万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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王者

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「ねぇ、ラガス。なんで、陸鮫、は、他のモンスターを、従え、られるんだ、ろ?」

標的のモンスターが滞在している場所へ向かう途中、興味深そうな質問を投げられた。

「なんでだろうな…………もしかしたら、鮫が魚類の中では王だからかもしれないな」

「王……鮫が、王様なの?」

「海の中では、そうなのかもしれないって話だ」

あれ? 海の王者って異名的なのがあるのってホホジロザメだっけ?
まぁ、どちらにしろ鮫って魚類の中では断トツで恐ろしいから、別に間違ってはいないよな。

「ラガスさん、海の中にもドラゴン系のモンスターはいるっすよね」

「あぁ~~~、そうだな。確かにいるな」

「それなら、やっぱり王はドラゴンになっちゃうんじゃないっすか?」

「…………ドラゴンは、全モンスターの頂点に立つ存在、生態系の天辺にいる奴らだからな……あいつらは色んな意味で除外だ」

確か、シーサーペントとかもドラゴン系のモンスターに含まれるんだったか?
そう考えると鮫も海の中では真面目に王者と言えないか……いや、別にそんなこともないか。

「とはいえ、サメという種族が長い年月をかけて進化し続けていれば、ドラゴンでさえ容易に手を出せない領域に到達してるかもしれない」

「ラガス坊ちゃま……あまり笑みを浮かべながら言う言葉ではないかと」

「良いじゃねぇか。ドラゴンより強いサメだと。絶対に美味いだろ」

「……それは否定出来ませんね」

だよな~~。ランクが上がれば、大概のモンスターは旨味が増す。

いずれは海に行って刺身をたらふく食べたいもんだ。

「ラガス君たちって、いつもそんな会話してるの?」

「そんなことないですよ。今は偶々セルシアが面白そうな話を振ってくれたんで、偶然そうなっただけです」

「そ、そっか……あのさ、三本角オーガと戦った時、どういう感覚だった?」

どういう感覚だったってことは……当時の戦ってる時の心境の話だよな?

もう三年ぐらい前の話だからな。
ん~~~……とりあえず、そんなに余裕がある相手ではなかったよな。

「余裕がなくて、それでいて久しぶりに全力を出して殺しにいける相手だったから、正直……ドキドキ三割、ワクワク七割ってところでしたね」

「わ、ワクワクの方が勝ってたんだ」

あっ、ホバーさんは信じてくれてるっぽいけど、他の人たちは何人か信用してないっぽいな。

つっても、十三歳の子供が推定Aランククラスのモンスターを一人で倒したって話を、直ぐに信用しろってのが無理な話だよな~。

「そうですね~。今までソロで戦ってきたモンスターの中だと、そいつが一番強かったですし……まっ、これからハンター生活を続けてたら何度も三本角のオーガジェネラルより強いモンスターと遭遇出来そうですけどね」

「ラガス君たちなら、間違いなく遭遇出来そうだね」

いやぁ~~、さすが俺のファン。
良く解ってくれてる。

んで…………なんかハーフ巨人の……ダブンだっけ? さっきからずっとこっちにイライラが含まれた視線をチラチラ向けてきてるな。

それなりに大きな声で話してたら、モンスターが寄ってくるだろ!!! って怒鳴って、先輩風吹かせたい感じか?

そんな感じっぽいけど言って来ないってことは……多分、ルーフェイスの存在にビビってるんだろうな。
正直、ルーフェイスの圧にビビらず何か言ってくるなら、ちょっと評価が変わったと思うんだけど……なんか、典型的過ぎてこの前の鬼人族の青年たちよりもダサいな。

俺たちが気に入らないって理由で威張るなら、最後の最後まで態度を変えずに威張り散らして欲しいもんだ。

「ここで休憩を取る。次の移動から十分程度で標的に到着する。各自、最後の準備を行え」

最後の準備……それなら、座禅でも組んで魔力の循環でも行っておくか。
体を動かすのも立派な準備運動だけど、個人的にはこれも良い運動だと思ってる。

とりあえず時間一杯まで行った後に目を開くと、何故か殆どの同僚さん達がこっちを向いていた。
止めてくれ、変に照れるだろ。
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