万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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その世代の顔だから

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(はぁ~~~、面倒だな)

全員入団合格宴会の数日後、今度は卒業試験が行われた。

当然だが、ここにきて留年する生徒は一人もいない。
俺たちも問題無く試験に合格し、卒業資格を得た。

そして卒業試験の結果が分かった後、担任のバッカス先生から俺が卒業生代表として、最後に適当なスピーチを行う
ことを伝えられた。

「一応、なんで俺がと聞いて良いですか」

「三年間、お前は大会で常に活躍し続けた。初めて開催された国際大会でも無双状態だったな。加えて、お前は卒業試験でトップ……簡単に言えば、首席で卒業だ。それらの理由を踏まえた上で、お前を代表にしない理由になると思うか?」

……全くもって一ミリも反論出来ないな。

「安心しろ、お前にケツをぶっ刺された恨みで、俺が推薦したとかじゃねぇから」

「そんな事してたら、決闘を申し込んでもう一度同じことをしますよ」

やろうと思えば、多分できなくはない。

「恐ろしいこと言うな。あれ、無茶苦茶痛かったんだからな」

「不用意に食後に試合なんて許可したからですよ」

本当に千年殺しを食らった恨みで、代表に推薦したりはしてないだろう。
偶に無茶苦茶というか、適当な部分がある先生だが、そういった私怨で生徒に嫌がらせするような屑ではない。

「でも、俺は卒業生代表なんて柄じゃないですよ」

「それは解ってる」

解ってるんかい!
だったら俺以外の奴を指名してくれよ!!

「セルシアとかどうですか?」

別にパートナーを売っている訳ではない。
様々な面から考えて、セルシアが卒業生代表として壇上で話すのは悪くないと思う。

「悪い案ではねぇが、ほら……パートナーであるお前の方が良く解ってるだろ。セルシアは、あんま口が上手くねぇだろ」

「うっ……まぁ、それはそう、かもしれませんね」

残念ながら、そこは否定出来ない部分だ。
セルシアなら言葉が少なくとも、その見た目だけで色々と許される気がしなくもないんだけどな。

「その点、お前はそういうの、案外得意だろ」

「別に得意って訳じゃありませんよ」

「何言ってんだ。新入生の歓迎会とかで、一年相手に気の利いた挨拶してたじゃねぇか」

「あぁ~~~……いや、どうなんでしょうね」

何回か人前で挨拶したことはあるけど、多少ふざけても構わない場だったから、新入生たちに上手く笑ってもらえて、結果オーライなだけだと思うんだが。

「リーベやジークでもダメなんですか? ジークなんて、俺らの中で一番そういうのが似合いそうじゃないですか」

「確かにそういうのが似合う奴ではある。でもな、ラガス。もう諦めろ。ぉ前らの世代を代表する生徒は、どう考えてもお前なんだ」

「うっ」

褒められては……いるんだよな。
多少嬉しいと感じなくはないが、つまりは決定事項ってことだよな。

「そりゃお前が名前を上げたセルシアたちも十分すげぇが、その中でも群を抜いた存在がお前だ。ほら、二年ぐらい前にお前に子供たちを助けられた親たちだって、お前が代表じゃなきゃ納得しないと思うぜ」

「あぁ~~…………解りました」

「おぅ、解ってくれたか。もうお前がどれだけ反論しても覆らないから、諦めるのが一番だ」

俺に実害から良いけど、反論しても一ミリも覆る可能性がないってのは、なんとも嫌な状況だな。

爵位の差がうんたらかんたらって、もうちょい反論したかったけど、今までの実績がどうたらこうたらって返されそうだ。

卒業生代表の挨拶、か。
バッカス先生からは適当で良いって言われたけど、本当に適当過ぎたら父さんやバルンク公爵様たちに迷惑掛けるよな。

「珍しく本気で悩んでますね、ラガス坊ちゃま」

「マジで本気で悩んでるよ…………はぁ~、本当に柄じゃないんだけどな」

それとなくセルシアたちに、もし良かったら交代しないかって訊いたけど、見事にオール拒否された。
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