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今の現在地
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「日頃からモンスターと戦える環境……正直、羨ましいね。そうだ、全然話は変わるんだけど、本気でラガスとセルシアさんが戦えば、どっちが勝つ?」
「……全部こみこみでも、まだ俺が勝つかと」
「そっか……やっぱり、目の前の光景通り、恐ろしい程強いんだね」
そうなんだよな~。
戦闘の才能が全くないなんて嫌味にしかならないから言わないけど、今俺とセルシアの明確な差はスタートダッシュ。
その点が一番大きい。
対戦相手が新米騎士からベテラン騎士たちに変われば、さすがのセルシアも一本取られて負ける。
それでも、まだギリ学生であることを考えれば、十分過ぎる戦闘内容。
まっ、戦い方というか……戦いに対する思考? 的な部分が俺と似てるから、あまり出世しない。
もしくは出世したくないタイプだ。
「よろしく、ラガス」
「よろしくお願いします!」
なんて考えてたら、俺も新米の域を抜けた騎士との模擬戦がスタート。
新米の息を抜けた人たちや、ベテランの人たちは気迫や濃い戦意の使い方が上手い。
この戦いが模擬戦であるというのは解っているが、偶に殺気と勘違いしてしまいそうになる圧を囮に使ってくる。
こっちもそういう使い方を試してみるが、あまり引っ掛かってくれない。
今まであんまり圧をそんな使い方してこなかったからな……簡単に習得出来るフェイントではないか。
いや、振り返れば実戦で使ってきたことはあるんだが、ここまで細かく……いやらしく使ってはいないか。
「うっ……参った」
「ありがとうございました」
今回はなんとか勝てたが、次とその次の模擬戦は連続で負けた。
二戦ともギリギリ勝てると思ったんだけどな。
その隙を突かれたって感じか……いくらスタートダッシュが早くても、縛りありだと完勝はまだまだ無理そうだな。
「よし、そろそろ昼休憩にするか」
俺もセルシアも数十回以上模擬戦を行った後、ようやく昼飯の時間が訪れた。
「セルシア、勝ち星の数の方が多いんじゃないか」
「そう、なの?」
おいおい、全く把握してなかったのか?
「自分が何勝したのかとか、全く覚えてないのか」
「ん~~~~……なんとなくは、覚えてる、かな。でも、あまり興味、ないかも」
セルシアの言葉に、何人かの新米騎士の心に矢がぶっ刺さった気がするが……まっ、気のせいだろう。
「そ、そうなのか。でもな、その勝利数は、今セルシアがどれぐらいの位置にいるのか、ある程度示すことが出来る数だと俺は思うぞ」
「私の、現在地?」
「そうだ。今日は、現役騎士の人たちから何本も取っただろ。それは、お前が十分高い実力を有している証明でもある」
常識の範囲内で行う模擬戦とはいえ、現役騎士を相手に何勝もしてるんだ。
普通に考えれば、十分自信に繋がる戦績。
「だから、あんまり深く考える必要はない……ってのが、俺の意見だ」
ひとまず、言いたいことは言えた。
ただ、俺の考えを無理矢理押し付けようとは思わない。
俺や他の人から評価されたとしても、セルシアが納得出来ないのであれば、不満が解消されるまで頑張るしかない。
「んだよ、それだけ強いのに、何か戦闘関連で悩みでもあるのか? 勘弁してくれよ。これじゃ、マジで俺たち騎士の立場が無くなるぜ」
「……ラガスの、隣に、立ちたいから」
「おぉ~~~~……なるほどな」
セルシア、ストレートに自分の思いを口にしてくれるのは解りやすくて有難いが、周りに多くの騎士たちがいるの……忘れてないか。
俺はちょっと恥ずかしいんだが。
「なら、俺らも実力で副騎士団長……騎士団長の座をぶん取る!!! ってぐらいの気概で訓練に臨まねぇとな」
「何言ってんだって馬鹿にされそうだけど、学生がこれだけ頑張ってるのに、僕たちが目指す目標が低いのは、確かにナンセンスだね」
