719 / 989
妥当な見せしめ内容
しおりを挟む
「ッ!! て、てめぇ……」
……ちっ! 引かない感じか。
しょうがない。そっちがその気なら、とりあえず指を斬り落とすか。
「お前ら、良い加減理解しろよ。ラガスさんはハンターになる前、学生が主役の大会で三連覇してるんだ。お前らより才能があって、お前らより努力を惜しまない学生たちを全て押しのけ、在学中……ずっとトップに君臨してたんだよ」
一応その説明は間違ってはないんだけど、トップに君臨とか自分のことになると中々に恥ずかしいワードだな。
「お前らみたいな気に入らないルーキーにわざわざ絡む様なバカ共が勝てる人じゃねぇんだ…………ここまで言って理解出来ねぇなら、俺がラガスさんに代わってお前らの骨を全部折る。あっ、首の骨だけは許してやるよ。犯罪者になる訳にはいかねぇからな」
「……クソが!!! 帰るぞ、お前ら!!!!」
まだ謝れば印象は変わったんだが……なんで全くカッコ良くないのに、そうまでして頭を下げないんだ?
ここで謝らなかったら、それはそれで下に見てた連中に絡んだのに、呆気なく返り討ちにされてもふんぞり返ってる態度だけの奴って烙印を押されるのに……やっぱり斬り落とすか、折っとけば良かったかもな。
「ったく、勘弁してほしいな……メリル、俺ってそんなにヒョロガリに見えるか?」
「ヒョロガリには見えませんよ。ただ、ラガス坊ちゃまはシュラほど背が高くなく、容姿に威圧感がありません。噂だけが先行してる、そう思われるラインを越えてないのでしょう」
「そっか……三年前と比べて、そこら辺も成長したと思ったんだけどな」
まだまだ威圧感が足りないか~。
そうだなぁ……これから髭でも生やすか?
…………止めとこう。
どちらにしろ似合わねぇから、アンバランスな顔になるだけだ。
「ちなみにラガス坊ちゃま、先程の馬鹿が引き下がらなければ、どうするつもりでしたか?」
「とりあえず指一本斬り落とそうと思ってた」
「……悪くありませんね。一番最初は、それぐらいが妥当でしょう」
「そうだろそうだろ」
周りの同業者たちがちょっとドン引いてるっぽいけど、それぐらいしないと見た目で判断してお前らは絡んでくるだろってツッコミたい。
「面倒っすね。これでダンジョン内でモンスターだけじゃなくて、一応人にも注意しないと駄目ってことっすよね」
「良く分かってるじゃないですか、シュラ」
「……今回は別にそこまで気にしなくても良いんじゃないか」
「どうしてですか?」
「パッと視た感じ、ニ十層以降には来れないだろ。だったら、次の探索でサクッとニ十層まで降りれば良い」
言い終わってから、また同業者たちの怒りを買ってしまう発言をしてしまったと思ったが……もうこの街では今更だな。
「多少モンスターのレベルは上がるだろうけど、前回と同じペースで潜れるだろ」
スピードアップすれば、前回以上の早さでボス部屋に到達出来る筈だ。
翌日、本当なら一日か二日休みを入れるんだろうけど、戦いらしい戦いをしてないから、一日も休む必要はない。
十一階層に転移し、光弾を常に待機させながら、若干速足で移動する。
「……スケルトンとグールも、武器を持っている個体が増えてきましたね」
「武器を持ってるつっても、武器術には程遠い腕だろ。心配する要素にはならないない」
「油断は禁物と言いたいところですが、ラガス坊ちゃまの無双状態を考えると、本当に心配する必要はなさそうですね」
いやぁ~~、本当にそうなんだよな。
光魔法のライトボールより燃費が良いらしいし、本当に楽過ぎる。
こりゃニ十階層までも特に戦いという戦いはなさそうだな~。
なんて感じでちょっと調子に乗りながら探索してたんだけど、マジで本当に光弾だけで殆どのモンスターが片付いた。
……ボスモンスターはちょっと期待しても良い、よな?
……ちっ! 引かない感じか。
しょうがない。そっちがその気なら、とりあえず指を斬り落とすか。
「お前ら、良い加減理解しろよ。ラガスさんはハンターになる前、学生が主役の大会で三連覇してるんだ。お前らより才能があって、お前らより努力を惜しまない学生たちを全て押しのけ、在学中……ずっとトップに君臨してたんだよ」
一応その説明は間違ってはないんだけど、トップに君臨とか自分のことになると中々に恥ずかしいワードだな。
「お前らみたいな気に入らないルーキーにわざわざ絡む様なバカ共が勝てる人じゃねぇんだ…………ここまで言って理解出来ねぇなら、俺がラガスさんに代わってお前らの骨を全部折る。あっ、首の骨だけは許してやるよ。犯罪者になる訳にはいかねぇからな」
「……クソが!!! 帰るぞ、お前ら!!!!」
まだ謝れば印象は変わったんだが……なんで全くカッコ良くないのに、そうまでして頭を下げないんだ?
ここで謝らなかったら、それはそれで下に見てた連中に絡んだのに、呆気なく返り討ちにされてもふんぞり返ってる態度だけの奴って烙印を押されるのに……やっぱり斬り落とすか、折っとけば良かったかもな。
「ったく、勘弁してほしいな……メリル、俺ってそんなにヒョロガリに見えるか?」
「ヒョロガリには見えませんよ。ただ、ラガス坊ちゃまはシュラほど背が高くなく、容姿に威圧感がありません。噂だけが先行してる、そう思われるラインを越えてないのでしょう」
「そっか……三年前と比べて、そこら辺も成長したと思ったんだけどな」
まだまだ威圧感が足りないか~。
そうだなぁ……これから髭でも生やすか?
…………止めとこう。
どちらにしろ似合わねぇから、アンバランスな顔になるだけだ。
「ちなみにラガス坊ちゃま、先程の馬鹿が引き下がらなければ、どうするつもりでしたか?」
「とりあえず指一本斬り落とそうと思ってた」
「……悪くありませんね。一番最初は、それぐらいが妥当でしょう」
「そうだろそうだろ」
周りの同業者たちがちょっとドン引いてるっぽいけど、それぐらいしないと見た目で判断してお前らは絡んでくるだろってツッコミたい。
「面倒っすね。これでダンジョン内でモンスターだけじゃなくて、一応人にも注意しないと駄目ってことっすよね」
「良く分かってるじゃないですか、シュラ」
「……今回は別にそこまで気にしなくても良いんじゃないか」
「どうしてですか?」
「パッと視た感じ、ニ十層以降には来れないだろ。だったら、次の探索でサクッとニ十層まで降りれば良い」
言い終わってから、また同業者たちの怒りを買ってしまう発言をしてしまったと思ったが……もうこの街では今更だな。
「多少モンスターのレベルは上がるだろうけど、前回と同じペースで潜れるだろ」
スピードアップすれば、前回以上の早さでボス部屋に到達出来る筈だ。
翌日、本当なら一日か二日休みを入れるんだろうけど、戦いらしい戦いをしてないから、一日も休む必要はない。
十一階層に転移し、光弾を常に待機させながら、若干速足で移動する。
「……スケルトンとグールも、武器を持っている個体が増えてきましたね」
「武器を持ってるつっても、武器術には程遠い腕だろ。心配する要素にはならないない」
「油断は禁物と言いたいところですが、ラガス坊ちゃまの無双状態を考えると、本当に心配する必要はなさそうですね」
いやぁ~~、本当にそうなんだよな。
光魔法のライトボールより燃費が良いらしいし、本当に楽過ぎる。
こりゃニ十階層までも特に戦いという戦いはなさそうだな~。
なんて感じでちょっと調子に乗りながら探索してたんだけど、マジで本当に光弾だけで殆どのモンスターが片付いた。
……ボスモンスターはちょっと期待しても良い、よな?
34
お気に入りに追加
3,501
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

落ちこぼれ公爵令息の真実
三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。
設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
投稿している他の作品との関連はありません。
カクヨムにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる