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身が心配

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「あそこだ」

事前に情報を得ていた場所場で行くと、本当に陸鮫を含む多くのモンスターがいた。

モンスターの種族は関係なく従えてるみたいだな……流石鮫。
ってか、ちょっと待て……向こう、俺たちに気付いてないか?

「ワゥ」

「だよな。ハックスさん、向こうはもう俺たちに気付いてます」

「ッ!!?? ……どうやらその様だな。攻撃魔法は遅れてからで良い!!! アーチャーたちは先に攻撃するんだ!!!!」

うんうん、俺みたいなルーキーの言葉を信用してくれるってのは嬉しいね。

にしても……あいつら、普通この距離で気付くか?
腕が立つアーチャーやメイジでないと攻撃が届かない距離から先制しようとしてたんだが……陸鮫の鼻が異様に優れてんのか?

そもそも鮫ってそこまで嗅覚が優れてないと思うんだが……まっ、血の気配を感じる気配は優れてたか?
もしかしたら、人の肉が大好きな類のある意味希少なモンスターになったのかもな。

「それではラガス坊ちゃま、私たちも好きに動きましょう」

「だな」

陸鮫は適当に牽制しつつ、メインディッシュに取っておこう。

「ガルルルゥアアアアアッ!!!!」

「ブボォォオオオオオオッ!!!!」

ブラックウルフにオークジェネラル……なんでオークジェネラルまで? ってツッコみたいところだけど、それだけ陸鮫の支配力が優れてるって納得するしかないな。

「ふんっ! よっ!!! っと」

「「ッ!!??」」

咬みつこうとしてきたブラックウルフには裏拳。
大剣を振り下ろしてきたオークジェネラルには腹に蹴りをねじ込む。

ブラックウルフは即死で、オークジェネラルは……まっ、よっぽど回復力が高くなければ、そのまま死にそうだな。

「色々と種類は多いっすけど、強さはそのまんまって感じっすね!!!!」

「種類が多い分、あまり油断しない方が、懸命よ」

「ごちゃごちゃ、してる」

「ワゥ!!!!」

うん、何だかんだうちのメンバーはやっぱり大丈夫そうだな。

「…………ジャァアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

「「「「「「「「「「ッ!!!!!」」」」」」」」」」

これは……マジか。
陸鮫が吼えた瞬間、大半のモンスターがこっちに来やがった!!!

強い奴らから先に始末しようってことか? 
そういう考えに選ばれたのはある意味光栄だが……その隙に他のハンターたちが狙われるのは、よくないな。

「シュラ、先に行っといてくれ!!!」

「先に倒しちゃっても良いんですか!!」

「構わない!!」

「了解っす!!!!!」

シュラがあんまり張り切り過ぎると身がボロボロになりそうだから嫌なんだが……まっ、それはそれで仕方ないか。

「シュラ……しっかりと戦れるでしょうか?」

「なんだ、心配、してんのか?」

「ラガス坊ちゃまは、戦いが終わった後に、陸鮫の刺身を、食べるのでしょう?」

「あぁ……なるほど。そっちの、心配って事か」

メリル的には、シュラが陸鮫にやられるなんて、全く心配してないんだな。

「キィィィイイァアアアアッ!!!!」

スクラッチバードまで……陸だけじゃなくて、空がメインの戦場であるモンスターまで従えるのか。

単純に鮫だから、海の王者だから別の種族のモンスターを従えられるって訳ではない、のか?
もしかしなくても、特殊なアビリティを持ってるタイプ? それはそれでマジで凄いというか……他のモンスターたちからすれば、恐怖でしか、ないだろうな。

「ラガス坊ちゃま、こちらは私とセルシア様とルーフェイスでなんとかしますので、向こうに行っても大丈夫ですよ?」

「良いのか?」

「えぇ、大丈夫です。私も陸鮫の刺身は、少し楽しみ、ですから。このままだと、シュラが、思いっきり焼いてしまうかも、しれません」

「それは勘弁してほしいな。分かった、後は頼んだ」

メリルたちの残りのモンスターを任せ、主戦場へダッシュ!
ギリギリ陸鮫の身が焼かれる前に到着できた。
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