576 / 965
こちらも放心
しおりを挟む
ラージュさんとイーリスと別れ……る前にラージュさんに王都一番の服屋を教えてもらい、早速その店へ向かった。
ここでも俺の顔は知られていたようで、すんなりと中に入れた。
そして直ぐに店のお偉いさん? らしき人がやって来た。
「ラガス様ですね。その、本日はどういった服をご要望でしょうか」
「いや、俺の服じゃないんだ。後ろの二人の新しい仕事服を買おうと思ってて」
「なるほど、そういったご用件でしたか」
なんか、周りの人から視線が集まってる気がするけど、気にせず話を進めよう。
「そうなんですよ。えっと、防寒機能が付いてて、斬撃や攻撃魔法にも耐えられる仕事服が欲しいんです」
「……んん? 一般的な最高級の作業服ではなく、ということで宜しいでしょうか」
「はい、そうですね。見た目も大事ですけど、美しさとかよりも機能や性能を重視した作業服が欲しいんです」
うちのメイドと執事は良く戦うからね。
躱すのも防御するのも上手いけど、相手の強さによっては攻撃を食らってしまうこともある訳だし、それぐらいの性能があっても良い。
というか、二人とも仕事服が戦闘服みたいなところがあるし、性能は高くないと駄目なんだよな。
「なるほど……すいません、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫ですよ」
お偉いさん? は決しては知らず、しかし超高速で何処かへ向かった。
「……ラガス坊ちゃま、やはり無茶な注文だったのではありませんか?」
「なんでだよ。一般的な防具とかでもそういった性能が付与されている物があるだろ」
「それはどう考えても一般的ではありません。そして存在はしてるでしょうけど、超高額です」
「だから、そこは心配するなって言ってるだろ」
白金貨だろうが黒曜金貨だろうが使っても構わない!!!
……いや、黒曜金貨はちょっとカッコつけすぎたか。
まっ、黒曜金貨も支払いに必要なメイド服、執事服とかそれはそれで凄い気になるけどな。
「そうだぜ、メリル。ラガスさんが今まで、いったいいくら稼いだと思ってるんだよ」
「自分のお金ではないのだから、気にするのが当然よ」
稼いだって言葉はちょっと正しくないかもしれないけど、遊び惚けても直ぐに消えないぐらいの金はある。
メリルの考えは間違ってないけど、ここは俺に任せなさい!!
なんて思ってると、先程のお偉いさん? が戻って来た。
「お待たせしました。ラガス様、申し訳ありませんが当店にはラガス様のご要望に値する商品がございません」
「……そうですか。仕方ありません」
ちょっとご要望満載なのは理解してたけど、店には置いてないか。
ん~~~~……うん、仕方ない。
いきなり来て、ちょっと無茶な注文だったしな。
「しかしラガス様、当店が専属で契約している者であれば、ラガス様のご要望に応えられる作業服がお造りできるかと」
「おぉ~~、オーダーメイドってことですね」
「さようでございます。一般的に商品を会うよりもお値段は高くなりますが、品質は保証できます」
へぇ~~、自信満々な表情だな。
これならそのオーダーメイドに期待しても良さそうだな……よし、頼んでみるか。
「分かりました。それでは、その職人にオーダーメイドを頼ませてください」
「畏まりました。それで、その……ご予算はお幾らぐらいでしょうか」
予算、予算……オーガの一件で随分増えたし、これからリザード公爵から受ける依頼を達成すれば、更に金が入って来るかな……ここはどーんと使ってしまうか。
「二人のを合計して、黒曜金貨一枚ぐらいでお願いします」
「こ、黒曜金貨ですか!?」
「はい、予算はそれぐらいで。あっ、ちゃんとお金は持ってますよ」
証拠として亜空間から黒曜金貨を一枚取り出し、お偉いさん? に見せた。
「……た、確かに黒曜金貨、ですね」
「というわけで、二人の採寸をお願いします」
メリアは若干放心状態になっているが、シュラがそんなメリルを抱えて移動し、俺は二人の採寸が終わるまで店内をブラブラして時間を潰した。
