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どこが違う?
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SIDE 騎士三人
「ふぅ~~~……あの子、強過ぎませんか?」
ラガスとの模擬戦訓練を終えた三人は、普段ならあまり夕食などを一緒に食べる機会はないが……今日は三人で飲んで食っていた。
「はっはっは!! いや、マジでそれな! 強いのは大会での戦いっぷりを見てて解ってたけどよ、実際に戦ってみると更に強く感じるって言うか……とにかくスゲぇな!!」
槍使いの騎士は豪快に笑いながら話、豪快にエールを飲み干す。
「すんません、エールおかわり一つ!」
「……僕の分も、お願いします」
普段はあまり飲まない有望株の新人騎士だが、今日は呑みたい気分だった。
「おっ、良いね良いね。あんまり呑まないって聞いてたけど、結構吞むじゃねぇか」
「普段は、あまり吞みませんよ。ただ……今日は流石に吞まないとやってられないというか」
槍使いや、熟練の騎士も何十と模擬戦を行った中で、数回だけラガスに一本を取られた。
有望株君は、初っ端に一本取られ、ラガスが意識して獣魔法を使わないように戦い始めてからも……勝ったり負けたりを繰り返すことになった。
「おいおい、そんなに落ち込むことはねぇって。お前も十分天才だが、あれは……あれだよ、ちょっと頭おかしい部類のタイプだ」
ラガスに対して失礼なことを言っている自覚はあるが、それはそれで事実なので、熟練の中年は強く否定しなかった。
「あまり大きな声で言うことじゃないよ」
「うっす、すんません!」
「でも、確かに彼を表現する言葉は難しいね」
最初こそ技術でラガスを翻弄していた熟練騎士。
ただ、模擬戦の回数を重ねるごとに、逆にラガスの方が動きを読み、カウンターで勝負を決め始めた。
(まだまだ技術で負ける気はしないけど……もしかしたら、実戦の経験値は同等ぐらい?)
年齢を考えると、自分の方が経験値も勝っていると考えるのが妥当。
しかし……実際に刃を重ね合わせた結果、自分の方がその点に関して完全に勝っているとは思えない。
「ただ、彼が私たちとの模擬戦で本気を出してなかったのは確実だね」
「それは俺らも一緒っすけど……確か、二年前ぐらい? の時に、一人で三本角のオーガジェネラルを倒したんすよね。だったら、まだ何かしらの奥の手を隠してそうっすね」
「はぁ~~~、過去に天才だ神童だなんだと言われてた自分が恥ずかしいです」
有望株君も、言葉通り天才……過去に遡っても、神童だったことには変わりない。
今でも上司の期待以上の働きを行っている。
「恥ずかしいと思う必要はねぇって。お前は十分すげぇよ。ただな……普通に考えてみろ。あの子、ラガスは個人戦やらなんやらを含めて三年間、全て優勝してるんだ。三連覇だぜ? もうあれだ、殿堂入りってやつだよ」
過去にはシングルス、ダブルス、団体戦で各学園の生徒が二連覇までは達成したことがある。
だが、どんなに過去に遡っても、三連覇を達成した学生は存在しない。
各部門を合計すれば、ラガスの場合は三連覇を三部門で獲得……殿堂入りどころの話ではない。
「でもな……普通の魔法アビリティが使えないんだろ。だからって、もう貴族や騎士の中でラガスを馬鹿にする奴は多分いないだろうけどな」
「あの実力を見て、それでも見下す者は……愚かとしか言いようがないね」
一拍置いて、熟練騎士は何故あそこまでの強さを持っているのかについて、自分の予想を語り始めた。
「一般的な魔法アビリティを習得出来ない。だからこそ、彼はその時間を思う存分に肉体、武器の鍛錬に費やしたのだろう。勿論、魔弾の扱いにも励んでいたと思うけどね」
「……僕と彼との差は、執念や思いの強さ……なんですかね」
「普段なら、そういうのはそこまで影響しねぇかも、って言いたいところだけどな……ラガスの場合、俺たちよりも根っこの部分の強さ? そこら辺が違うんじゃねぇかとは思うな」
ラガスと自分たち……何が違い、あそこまで成熟した力を持っているのか。
三人は呑む店を変えながらも、今日はその事について話し続け……最終的に有望株君はぶっ潰れた。
「ふぅ~~~……あの子、強過ぎませんか?」
ラガスとの模擬戦訓練を終えた三人は、普段ならあまり夕食などを一緒に食べる機会はないが……今日は三人で飲んで食っていた。
「はっはっは!! いや、マジでそれな! 強いのは大会での戦いっぷりを見てて解ってたけどよ、実際に戦ってみると更に強く感じるって言うか……とにかくスゲぇな!!」
槍使いの騎士は豪快に笑いながら話、豪快にエールを飲み干す。
「すんません、エールおかわり一つ!」
「……僕の分も、お願いします」
普段はあまり飲まない有望株の新人騎士だが、今日は呑みたい気分だった。
「おっ、良いね良いね。あんまり呑まないって聞いてたけど、結構吞むじゃねぇか」
「普段は、あまり吞みませんよ。ただ……今日は流石に吞まないとやってられないというか」
槍使いや、熟練の騎士も何十と模擬戦を行った中で、数回だけラガスに一本を取られた。
有望株君は、初っ端に一本取られ、ラガスが意識して獣魔法を使わないように戦い始めてからも……勝ったり負けたりを繰り返すことになった。
「おいおい、そんなに落ち込むことはねぇって。お前も十分天才だが、あれは……あれだよ、ちょっと頭おかしい部類のタイプだ」
ラガスに対して失礼なことを言っている自覚はあるが、それはそれで事実なので、熟練の中年は強く否定しなかった。
「あまり大きな声で言うことじゃないよ」
「うっす、すんません!」
「でも、確かに彼を表現する言葉は難しいね」
最初こそ技術でラガスを翻弄していた熟練騎士。
ただ、模擬戦の回数を重ねるごとに、逆にラガスの方が動きを読み、カウンターで勝負を決め始めた。
(まだまだ技術で負ける気はしないけど……もしかしたら、実戦の経験値は同等ぐらい?)
年齢を考えると、自分の方が経験値も勝っていると考えるのが妥当。
しかし……実際に刃を重ね合わせた結果、自分の方がその点に関して完全に勝っているとは思えない。
「ただ、彼が私たちとの模擬戦で本気を出してなかったのは確実だね」
「それは俺らも一緒っすけど……確か、二年前ぐらい? の時に、一人で三本角のオーガジェネラルを倒したんすよね。だったら、まだ何かしらの奥の手を隠してそうっすね」
「はぁ~~~、過去に天才だ神童だなんだと言われてた自分が恥ずかしいです」
有望株君も、言葉通り天才……過去に遡っても、神童だったことには変わりない。
今でも上司の期待以上の働きを行っている。
「恥ずかしいと思う必要はねぇって。お前は十分すげぇよ。ただな……普通に考えてみろ。あの子、ラガスは個人戦やらなんやらを含めて三年間、全て優勝してるんだ。三連覇だぜ? もうあれだ、殿堂入りってやつだよ」
過去にはシングルス、ダブルス、団体戦で各学園の生徒が二連覇までは達成したことがある。
だが、どんなに過去に遡っても、三連覇を達成した学生は存在しない。
各部門を合計すれば、ラガスの場合は三連覇を三部門で獲得……殿堂入りどころの話ではない。
「でもな……普通の魔法アビリティが使えないんだろ。だからって、もう貴族や騎士の中でラガスを馬鹿にする奴は多分いないだろうけどな」
「あの実力を見て、それでも見下す者は……愚かとしか言いようがないね」
一拍置いて、熟練騎士は何故あそこまでの強さを持っているのかについて、自分の予想を語り始めた。
「一般的な魔法アビリティを習得出来ない。だからこそ、彼はその時間を思う存分に肉体、武器の鍛錬に費やしたのだろう。勿論、魔弾の扱いにも励んでいたと思うけどね」
「……僕と彼との差は、執念や思いの強さ……なんですかね」
「普段なら、そういうのはそこまで影響しねぇかも、って言いたいところだけどな……ラガスの場合、俺たちよりも根っこの部分の強さ? そこら辺が違うんじゃねぇかとは思うな」
ラガスと自分たち……何が違い、あそこまで成熟した力を持っているのか。
三人は呑む店を変えながらも、今日はその事について話し続け……最終的に有望株君はぶっ潰れた。
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