675 / 954
ふざけんなって話
しおりを挟む
「ジーク、お前が頑張り過ぎる必要はないぞ。そういうのは、別にお前だけの仕事って訳じゃないだろ」
「ん~~、確かにそうかもしれないけど、リアルス団長から頼まれた仕事だしね」
「……どうせなら、実力があってお前と同じく、面が良い先輩と一緒に行え」
「ルーキーと、ルーキーの域を抜けた本当のプロが一緒に説明をして、更に後輩たちの心を掴むってところか?」
「とりあえずそんなところだ」
リーベの言う通り、先輩も一緒に話せば、より信頼を得られる筈だ。
「そうだね。リアルス団長から頼まれたとはいえ、僕一人だけでやる必要はない……それに、強い先輩と一緒の方が説得力もる。けど、ラガス……僕は、壁を越える戦績を残すことは諦めないよ」
「っ……顔に出てたか?」
「顔に出てたというか、雰囲気と話し方、かな」
はぁ~~。伊達にジークとの付き合いも短くないってことか。
「心配してくれるのは嬉しいけど、騎士になったからには……人々を守る剣にして盾になったからには、いずれ避けては通れない道だよ」
「そりゃ……まぁ、そうだな」
俺やリーベも、依頼上では誰かを守ることはあるだろうけど、結局それはそういう依頼を受けたからって話。
ジークの場合は、どの仕事も誰かを守ることに繋がる……確かに、その場面が避けては通れない。
ハンターみたいに、自身の力量や周囲に生息するモンスターの戦闘力を考慮して、リスク管理できる訳じゃない。
「それに、ラガスだってハンターになってから直ぐに無茶するつもりでしょ」
「無茶って……Bランクのモンスターに挑もうって考えてるだけだっての」
「ラガス。お前は学生に枠に収まらない、ってもう俺たちは卒業したんだったな。とにかく、お前が歳の割に強過ぎることを考慮しても、Bランクモンスターに挑むのは、十分無茶だ」
うぐっ……すいませんでした。
ちょっと常識的な部分が抜けてた……でも、俺の場合はメリルやシュラ、セルシアにルーフェイスがいる。
頼れる仲間が傍に居るから、Bランクモンスターぐらいだと、あんまり挑むことに危機感がないんだよな。
「そりゃそうかもしれねぇけど……はぁ~~、そうだな。ジークと共に行動する奴らのことを信用するしかないか?」
「? 僕じゃなく、僕と共に行動する人を、かい」
「だってそうだろ。ジークがこの先、任務でどんな敵と対峙するかは知らないけど……Bランクのモンスター程の戦闘力を持つ相手なら、命を懸ければ勝てるだろ」
「…………」
「勿論、無傷でってのは無理とは思う。重傷を思うかもしれないけど、それでも倒せる可能性は決して低くない」
ジークは、入学してからきっちり王道を進み、成長し続けた。
だからといって、王道以外のことが出来ない訳ではない。
対処も知っていれば、同じ邪道な技、行動も実行出来る。
「でも、一緒に行動する仲間のレベルが低かったら、そういう時……お前が身を挺して守らなければならない状況に追い込まれるだろ」
「っ……」
「いや、自分でも上から目線だと思ってる。でも……仲間を守りながら格上の相手を潰すのは、さすがにきついだろ。だから、ジークと共に行動する奴らの実力を信用するしかないって言ったんだ」
「騎士団に合格した者たちは皆三年間、頑張り続けてきた者たちだと思うが、ラガスの言う通りだな」
仲間を守るために身を挺し……そして死ぬ。
それは美談に聞こえるかもしれないけど、俺たち友人からすれば、ふざけんなって怒鳴り散らかしたくなる内容だ。
「……ありがとう、二人とも。でも、安心してくれ。騎士団に入ったら、今以上に僕は強くなる。学園では学べなかったことを吸収し、仲間を守りながらでも敵を倒せる強さを得る」
「…………そうか。悪かったな」
瞳の奥に覚悟の炎? が見えた。
幻覚だったかもしれないけど……てか、絶対に幻覚だと思うけど、ジークの瞳に確かな覚悟が見えた。
「ん~~、確かにそうかもしれないけど、リアルス団長から頼まれた仕事だしね」
「……どうせなら、実力があってお前と同じく、面が良い先輩と一緒に行え」
「ルーキーと、ルーキーの域を抜けた本当のプロが一緒に説明をして、更に後輩たちの心を掴むってところか?」
「とりあえずそんなところだ」
リーベの言う通り、先輩も一緒に話せば、より信頼を得られる筈だ。
「そうだね。リアルス団長から頼まれたとはいえ、僕一人だけでやる必要はない……それに、強い先輩と一緒の方が説得力もる。けど、ラガス……僕は、壁を越える戦績を残すことは諦めないよ」
「っ……顔に出てたか?」
「顔に出てたというか、雰囲気と話し方、かな」
はぁ~~。伊達にジークとの付き合いも短くないってことか。
「心配してくれるのは嬉しいけど、騎士になったからには……人々を守る剣にして盾になったからには、いずれ避けては通れない道だよ」
「そりゃ……まぁ、そうだな」
俺やリーベも、依頼上では誰かを守ることはあるだろうけど、結局それはそういう依頼を受けたからって話。
ジークの場合は、どの仕事も誰かを守ることに繋がる……確かに、その場面が避けては通れない。
ハンターみたいに、自身の力量や周囲に生息するモンスターの戦闘力を考慮して、リスク管理できる訳じゃない。
「それに、ラガスだってハンターになってから直ぐに無茶するつもりでしょ」
「無茶って……Bランクのモンスターに挑もうって考えてるだけだっての」
「ラガス。お前は学生に枠に収まらない、ってもう俺たちは卒業したんだったな。とにかく、お前が歳の割に強過ぎることを考慮しても、Bランクモンスターに挑むのは、十分無茶だ」
うぐっ……すいませんでした。
ちょっと常識的な部分が抜けてた……でも、俺の場合はメリルやシュラ、セルシアにルーフェイスがいる。
頼れる仲間が傍に居るから、Bランクモンスターぐらいだと、あんまり挑むことに危機感がないんだよな。
「そりゃそうかもしれねぇけど……はぁ~~、そうだな。ジークと共に行動する奴らのことを信用するしかないか?」
「? 僕じゃなく、僕と共に行動する人を、かい」
「だってそうだろ。ジークがこの先、任務でどんな敵と対峙するかは知らないけど……Bランクのモンスター程の戦闘力を持つ相手なら、命を懸ければ勝てるだろ」
「…………」
「勿論、無傷でってのは無理とは思う。重傷を思うかもしれないけど、それでも倒せる可能性は決して低くない」
ジークは、入学してからきっちり王道を進み、成長し続けた。
だからといって、王道以外のことが出来ない訳ではない。
対処も知っていれば、同じ邪道な技、行動も実行出来る。
「でも、一緒に行動する仲間のレベルが低かったら、そういう時……お前が身を挺して守らなければならない状況に追い込まれるだろ」
「っ……」
「いや、自分でも上から目線だと思ってる。でも……仲間を守りながら格上の相手を潰すのは、さすがにきついだろ。だから、ジークと共に行動する奴らの実力を信用するしかないって言ったんだ」
「騎士団に合格した者たちは皆三年間、頑張り続けてきた者たちだと思うが、ラガスの言う通りだな」
仲間を守るために身を挺し……そして死ぬ。
それは美談に聞こえるかもしれないけど、俺たち友人からすれば、ふざけんなって怒鳴り散らかしたくなる内容だ。
「……ありがとう、二人とも。でも、安心してくれ。騎士団に入ったら、今以上に僕は強くなる。学園では学べなかったことを吸収し、仲間を守りながらでも敵を倒せる強さを得る」
「…………そうか。悪かったな」
瞳の奥に覚悟の炎? が見えた。
幻覚だったかもしれないけど……てか、絶対に幻覚だと思うけど、ジークの瞳に確かな覚悟が見えた。
33
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる