考えれば、もしかしたら丁度良い相手、なのかもしれませんね」

「あぁ~~~、そういえばそうだな。すっかりその存在を忘れてた」

うっかりしてたな。
あのクソマッドサイエンティストが繋がってた国と戦争になった場合、相手をするのは人間だけじゃない。

「骨だけのドラゴンに、おそらく巨人族より大きいであろう骨の剣士……そういう部分だけ見ると、キメラに思えなくもないな」

「そういう事です。あのタコキメラはBランク程の実力がありましたが、あのレベルのキメラはそう簡単に造られないでしょう」

「つまり、二体か三体ぐらいをセットで、俺たちや他の実力者たちの元に送られてくる可能性が高いってことか」

「私の予想ではありますが」

十分な予想だ。

でも、場合によってはAランククラスのキメラが現れることも考慮しとかないとな。

「……ラガス坊ちゃま、どうやら私たちがそこまで心配する必要は、なかったようですね」

「みたいだな。まだ戦いが始まってから……数分ぐらいか? それを考えると、大分敵の動きを把握するのが早くなってきたな」

総合的なステータスでは巨大な骨剣士とスカスカ骨ドラゴンが上だったみたいだけど、あんまり小細工やブラフを細かく使える頭は、なかったみたいだな。

動きを読めるようになれば、同じ個所に攻撃を繰り返して、大胆に骨をぶった斬るのも不可能ではない。
これであの二体が再生系のアビリティを持ってたら話は別だっただろうけど、さすがにそこまでダンジョンも鬼じゃなかったってことだな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった

今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。 しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。 それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。 一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。 しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。 加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。 レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

落ちこぼれ公爵令息の真実

三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。 設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。 投稿している他の作品との関連はありません。 カクヨムにも公開しています。

処理中です...