何やら騎士たちの向上心? に火が付いた。
ま、まぁ俺としてはニヤニヤとした視線を向けなければ、なんでも良いや。
「……全部こみこみでも、まだ俺が勝つかと」
「そっか……やっぱり、目の前の光景通り、恐ろしい程強いんだね」
そうなんだよな~。
戦闘の才能が全くないなんて嫌味にしかならないから言わないけど、今俺とセルシアの明確な差はスタートダッシュ。
その点が一番大きい。
対戦相手が新米騎士からベテラン騎士たちに変われば、さすがのセルシアも一本取られて負ける。
それでも、まだギリ学生であることを考えれば、十分過ぎる戦闘内容。
まっ、戦い方というか……戦いに対する思考? 的な部分が俺と似てるから、あまり出世しない。
もしくは出世したくないタイプだ。
「よろしく、ラガス」
「よろしくお願いします!」
なんて考えてたら、俺も新米の域を抜けた騎士との模擬戦がスタート。
新米の息を抜けた人たちや、ベテランの人たちは気迫や濃い戦意の使い方が上手い。
この戦いが模擬戦であるというのは解っているが、偶に殺気と勘違いしてしまいそうになる圧を囮に使ってくる。
こっちもそういう使い方を試してみるが、あまり引っ掛かってくれない。
今まであんまり圧をそんな使い方してこなかったからな……簡単に習得出来るフェイントではないか。
いや、振り返れば実戦で使ってきたことはあるんだが、ここまで細かく……いやらしく使ってはいないか。
「うっ……参った」
「ありがとうございました」
今回はなんとか勝てたが、次とその次の模擬戦は連続で負けた。
二戦ともギリギリ勝てると思ったんだけどな。
その隙を突かれたって感じか……いくらスタートダッシュが早くても、縛りありだと完勝はまだまだ無理そうだな。
「よし、そろそろ昼休憩にするか」
俺もセルシアも数十回以上模擬戦を行った後、ようやく昼飯の時間が訪れた。
「セルシア、勝ち星の数の方が多いんじゃないか」
「そう、なの?」
おいおい、全く把握してなかったのか?
「自分が何勝したのかとか、全く覚えてないのか」
「ん~~~~……なんとなくは、覚えてる、かな。でも、あまり興味、ないかも」
セルシアの言葉に、何人かの新米騎士の心に矢がぶっ刺さった気がするが……まっ、気のせいだろう。
「そ、そうなのか。でもな、その勝利数は、今セルシアがどれぐらいの位置にいるのか、ある程度示すことが出来る数だと俺は思うぞ」
「私の、現在地?」
「そうだ。今日は、現役騎士の人たちから何本も取っただろ。それは、お前が十分高い実力を有している証明でもある」
常識の範囲内で行う模擬戦とはいえ、現役騎士を相手に何勝もしてるんだ。
普通に考えれば、十分自信に繋がる戦績。
「だから、あんまり深く考える必要はない……ってのが、俺の意見だ」
ひとまず、言いたいことは言えた。
ただ、俺の考えを無理矢理押し付けようとは思わない。
俺や他の人から評価されたとしても、セルシアが納得出来ないのであれば、不満が解消されるまで頑張るしかない。
「んだよ、それだけ強いのに、何か戦闘関連で悩みでもあるのか? 勘弁してくれよ。これじゃ、マジで俺たち騎士の立場が無くなるぜ」
「……ラガスの、隣に、立ちたいから」
「おぉ~~~~……なるほどな」
セルシア、ストレートに自分の思いを口にしてくれるのは解りやすくて有難いが、周りに多くの騎士たちがいるの……忘れてないか。
俺はちょっと恥ずかしいんだが。
「なら、俺らも実力で副騎士団長……騎士団長の座をぶん取る!!! ってぐらいの気概で訓練に臨まねぇとな」
「何言ってんだって馬鹿にされそうだけど、学生がこれだけ頑張ってるのに、僕たちが目指す目標が低いのは、確かにナンセンスだね」
何やら騎士たちの向上心? に火が付いた。
ま、まぁ俺としてはニヤニヤとした視線を向けなければ、なんでも良いや。
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