万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
666 / 989

どこまで採点されるのか

しおりを挟む
「シュラは、ジークとスレイド。どっちがトップで入団すると思う?」

「……悩みど頃っすね」

二人と手合わせはしたことがあるシュラの意見は、結構気になる。
性格からして、遠慮なく答えてくれるしな。

「俺の個人的な意見っすけど、スレイド様の方がトップで入団すると思うっす」

「ほぅ……それはどうしてだ?」

「武器の違いは置いといて、スレイド様の方がこう……野性味があると思うんすよ」

「……うん、そうかもな」

シュラ、それはあれじゃないか。
お前が戦ってみたい方、って判断で選んでないか?

「今の二人の正確な実力、戦い方は知らないっすけど、俺の記憶の中ではスレイド様の方が野性味と執念があったす」

「野性味と執念、か。ジークは強くても、戦い方が良い意味で騎士っぽいから、逆にそこが差になるってことで良いか?」

「そんな感じっすね。まぁ、俺は入団試験を受ける学生たちの試験監督じゃないんで、何を基準で成績を付けるのか解らないっすけど」

「はっはっは! それなら俺だって解らないよ」

そりゃそうだな。
成績に騎士らしさってのもあるんだったら、ジークの方が有利かもしれない。

ただ、純粋な戦闘力……戦闘時に体から溢れ出る闘気とかを考えると、個人的にはスレイドの方がやや有利な気がするな。

「そんなに気になるな、やはり観に行けば良かったのではないですか?リアルス様やフリージア様は快く迎えてくれると思いますが」

「だから、バレるとうちの生徒たちだけじゃなくて、他学園の生徒たちに変なプレッシャーとかを与えるかもしれないだろ」

ぶっちゃけ、他学園の生徒でスレイド以外にあんまり親しい生徒はいないけど、だからって不用意に緊張感が増す様なことはしたくない。

あっ、一応知人ならイーリスがいたか。

「ですから、以前貴族の方々から貰ったプレゼントに、姿を消すマジックアイテムのマントがあったではないですか」

「………………あぁ~、確かにそんなマジックアイテムあったな」

メリルのやつ、良くそんな細かく覚えてるな。

確かに、身に付ければ周囲の生物から見えなくなる、つまり姿を消せるって効果が付与されてた。
匂いとかまでは覚えてないけど、ランクも低くなかった気がするし……そうだな。それを使えば、受験生たちに気付かれずに試験の様子を見れたかもな。

「でも、もう実技試験も始まってるだろうから、今更って話だろ」

「それはそうですが」

「ラガスは、結果、気になる、の?」

「そりゃ気になるさ」

「……なら、分かるまでに、私と模擬戦、しよ」

「お、おぅ」

なんか機嫌悪……くはないか。
ただ、ちょっとピリピリしてるよな。

何でだ……ここ最近、何かあったか?
体調が悪いわけではなさそうだよな。
てか、仮に体調が悪かったらキリアさんがしっかり止めるし。

じょ、女性の日だからか?
それなら、尚更大人しくしておいた方が良い気がするんだが……うん、俺の口からは聞けないな。

「それじゃ、軽くやるか」

「うん、戦ろう」

お互いに開始線に立って、木製の武器を持って……メリルの掛け声でスタート。

「シッ!!!」

「ッ、っと、ほっと!」

ジークやスレイドも出会ってから入団試験日まで、本当に強くなったと思う。
ただ、やっぱりセルシアには一歩敵わない。

羅門を使用したリーベならなんとか、って強さだ。
これに紫電崩牙の力まで加わったらと思うと、入学する前から強かったけど、リーベやジークたちと比べても、成長の幅は負けてない。

突き一つにしても、魔闘気すら纏っていないのに恐ろしい空を貫く音が聞こえてくる。

まっ、だからといって、俺も負けてられない。
模擬戦では魔力の使用はオッケーなので、魔弾のアビリティは使用せず、魔弾を使い始めた。

「ふっ!!!」

剣と魔弾による連撃にもかなり対応されるようになってきたが、どうやらまだ一瞬の隙を見つけ、そこに動く速さは俺の方が上みたいだな。

「俺の勝ち、だな」

「……うん、参った」

ん~~~……なんか、珍しくテンションが低いな。
昨日か今朝食べた料理の何かにあたったか?
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

デブの俺、転生

ゆぃ♫
ファンタジー
中華屋さんの親を持つデブの俺が、魔法ありの異世界転生。 太らない体を手に入れた美味いものが食いたい!と魔力無双 拙い文章ですが、よろしくお願いします。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

処理中です...