万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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徐々に広まってる?

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「……まっ、相性の問題って感じだったな」

「言うほど相性は悪くないと思いますが」

「それなら、思考がどれだけ柔軟かの差だな」

正直、もう少し苦戦するかと思ってたけど……クリティカルヒットを食らったのは、結局一回だけだったな。

しかもそのクリティカルヒットも上手く後方に跳んだことで、衝撃を軽減した。
他にもチラホラと切傷はあるけど、大したダメージではない。

「あっ、終わったっすね」

「みたいだな」

片腕と片足を斬り落として、最後は頭部を切断。

場合によってはそこを破壊されても動くケースがあるみたいだけど……今回はそっちじゃなかったみたいだな。

「ふぅ……疲れた」

回収する物を全て回収し、地上へ帰還。

「お疲れ様、セルシア。どうだった、楽しめたか?」

「うん、楽しかった。でも、結構、疲れた、かな」

「はっはっは、それもそうだろうな。身体能力があって技術力もあるモンスターだ。その圧も半端なものじゃない」

「そう、だね。良い、経験に、なった」

Bランクモンスターとの戦闘を良い経験と言える……完全にセルシアも怪物の領域に入ってきたよな。

「ラガス坊ちゃま、デス・ナイトの素材はどうしますか?」

「……セルシア、どうする?」

「特に、興味は、ない。ラガスの、好きに、して」

「良いのか? Bランクモンスターの素材だから、それなりの高値で買い取られるぞ」

「だって、食費は、いつもラガスが、払ってる、から」

それはそうなんだが……でも、常識的に考えれば外食にかなりの金を使ってるか……それじゃ、ありがたく使わせてもらうか。

「分かった。魔靴の素材にでも使わせてもらうよ」

他のそこまで価値が高くない素材はギルドで売却。
同僚たちからジロジロと視線を向けられたけど、いちいち気にしてられない。

「やっぱりあれだよな、雰囲気あるよな」

「だな。良くあんな……格? がある人たちにあの人絡んだよな?」

「さっき売却した素材って、二十一階層から三十階層の間で出現するモンスターのものだろ」

「ってことは、ダンジョンに潜り始めてから一か月も経ってないのに、三十層まで降りたかもしれないってことか」

「そういう事になるよな……あの人たちもバカな真似したよな~」

不満だらけの悪口が飛び交ってるのかと思ったら、案外そうでもなかった。
それにしても、格か……あんまり貴族っぽい雰囲気がない俺でも、他人からそう見られてると思うと、ちょっと自信が出るな。

「何をニヤニヤしてるんですか?」

「いや、割と周りからの評価が悪くないんだなと思ってな」

「……まだ強いのは従魔のお陰だという声もありますが、たとえ従魔が強くても技術はそれだけで身に付くものではありませんからね」

まっ、ぶっちゃけ身体能力や魔力の総量も、従魔にモンスターや盗賊を倒してもらったからといって増加するものでもないんだけどな……バカじゃないんだし、それぐらいは解ってるよな?

「ラガスさんをバカにしてる暇があったら、少しでも自分の為に使えば良いものを」

「全員それを出来ないってのが現実だ」

俺も前世では持ってない側だったから、普通に同じレベルの友達とキラキラした陽キャへの文句を言ってた。
今考えると、陽キャには陽キャなりの苦労があったのかもしれないけど……当時はそんな事考える余裕なんて一切なかった。

ラストの言う通り、頭では文句や誰かの陰口を言ってる暇があれば努力すれば良いって常識は解ってても、受動的な楽しさに身を任せてたからな~~。

「それにしても、ラガス坊ちゃまの良い評判が徐々に広まってきているということは、彼らがしっかり仕事をしているということでしょうか」

「……そうだな。多分、きっちり仕事してると思うぞ」

そういえば、まだ殺したって連絡は入ってきてないな。
もしかしたら……まだ色々と弄られてるってことか? 

もうさすがに死んでても良いけど、最後にどうこうすると決めるのはあいつらの自由だからな。
苦しんでくれてるなら、それで構わない。
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