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誰がトップか
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騎士団、魔術師団の入団試験日。
今日は固定休日の日じゃないが、大半の生徒がいなくなるので、休日となっている。
リアルスさんやフリージアさんに、試験の様子を見に来るかと聞かれたが、さすがに断った。
まだ立場は同じ学生なんだし、そもそも俺がその場にいれば同級生たちが変に緊張してしまうかもしれない。
緊張感は、人によっては馬鹿にならない重荷だから。
「同級生たちの試験の様子を考えているのですか?」
「あぁ、そうだよ。俺たちにアドバイスを求めてきた奴らなら大丈夫だとは思うけど、それでも緊張感で普段の実力が出せない場合もあるだろ」
「その可能性は否定出来ませんね。ところで、ラガス坊ちゃまは誰が首席で入団すると思っていますか」
「首席入団か……まっ、魔法師団に関しては、間違いなくイーリスの奴がトップで入団するだろうな」
「やはり、魔法師団の方はイーリス様がトップは確定なのですね」
「世の中に絶対はないけど、一年の頃から真面目に特訓を続けてたしな……うちの学園から魔法師団へ入団する奴には悪いが、トップ入団はどう考えてもイーリスの奴だ」
氷魔法だけじゃなく、水や風の魔法も一定以上の腕まで上がっている。
三年の大会時には、別属性の魔法を同時に発動出来るようになってた。
魔法の種類も攻撃、防御、妨害の三種類が揃ってるし、一応回復も使えたか。
動きながらの発動も随分速く発動出来る様になってる。
あと、クレア姉さんに似て、本当にそこそこ接近戦の腕が一定ラインまで近づいている。
対人戦に力を入れている騎士志望の生徒たちには及ばないだろうけど、それでも完全に素人の域は抜けてる。
その辺りの弱点を補完してる点などを考えると、学生の中で魔法使いとしてはイーリスが一番完成されてる。
接近戦の技術だけなら、弟のレアードに分があるけど、魔法の腕に関してはイーリス方が一枚……二枚上手だ。
「イーリス様の前で同じことを言っても、ツンとした態度を取られそうですね」
「そりゃそうだろ。一年生の頃みたいにガッツリこっちを嫌ってる訳じゃないけど、せいぜいライバル視程度に済んでるってだけの話だからな」
リザード侯爵様から受けた魔靴の制作依頼の一件で、好感度が完全マイナスから多少マイナス……もしくはゼロまで上がった。
そこから定期的に手合わせとかするようになったからな。
まっ、今までの模擬戦では全部俺が勝ってるから、やっぱり好感度はゼロじゃなくて多少マイナスか。
「昔を考えれば、良好な関係と言えるでしょう。では、騎士団の方はどうでしょうか」
「リーベの奴が騎士団の入らず、俺たちと同じ道に進むみたいだからな……そうなってくると、絶対にうちの生徒がトップとは言えないな」
「ジーク様がトップ、ではないのですね」
いや、メリルが言いたいことは解る。
元セルシアの婚約者であることを示すかのように、一年の頃から順調に成長してる。
ハンターとしてスタートしても、良いラインからスタートダッシュを切れるだろうな。
割とモンスターと戦い慣れてるし、騎士団に入団してから対モンスター戦で苦労することはないだろう。
「おいおい、メリル。一つ忘れてないか」
「どなたをですか?」
「騎士志望で、もう一人抜き出た実力者がいるだろ」
「…………あぁ、なるほど。スレイド様ですね」
「そうだ。あいつがいるから、ジークがトップで入団とは限らない」
最後の最後まで大会ではシングルスに出場しなかったから、ジークとぶつかる機会はなかった。
ただ、才能や成長速度を考えると、ジークが油断してたらあっさりと喰ってしまうだけの実力はある。
というか、仮に二人が全力で模擬戦を行う機会とかあるなら、是非とも観てみたいな。