ここでも俺の顔は知られていたようで、すんなりと中に入れた。
そして直ぐに店のお偉いさん? らしき人がやって来た。
「ラガス様ですね。その、本日はどういった服をご要望でしょうか」
「いや、俺の服じゃないんだ。後ろの二人の新しい仕事服を買おうと思ってて」
「なるほど、そういったご用件でしたか」
なんか、周りの人から視線が集まってる気がするけど、気にせず話を進めよう。
「そうなんですよ。えっと、防寒機能が付いてて、斬撃や攻撃魔法にも耐えられる仕事服が欲しいんです」
「……んん? 一般的な最高級の作業服ではなく、ということで宜しいでしょうか」
「はい、そうですね。見た目も大事ですけど、美しさとかよりも機能や性能を重視した作業服が欲しいんです」
うちのメイドと執事は良く戦うからね。
躱すのも防御するのも上手いけど、相手の強さによっては攻撃を食らってしまうこともある訳だし、それぐらいの性能があっても良い。
というか、二人とも仕事服が戦闘服みたいなところがあるし、性能は高くないと駄目なんだよな。
「なるほど……すいません、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫ですよ」
お偉いさん? は決しては知らず、しかし超高速で何処かへ向かった。
「……ラガス坊ちゃま、やはり無茶な注文だったのではありませんか?」
「なんでだよ。一般的な防具とかでもそういった性能が付与されている物があるだろ」
「それはどう考えても一般的ではありません。そして存在はしてるでしょうけど、超高額です」
「だから、そこは心配するなって言ってるだろ」
白金貨だろうが黒曜金貨だろうが使っても構わない!!!
……いや、黒曜金貨はちょっとカッコつけすぎたか。
まっ、黒曜金貨も支払いに必要なメイド服、執事服とかそれはそれで凄い気になるけどな。
「そうだぜ、メリル。ラガスさんが今まで、いったいいくら稼いだと思ってるんだよ」
「自分のお金ではないのだから、気にするのが当然よ」
稼いだって言葉はちょっと正しくないかもしれないけど、遊び惚けても直ぐに消えないぐらいの金はある。
メリルの考えは間違ってないけど、ここは俺に任せなさい!!
なんて思ってると、先程のお偉いさん? が戻って来た。
「お待たせしました。ラガス様、申し訳ありませんが当店にはラガス様のご要望に値する商品がございません」
「……そうですか。仕方ありません」
ちょっとご要望満載なのは理解してたけど、店には置いてないか。
ん~~~~……うん、仕方ない。
いきなり来て、ちょっと無茶な注文だったしな。
「しかしラガス様、当店が専属で契約している者であれば、ラガス様のご要望に応えられる作業服がお造りできるかと」
「おぉ~~、オーダーメイドってことですね」
「さようでございます。一般的に商品を会うよりもお値段は高くなりますが、品質は保証できます」
へぇ~~、自信満々な表情だな。
これならそのオーダーメイドに期待しても良さそうだな……よし、頼んでみるか。
「分かりました。それでは、その職人にオーダーメイドを頼ませてください」
「畏まりました。それで、その……ご予算はお幾らぐらいでしょうか」
予算、予算……オーガの一件で随分増えたし、これからリザード公爵から受ける依頼を達成すれば、更に金が入って来るかな……ここはどーんと使ってしまうか。
「二人のを合計して、黒曜金貨一枚ぐらいでお願いします」
「こ、黒曜金貨ですか!?」
「はい、予算はそれぐらいで。あっ、ちゃんとお金は持ってますよ」
証拠として亜空間から黒曜金貨を一枚取り出し、お偉いさん? に見せた。
「……た、確かに黒曜金貨、ですね」
「というわけで、二人の採寸をお願いします」
メリアは若干放心状態になっているが、シュラがそんなメリルを抱えて移動し、俺は二人の採寸が終わるまで店内をブラブラして時間を潰した。
45
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる