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基準に達してるとは思うが
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「もう少し、相手の動きを見切ることに、集中した方が、良いかもな」
「ぬっ、せいやっ!!!!」
現在、訓練場で同級生たちの模擬戦相手をしている。
模擬戦をしながら、足りない部分を指摘。
同級生たちは少しでも入団出来る可能性を上げようと、その模擬戦の中で成長しようとしている。
「くっ!! ……まいった」
「反応速度は良い。だから、攻めることは大事だが、もう少しだけその過程を気にした方が良いかもな」
「倒すまでの過程、か。ありがとう」
「どういたしまして」
俺と同じくロングソードをメインウェポンとする同級生との模擬戦を終えた後、今度は槍使いのランサーと模擬戦を行う。
「ご指導、よろしく頼む」
「力になれるよう、しっかり視させてもらうよ」
同級生の一人が審判役として開始の合図を行い、模擬戦スタート。
俺の他にも、セルシアや貴族の令息や令嬢に頭を下げられ、渋々申し出を受けたメリルやシュラもアドバイスをしながら、卒業間近の三年生たちと模擬戦を行っている。
戦闘に関してアドバイスをするなら、バッカス先生やバレント先生たちがいるんだが、そちらはそちらで、どうやら相手をする生徒たちがいるらしい。
「もう少し、決定打と、そうじゃない攻撃以外で、顔に出る気迫とかを、一定にした方が良い」
何度も刃、もしくは拳を交えながらアドバイスを行う。
一応、俺的には間違ってないアドバイス内容だとは思ってる。
ただ……個人的に、アドバイスしてる内容が、三年生とはいえ学生に伝える内容ではないのでは? と思わなくもない。
だって、こうして何人もの同級生が俺たちに実際に模擬戦を行い、アドバイスを求めてる訳だけど……皆、そんなに心配するほど弱くないんだよな。
正直、アドバイス内容が騎士団の入団試験に合格するためじゃなくて、今よりも強くなる為に気にするべき点って感じで……俺個人としては、大半の同級生たちが落ちるとは思えない。
一応騎士団、魔法師団には毎年の入団数に、定員はない。
入団の基準を満たしている学生であれば、基本的に受け入れる。
そりゃ団員に与える給料に関しては、上の方々が色々と考える必要があるだろうけど、そこは俺たち学生が考える点じゃない。
入団試験をクリアし、入団して騎士となった者が増えれば、新しい騎士団や魔法師団が誕生するかもしれない。
だから、俺たちが現在模擬戦相手をしてる同級生たちは、ちょっと心配し過ぎだと思うんだよな……いや、油断や慢心は良くないのは解ってる。
勿論それらの感情が心を支配して、入団試験日まで堕落した生活を送るなど、論外なのは間違いない。
しかし、だからといってここまで気を引き締めるか? という疑問が浮かばなくもない。
今俺たちが行っているアドバイス内容は、騎士団魔法師団に入団してからでも、修正……もしくは向上出来るものばかり。
そこまで必要ないと思ってるなら、何故断らないのかって?
そりゃ、俺たちに頼んできた時の目……表情を見れば、同級生としては断れないものがある。
因みに、リーベも俺やセルシアと同じく、同級生たちから模擬戦を行ってからのアドバイスを求められている。
当の本人は戸惑っていたが、俺と関わってから才能を開花させ、それからも順調に実力を伸ばし続けているんだ。
他の同級生たちから頼られても、なんらおかしくない。
おそらく、羅門込みならBランクモンスターを一人で倒せそうだしな……無傷とはいかんだろうけど。
「っ、まいったよ」
「気迫の強弱さえ直せば、もっと相手に動きが読まれなくなる。まぁ、本当に余裕があるならで良いけど、その気迫をフェイントに使って相手の動きを釣って、カウンターを叩きこむ。これを覚えられたら、もっと戦いの幅が広がると思う」
「なるほど……良いアドバイス、感謝するよ」
「どういたしまして」
本日は休日なため、一旦昼食を挟み、夕食まで似た様な会話を何度も繰り返すことになった……無事に受かってほしいもんだ。
「ぬっ、せいやっ!!!!」
現在、訓練場で同級生たちの模擬戦相手をしている。
模擬戦をしながら、足りない部分を指摘。
同級生たちは少しでも入団出来る可能性を上げようと、その模擬戦の中で成長しようとしている。
「くっ!! ……まいった」
「反応速度は良い。だから、攻めることは大事だが、もう少しだけその過程を気にした方が良いかもな」
「倒すまでの過程、か。ありがとう」
「どういたしまして」
俺と同じくロングソードをメインウェポンとする同級生との模擬戦を終えた後、今度は槍使いのランサーと模擬戦を行う。
「ご指導、よろしく頼む」
「力になれるよう、しっかり視させてもらうよ」
同級生の一人が審判役として開始の合図を行い、模擬戦スタート。
俺の他にも、セルシアや貴族の令息や令嬢に頭を下げられ、渋々申し出を受けたメリルやシュラもアドバイスをしながら、卒業間近の三年生たちと模擬戦を行っている。
戦闘に関してアドバイスをするなら、バッカス先生やバレント先生たちがいるんだが、そちらはそちらで、どうやら相手をする生徒たちがいるらしい。
「もう少し、決定打と、そうじゃない攻撃以外で、顔に出る気迫とかを、一定にした方が良い」
何度も刃、もしくは拳を交えながらアドバイスを行う。
一応、俺的には間違ってないアドバイス内容だとは思ってる。
ただ……個人的に、アドバイスしてる内容が、三年生とはいえ学生に伝える内容ではないのでは? と思わなくもない。
だって、こうして何人もの同級生が俺たちに実際に模擬戦を行い、アドバイスを求めてる訳だけど……皆、そんなに心配するほど弱くないんだよな。
正直、アドバイス内容が騎士団の入団試験に合格するためじゃなくて、今よりも強くなる為に気にするべき点って感じで……俺個人としては、大半の同級生たちが落ちるとは思えない。
一応騎士団、魔法師団には毎年の入団数に、定員はない。
入団の基準を満たしている学生であれば、基本的に受け入れる。
そりゃ団員に与える給料に関しては、上の方々が色々と考える必要があるだろうけど、そこは俺たち学生が考える点じゃない。
入団試験をクリアし、入団して騎士となった者が増えれば、新しい騎士団や魔法師団が誕生するかもしれない。
だから、俺たちが現在模擬戦相手をしてる同級生たちは、ちょっと心配し過ぎだと思うんだよな……いや、油断や慢心は良くないのは解ってる。
勿論それらの感情が心を支配して、入団試験日まで堕落した生活を送るなど、論外なのは間違いない。
しかし、だからといってここまで気を引き締めるか? という疑問が浮かばなくもない。
今俺たちが行っているアドバイス内容は、騎士団魔法師団に入団してからでも、修正……もしくは向上出来るものばかり。
そこまで必要ないと思ってるなら、何故断らないのかって?
そりゃ、俺たちに頼んできた時の目……表情を見れば、同級生としては断れないものがある。
因みに、リーベも俺やセルシアと同じく、同級生たちから模擬戦を行ってからのアドバイスを求められている。
当の本人は戸惑っていたが、俺と関わってから才能を開花させ、それからも順調に実力を伸ばし続けているんだ。
他の同級生たちから頼られても、なんらおかしくない。
おそらく、羅門込みならBランクモンスターを一人で倒せそうだしな……無傷とはいかんだろうけど。
「っ、まいったよ」
「気迫の強弱さえ直せば、もっと相手に動きが読まれなくなる。まぁ、本当に余裕があるならで良いけど、その気迫をフェイントに使って相手の動きを釣って、カウンターを叩きこむ。これを覚えられたら、もっと戦いの幅が広がると思う」
「なるほど……良いアドバイス、感謝するよ」
「どういたしまして」
本日は休日なため、一旦昼食を挟み、夕食まで似た様な会話を何度も繰り返すことになった……無事に受かってほしいもんだ。
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