「そういう訳だから、審査する騎士団の人たちも、どっちをトップ入団にするか悩むだろうな」
今日は固定休日の日じゃないが、大半の生徒がいなくなるので、休日となっている。
リアルスさんやフリージアさんに、試験の様子を見に来るかと聞かれたが、さすがに断った。
まだ立場は同じ学生なんだし、そもそも俺がその場にいれば同級生たちが変に緊張してしまうかもしれない。
緊張感は、人によっては馬鹿にならない重荷だから。
「同級生たちの試験の様子を考えているのですか?」
「あぁ、そうだよ。俺たちにアドバイスを求めてきた奴らなら大丈夫だとは思うけど、それでも緊張感で普段の実力が出せない場合もあるだろ」
「その可能性は否定出来ませんね。ところで、ラガス坊ちゃまは誰が首席で入団すると思っていますか」
「首席入団か……まっ、魔法師団に関しては、間違いなくイーリスの奴がトップで入団するだろうな」
「やはり、魔法師団の方はイーリス様がトップは確定なのですね」
「世の中に絶対はないけど、一年の頃から真面目に特訓を続けてたしな……うちの学園から魔法師団へ入団する奴には悪いが、トップ入団はどう考えてもイーリスの奴だ」
氷魔法だけじゃなく、水や風の魔法も一定以上の腕まで上がっている。
三年の大会時には、別属性の魔法を同時に発動出来るようになってた。
魔法の種類も攻撃、防御、妨害の三種類が揃ってるし、一応回復も使えたか。
動きながらの発動も随分速く発動出来る様になってる。
あと、クレア姉さんに似て、本当にそこそこ接近戦の腕が一定ラインまで近づいている。
対人戦に力を入れている騎士志望の生徒たちには及ばないだろうけど、それでも完全に素人の域は抜けてる。
その辺りの弱点を補完してる点などを考えると、学生の中で魔法使いとしてはイーリスが一番完成されてる。
接近戦の技術だけなら、弟のレアードに分があるけど、魔法の腕に関してはイーリス方が一枚……二枚上手だ。
「イーリス様の前で同じことを言っても、ツンとした態度を取られそうですね」
「そりゃそうだろ。一年生の頃みたいにガッツリこっちを嫌ってる訳じゃないけど、せいぜいライバル視程度に済んでるってだけの話だからな」
リザード侯爵様から受けた魔靴の制作依頼の一件で、好感度が完全マイナスから多少マイナス……もしくはゼロまで上がった。
そこから定期的に手合わせとかするようになったからな。
まっ、今までの模擬戦では全部俺が勝ってるから、やっぱり好感度はゼロじゃなくて多少マイナスか。
「昔を考えれば、良好な関係と言えるでしょう。では、騎士団の方はどうでしょうか」
「リーベの奴が騎士団の入らず、俺たちと同じ道に進むみたいだからな……そうなってくると、絶対にうちの生徒がトップとは言えないな」
「ジーク様がトップ、ではないのですね」
いや、メリルが言いたいことは解る。
元セルシアの婚約者であることを示すかのように、一年の頃から順調に成長してる。
ハンターとしてスタートしても、良いラインからスタートダッシュを切れるだろうな。
割とモンスターと戦い慣れてるし、騎士団に入団してから対モンスター戦で苦労することはないだろう。
「おいおい、メリル。一つ忘れてないか」
「どなたをですか?」
「騎士志望で、もう一人抜き出た実力者がいるだろ」
「…………あぁ、なるほど。スレイド様ですね」
「そうだ。あいつがいるから、ジークがトップで入団とは限らない」
最後の最後まで大会ではシングルスに出場しなかったから、ジークとぶつかる機会はなかった。
ただ、才能や成長速度を考えると、ジークが油断してたらあっさりと喰ってしまうだけの実力はある。
というか、仮に二人が全力で模擬戦を行う機会とかあるなら、是非とも観てみたいな。
「そういう訳だから、審査する騎士団の人たちも、どっちをトップ入団にするか悩むだろうな」
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