上 下
614 / 950

奪って頂いて掻っ攫った

しおりを挟む
冬休みの大半を実家で過ごし、三学期が始まり……俺たちは無事に進級できた。

クレア姉さんたちも無事に卒業し、騎士に……はならず、ハンターになる道を選んだ。

クレア姉さん、アリク、サルネさんに生徒会長だったリースさんと組み、ハンターとして活動するらしい。
アリクの奴……予想していた通り、ハーレムを築いた。

いや、一人は家族だからハーレムとは言えないだろうけど、絶対に周囲の同性ハンターたちから嫉妬されるだろうな。
そして二年生になれば、後輩ができる。

自分の実力にある程度自信がある新入生からは、最初こそダル絡みされた。
しかし、軽く潰したら礼儀正しい後輩になった。

そして当然……再び大会に参加。
シングルスとダブルス、団体戦に前回と同様に参加し、優勝を掻っ攫った。

運営の方からは今回も、なるべく速攻で終わらせない様にお願いしますと頼まれた。
とはいえ、二年生になって大会に参加する生徒の実力も大なり小なり上がってるから、本気で手加減をする必要はそこまでなかった。

それに、リーベとセルシアとのバトルは非常に楽しかった。
というか、リーベとの戦いで羅門を使われた時はちょっと焦った。

獣魔法は使わないようにしようって思ってたのに、うっかり使ってしまったしな。
因みに、メリルとシュラも従者のみの大会で軽々と連覇した。

んで、二年生の間も……まぁ、ちょいちょい色々あった。
でも……結果的に、一年生の頃と比べれば比較的平和だったか?

そんな二年生も終わって、ついに俺たちも最上級生。
全生徒会長から、次の生徒会長をやってくれないかと頼まれたが、丁重にお断りした。

だって、生徒会長とか超面倒な管理職ってことだろ?
ある程度実力がある人がやるべき役職なのは分かってるけど、書類仕事とか苦手だからな。

ただ、生徒会が何か面倒な問題を抱えることになった時は、手助けすると伝えた。
そして三年生になっても当然、大会が行われる。

今年度の大会に関しては……俺たちが目立ち過ぎたというか、優勝を多く掻っ攫ったというか……他校には申し訳ないことをしたなと、ほんのちょっぴり思った。

何故なら……セリスとレアードがロッソ学園に入学してきたから。

あれから二人は当たり前だが、サボることなく鍛錬を続けていた。
勉強は大丈夫なのか? とちょっと心配していたが、元々そちらの心配が必要ないレアードはあっさりと合格し、セリスも頭が悪い訳ではなく、努力に努力を重ねて無事に合格。

それで、まぁ……一年生の中では、ぶっちぎりに強い。

入学当初から俺たちと絡んでいたこともあって、当然同級生から妬みを買う。
ただ、二人は売られた勝負を全部買って、全てに勝利した。

そしてそれは一年生の大会でも同じ。
優勝候補筆頭と呼ばれる二人をぶっ潰そうと燃える他校の生徒もいたが、殆どの生徒は勝負らしい勝負にならなかった。

決勝では二人がぶつかり、力ではセリスが押していたが、頭が回るレアードにしてやられたという形で、ギリギリ
レアードが優勝をもぎ取った。

シングルスが終われば、当然ダブルスが行われる。
二人は当然タッグを組んでおり、決勝で互いにぶつけた傷はその日の内に癒え、ダブルスでも大いに暴れた。

普通は前衛後衛って別れるもんなんだけど、セリフは当然ダッシュで攻め……レアードは明らかに後衛職っぽい雰囲気を出してるのに、必要になるまでセリスと一緒に前衛として対戦相手を攻めた。

結局、レアードが魔法を解禁したのは準決勝になってからだったか?
本当に……あの二人と大会でぶつかった生徒たちには、お気の毒さまとしか言えない。

当然、三年生の部でも前年と同じ様な結果になり……シングルスの優勝は俺が貰い、ダブルスの優勝は俺とセルシアが三年連続頂いた。

そして二年生たちは為に俺やセルシアに特訓を申し込んでくることもあり、シングルスの優勝こそ逃したが、ダブルスの優勝はもぎ取ってきた。

団体戦に関しては全戦全勝、ストレート勝ちで他三校を打ち破り、圧勝で優勝を頂くことになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした

月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。 それから程なくして―――― お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。 「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」 にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。 「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」 そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・ 頭の中を、凄まじい情報が巡った。 これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね? ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。 だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。 ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。 ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」 そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。 フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ! うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって? そんなの知らん。 設定はふわっと。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

パーティー会場で婚約破棄するなんて、物語の中だけだと思います

みこと
ファンタジー
「マルティーナ!貴様はルシア・エレーロ男爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄そして、ルシアとの婚約をここに宣言する!!」 ここ、魔術学院の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、ベルナルド・アルガンデ。ここ、アルガンデ王国の王太子だ。 何故かふわふわピンク髪の女性がベルナルド王太子にぶら下がって、大きな胸を押し付けている。 私、マルティーナはフローレス侯爵家の次女。残念ながらこのベルナルド王太子の婚約者である。 パーティー会場で婚約破棄って、物語の中だけだと思っていたらこのザマです。 設定はゆるいです。色々とご容赦お願い致しますm(*_ _)m

殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話

ルジェ*
ファンタジー
 婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが─── 「は?ふざけんなよ。」  これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。 ********  「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください! *2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

処理中です...