705 / 974
嫌な生まれ変わり
しおりを挟む
「という訳で、これからオルト―へ向かうのが良いでしょう」
俺らが良さげな情報を集める前に、たった一日で今後役立ちそうなダンジョンの情報収集を終えたらしい。
「そこに墓地という名のダンジョンがあります」
「墓地って……いや、ダンジョンはハンターたちの墓場とは言うけどさ」
「仕入れた情報によると、墓地で死んだ冒険者は再利用されるらしいです」
再利用……言葉だけなら良い内容なんだけど、内容が内容なだけに、恐ろしさしか感じない利用方法だな。
「故に、対人戦でも有意義な経験が得られるでしょう」
「間違ってはいないな。でも、そんな恐ろしいダンジョンなら、あまりハンターたちは潜らないんじゃないか?」
「既に発見され、ハンターギルドが管理を始めてから数十年は経過しています……だからこそ、墓地へと向かうハンターは多いらしいですよ」
「そういう事か」
先輩や後輩、同期たちが死後も彷徨わないように、成仏させに行くってことか。
その行動理由は解るんだが……絶対に中には成仏させに行こうとしたら連中が、仲間入りしてるケースもあるよな。
「ゾンビ、もしくはスケルトンの仲間入りしたら……あれか、スピードは上がるけどパワーが下がるって感じか?」
「それは個体差によるらしいです。強いハンター、戦闘者たちは骨まで強靭ということなのでしょう」
「なるほどねぇ。そりゃ人間からモンスターになったんなら、その辺の事情が変わっててもおかしくねぇか」
……そうか、そうなるんだな。
一度ダンジョンに取り込まれたなら、モンスターとして生まれ変わっててもおかしくない。
「その通り。元ハンターと思わしきモンスターには、魔核があります」
「そうか…………同じハンターが救ってやりたいと思う訳だな」
別にそこら辺の悔しさをどうにかしようとか、救済のつもりはない。
とにかく、良い訓練の場にはなりそうだ。
「それでは、次の目的地はオルト―でよろしいでしょうか」
「あぁ、そうしよう」
一日で次の目的地が決定。
翌日の朝からホープレスを出発。
道中は……比較的良好。
モンスターはルーフェイスにビビッて襲ってくることはなかったが、二度盗賊に襲われた。
「ルーフェイスみたいな怪物がいるってのに、あんたら度胸だけはあるな」
「だ、黙れええええええええっ!!!!」
良い歳したおっさんや若い連中など関係無く潰し、ルーフェイスの鼻を頼りにアジトを突き止める。
俺たちを襲おうと決心した盗賊団は……色んな意味で運がなかったとしか言えないな。
実行犯だけで襲っても俺たちを殺せる、もしくは捕らえられる訳がない。
加えて、俺たちに近づけば結果としてルーフェイスが絶対にアジトを突き止める。
そんな多少の襲撃はありながらも、目的地であるオルト―には順調に進んでいた。
ただ……途中、偶々良いタイミングで泊まることが出来た街、ハサンで面白い情報を耳にした。
「やっぱり、あいつを倒してからでもオルト―に行くのは遅くないと思うんだよ」
「俺はラガスさんに賛成だな!!!」
「シュラ、あなたは黙っててください」
宿の食堂で実に面白い話を聞いてしまった。
ハサン周辺の森で陸を歩く鮫……その言葉通り、陸鮫が生息してるらしい。
これまでにもその姿は目撃されており、討伐もされてるので、決して幻のモンスターとか、そういう存在ではない。
ただ……陸鮫のフカヒレは、超美味いんだよ!!!!!
「ラガス坊ちゃま、忘れたのですか。いずれ訪れるかもしれない戦争に備えて、私たちは経験を積む。それが目的です」
「そうだな。確かにそれが目的だった。でもな、メリル……いずれ訪れるかもしれないという理由で、ずっとオルト―に留まりはしないんだぞ」
「むっ」
どうやらこれが決め手になったようで、俺たちはほんの少しの間だけハサンに滞在することが決まった。
俺らが良さげな情報を集める前に、たった一日で今後役立ちそうなダンジョンの情報収集を終えたらしい。
「そこに墓地という名のダンジョンがあります」
「墓地って……いや、ダンジョンはハンターたちの墓場とは言うけどさ」
「仕入れた情報によると、墓地で死んだ冒険者は再利用されるらしいです」
再利用……言葉だけなら良い内容なんだけど、内容が内容なだけに、恐ろしさしか感じない利用方法だな。
「故に、対人戦でも有意義な経験が得られるでしょう」
「間違ってはいないな。でも、そんな恐ろしいダンジョンなら、あまりハンターたちは潜らないんじゃないか?」
「既に発見され、ハンターギルドが管理を始めてから数十年は経過しています……だからこそ、墓地へと向かうハンターは多いらしいですよ」
「そういう事か」
先輩や後輩、同期たちが死後も彷徨わないように、成仏させに行くってことか。
その行動理由は解るんだが……絶対に中には成仏させに行こうとしたら連中が、仲間入りしてるケースもあるよな。
「ゾンビ、もしくはスケルトンの仲間入りしたら……あれか、スピードは上がるけどパワーが下がるって感じか?」
「それは個体差によるらしいです。強いハンター、戦闘者たちは骨まで強靭ということなのでしょう」
「なるほどねぇ。そりゃ人間からモンスターになったんなら、その辺の事情が変わっててもおかしくねぇか」
……そうか、そうなるんだな。
一度ダンジョンに取り込まれたなら、モンスターとして生まれ変わっててもおかしくない。
「その通り。元ハンターと思わしきモンスターには、魔核があります」
「そうか…………同じハンターが救ってやりたいと思う訳だな」
別にそこら辺の悔しさをどうにかしようとか、救済のつもりはない。
とにかく、良い訓練の場にはなりそうだ。
「それでは、次の目的地はオルト―でよろしいでしょうか」
「あぁ、そうしよう」
一日で次の目的地が決定。
翌日の朝からホープレスを出発。
道中は……比較的良好。
モンスターはルーフェイスにビビッて襲ってくることはなかったが、二度盗賊に襲われた。
「ルーフェイスみたいな怪物がいるってのに、あんたら度胸だけはあるな」
「だ、黙れええええええええっ!!!!」
良い歳したおっさんや若い連中など関係無く潰し、ルーフェイスの鼻を頼りにアジトを突き止める。
俺たちを襲おうと決心した盗賊団は……色んな意味で運がなかったとしか言えないな。
実行犯だけで襲っても俺たちを殺せる、もしくは捕らえられる訳がない。
加えて、俺たちに近づけば結果としてルーフェイスが絶対にアジトを突き止める。
そんな多少の襲撃はありながらも、目的地であるオルト―には順調に進んでいた。
ただ……途中、偶々良いタイミングで泊まることが出来た街、ハサンで面白い情報を耳にした。
「やっぱり、あいつを倒してからでもオルト―に行くのは遅くないと思うんだよ」
「俺はラガスさんに賛成だな!!!」
「シュラ、あなたは黙っててください」
宿の食堂で実に面白い話を聞いてしまった。
ハサン周辺の森で陸を歩く鮫……その言葉通り、陸鮫が生息してるらしい。
これまでにもその姿は目撃されており、討伐もされてるので、決して幻のモンスターとか、そういう存在ではない。
ただ……陸鮫のフカヒレは、超美味いんだよ!!!!!
「ラガス坊ちゃま、忘れたのですか。いずれ訪れるかもしれない戦争に備えて、私たちは経験を積む。それが目的です」
「そうだな。確かにそれが目的だった。でもな、メリル……いずれ訪れるかもしれないという理由で、ずっとオルト―に留まりはしないんだぞ」
「むっ」
どうやらこれが決め手になったようで、俺たちはほんの少しの間だけハサンに滞在することが決まった。
33
お気に入りに追加
3,497
あなたにおすすめの小説
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる