587 / 954
吹雪になる前に少しでも
しおりを挟む
ホーンラビットっぽいけど……毛の色が普通のホーンラビットと違う。
ちょっと青い、か?
「スノーホーンラビットですね」
「氷属性のホーンラビットということですね」
ルーノさんが目の前のホーンラビットの正体を教えてくれたお陰で、何故毛が少々青いのか解った。
後……普通のホーンラビットと比べて、体が大きいな。
そりゃレベル差で少しは大きさが変わるが……って、気にしてる場合じゃないか。
「ラガス坊ちゃま」
「分かってる」
スノーホーンラビットが完全に俺たちを敵と認識した。
ルーノさんたちが前に出ようとするが、それを手で制して一歩前に出る。
やることはいつもと変わらない。
目標をスノーホーンラビットの額にロックオンし、魔弾で打ち抜くだけ。
打ち抜くといっても、脳を潰す程度。
うっかり体を貫かない様に威力は調整している。
「キュっ!? ……」
「動きは少し速かったけど、こんなものだよな」
特に何かを期待していた訳ではない。
魔弾に回転や貫通などの効果を付与せずとも、あっさり倒せることが分かった。
とはいえ……思ってたよりも、脚力と防御力が高いな。
もう少し威力が弱かったら、頭蓋骨を砕くだけに留まったかもしれない。
まぁ、頭蓋骨が砕かれたらそれはそれで超激痛だろうから、痛みでショック死するかもしれないけどな。
「お見事です」
「相手が相手だからな……ただ、やっぱりちょっと大きいな」
解体する前に、持ち上げて見て……より顕著にその差を感じた。
「雪原に生息するモンスターは、他の地域に生息するモンスターより、体が大きく育つようですよ」
「そうなんですか?」
ルーノさんは物知りだな。
しかし、雪原で過ごすモンスターの方が、他の地域で生息するモンスターより体が大きくなる、か……あっ、確かベルクマンの法則ってやつか?
確か寒い地域で生息する動物の体は、大きくなる傾向がある……だっけ?
あんまり詳しいことは覚えてないけど、この世界でもその法則が適用されてるのかもな。
「さて、解体……は、ハンターギルドに任せるか」
「この場で解体せずともよろしいのですか?」
「解体してる間に、雪が降ってくるかもしれないだろ」
今のところ雪は降っていないが、さすがに俺も天気の流れは読めない。
軽く雪が降る程度なら問題無いけど、吹雪とかになると……探索出来ないことはないけど、俺以外のメンバーがヤバい。
ルーフェイスは問題無いとして、さすがにシュラやメリルでも吹雪の中で探索はちょっと厳しいだろ。
セルシアも無理と思う。
イーリスは絶対に無理だろうし、そうなれば俺とルーフェイスだけで探索することになる……まっ、別にそれでも良いんだけどさ。
とにかく、今は少しでも探索してモンスターと遭遇する時間が欲しい。
「そうですか。分かりました」
スノーホーンラビットを亜空間に入れ、再び雪原での探索を開始。
雪の上を歩く感覚には少し慣れたが……探索を初めて一時間近く経ったが、最初のスノーホーンラビット以外、俺にとって珍しいモンスターと遭遇しない。
いや、ゴブリンやコボルト、ボア系のモンスターも平均的なサイズと比べて、体が少し大きいなとは感じた。
その分少々身体能力は上がってるけど……正直、俺にとっては微々たる差。
「はぁ~~~……」
「なに辛気臭い面してるのよ」
「すまんすまん。ただ、思ったより出現するモンスターのレベルが低いなと思ってな」
「……あんた、頭おかしいんじゃないの」
おっと、痛いところ突くじゃないか。
俺としては普通の行いであっても、一般的に考えてあり得ない行動を何度も行ってきた自覚はある。
ただ、思ったよりモンスターのレベルが低いと感じたのは事実だ。
なので……俺の頭はいたって正常。
「いきなり失礼だな。心の底からの本音だ」
「……やっぱりおかしいわよ」
「お前、俺のことおかしいおかしいって言うけど、それならセルシアまで頭おかしいって言ってるのと同じだからな」
「なんでそうなるのよ!!」
なんでって……セルシアだって、俺と同じく今のところつまらないって同じ感想を持ってるからだよ。
ちょっと青い、か?
「スノーホーンラビットですね」
「氷属性のホーンラビットということですね」
ルーノさんが目の前のホーンラビットの正体を教えてくれたお陰で、何故毛が少々青いのか解った。
後……普通のホーンラビットと比べて、体が大きいな。
そりゃレベル差で少しは大きさが変わるが……って、気にしてる場合じゃないか。
「ラガス坊ちゃま」
「分かってる」
スノーホーンラビットが完全に俺たちを敵と認識した。
ルーノさんたちが前に出ようとするが、それを手で制して一歩前に出る。
やることはいつもと変わらない。
目標をスノーホーンラビットの額にロックオンし、魔弾で打ち抜くだけ。
打ち抜くといっても、脳を潰す程度。
うっかり体を貫かない様に威力は調整している。
「キュっ!? ……」
「動きは少し速かったけど、こんなものだよな」
特に何かを期待していた訳ではない。
魔弾に回転や貫通などの効果を付与せずとも、あっさり倒せることが分かった。
とはいえ……思ってたよりも、脚力と防御力が高いな。
もう少し威力が弱かったら、頭蓋骨を砕くだけに留まったかもしれない。
まぁ、頭蓋骨が砕かれたらそれはそれで超激痛だろうから、痛みでショック死するかもしれないけどな。
「お見事です」
「相手が相手だからな……ただ、やっぱりちょっと大きいな」
解体する前に、持ち上げて見て……より顕著にその差を感じた。
「雪原に生息するモンスターは、他の地域に生息するモンスターより、体が大きく育つようですよ」
「そうなんですか?」
ルーノさんは物知りだな。
しかし、雪原で過ごすモンスターの方が、他の地域で生息するモンスターより体が大きくなる、か……あっ、確かベルクマンの法則ってやつか?
確か寒い地域で生息する動物の体は、大きくなる傾向がある……だっけ?
あんまり詳しいことは覚えてないけど、この世界でもその法則が適用されてるのかもな。
「さて、解体……は、ハンターギルドに任せるか」
「この場で解体せずともよろしいのですか?」
「解体してる間に、雪が降ってくるかもしれないだろ」
今のところ雪は降っていないが、さすがに俺も天気の流れは読めない。
軽く雪が降る程度なら問題無いけど、吹雪とかになると……探索出来ないことはないけど、俺以外のメンバーがヤバい。
ルーフェイスは問題無いとして、さすがにシュラやメリルでも吹雪の中で探索はちょっと厳しいだろ。
セルシアも無理と思う。
イーリスは絶対に無理だろうし、そうなれば俺とルーフェイスだけで探索することになる……まっ、別にそれでも良いんだけどさ。
とにかく、今は少しでも探索してモンスターと遭遇する時間が欲しい。
「そうですか。分かりました」
スノーホーンラビットを亜空間に入れ、再び雪原での探索を開始。
雪の上を歩く感覚には少し慣れたが……探索を初めて一時間近く経ったが、最初のスノーホーンラビット以外、俺にとって珍しいモンスターと遭遇しない。
いや、ゴブリンやコボルト、ボア系のモンスターも平均的なサイズと比べて、体が少し大きいなとは感じた。
その分少々身体能力は上がってるけど……正直、俺にとっては微々たる差。
「はぁ~~~……」
「なに辛気臭い面してるのよ」
「すまんすまん。ただ、思ったより出現するモンスターのレベルが低いなと思ってな」
「……あんた、頭おかしいんじゃないの」
おっと、痛いところ突くじゃないか。
俺としては普通の行いであっても、一般的に考えてあり得ない行動を何度も行ってきた自覚はある。
ただ、思ったよりモンスターのレベルが低いと感じたのは事実だ。
なので……俺の頭はいたって正常。
「いきなり失礼だな。心の底からの本音だ」
「……やっぱりおかしいわよ」
「お前、俺のことおかしいおかしいって言うけど、それならセルシアまで頭おかしいって言ってるのと同じだからな」
「なんでそうなるのよ!!」
なんでって……セルシアだって、俺と同じく今のところつまらないって同じ感想を持ってるからだよ。
34
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる