572 / 954
君の為でもある選択肢
しおりを挟む
「もう一度言っておく。俺は、ライド君の努力を否定するつもりはない。ただ……君にとって失礼な事を言っている自覚はある。でも、相手が悪かった」
「ッ!!!! …………」
一瞬、超怒りのオーラが漏れ出したけど、直ぐに収まった。
冷静に事実を思い返せてたんだろうな。
最初から、仮にリーベからアザルトさんを奪ったとしてどうなるのか……それが知っていたなら、ザックスたちと友達にはなっても、将来的に一緒にパーティーを組もうとは思わない筈だ。
というか、ラスト君の性格を考えればそんな隠し事は出来ない。
もしかしたらちょっと借金みたいなものを背負う可能性があるかもしれない、的な事をラスト君に伝えてたかもしれないけど……本当の額は伝えてない。
当たり前と言えば当たり前だけど、黒曜金貨十数枚か……もしくは数十枚の借金。
恋人からそんな借金がある。
一緒になったら、それを自分と一緒に返してほしい。
な~~んて言われたら、普通にドン引きだ。
それを返済すれば、もう一度借金を背負う様な馬鹿な真似はしないだろうけど、金額手に生きている内に払いきれるかっていう多すぎる借金額なんだよな。
「第三者の目線だから、随分冷たい内容だとは思うけど……アザルトさんはその婚約者と進む覚悟を決め、早い内にライド君に別れを切り出すべきだった」
私のことは忘れて、前を向いて進んで……的な内容を告げるべきだった。
そりゃお互いに辛い思いが消えない時期はあるだろうけど、それは時間が解決してくれる……と、思う。
「……人の恋に口出しをするのは良くない。それは重々分かってるけど、友達に未来が掛かってるから……言わせてらもう。一緒にアザルトさんと借金を返す道を選び、ザックスたちと縁を切る。もしくは、アザルトさんとの縁を切ってザックスたちと共にハンターとなる……どちらかの道を選んでほしい」
「……ぼ、僕は」
「一応言っておくけど、今すぐ答えを出す必要はない」
「えっ……」
むっちゃ驚くじゃないですか。
だって、今すぐ決める内容にしては重すぎるでしょ。
「申し訳ないけど、今回の話は三人にも伝えてる。ザックスたちにも、答えを直ぐに出す必要はないと伝えてる……まぁ、いつまでに答えを出すとかは聞いてないけどね」
ただ、俺としては早い内に決めてほしいな~と思ってる。
「でもな、個人的には早い内に決めた方が良いと思ってる……ライド君の為にな」
「ぼ、僕の為にですか?」
「あぁ、そうだ。いや、片方の選択肢についてザックスたちの為という気持ちの方が大きいけど、もう片方の選択肢に関してはライド君の為と言い切れるよ。だって、ライド君がアザルトさんの背負った借金額を聞いたのはつい最近だろ」
「は、はい。そうですね」
よし、嘘は言ってない……多分だけど、嘘を付いてるようには思えない。
個人的にはここが重要なんだよな。
「他の第三者たちにとって、その部分を聞くとライド君は騙された側の人間。そう判断される。平民出身だし、貴族の詳しいそこら辺の情報を知らなかった訳だしね」
知ってたならあれだけど、知らなかったなら……ここでアザルトさんと縁を切っても、アザルトさんが事実を隠していたから逃げられた……と、周囲から思われてもおかしくない。
だって黒曜金貨十数枚から数十枚の借金だぜ。
そりゃともに苦難を乗り越えようと思っていた仲でも、そこでバッサリ亀裂が入ってもおかしくないって。
「だから……あの三人と真っ当なハンター人生を歩みたいなら、早い内にアザルトさんと別れることを勧めるよ」
簡単に言ってしまえば、愛を取るか友情を取るかの話。
まぁ、どっちの選択肢を取っても大なり小なりデメリットはあるだろうけど……そこは飲み込むしかない。
「ッ!!!! …………」
一瞬、超怒りのオーラが漏れ出したけど、直ぐに収まった。
冷静に事実を思い返せてたんだろうな。
最初から、仮にリーベからアザルトさんを奪ったとしてどうなるのか……それが知っていたなら、ザックスたちと友達にはなっても、将来的に一緒にパーティーを組もうとは思わない筈だ。
というか、ラスト君の性格を考えればそんな隠し事は出来ない。
もしかしたらちょっと借金みたいなものを背負う可能性があるかもしれない、的な事をラスト君に伝えてたかもしれないけど……本当の額は伝えてない。
当たり前と言えば当たり前だけど、黒曜金貨十数枚か……もしくは数十枚の借金。
恋人からそんな借金がある。
一緒になったら、それを自分と一緒に返してほしい。
な~~んて言われたら、普通にドン引きだ。
それを返済すれば、もう一度借金を背負う様な馬鹿な真似はしないだろうけど、金額手に生きている内に払いきれるかっていう多すぎる借金額なんだよな。
「第三者の目線だから、随分冷たい内容だとは思うけど……アザルトさんはその婚約者と進む覚悟を決め、早い内にライド君に別れを切り出すべきだった」
私のことは忘れて、前を向いて進んで……的な内容を告げるべきだった。
そりゃお互いに辛い思いが消えない時期はあるだろうけど、それは時間が解決してくれる……と、思う。
「……人の恋に口出しをするのは良くない。それは重々分かってるけど、友達に未来が掛かってるから……言わせてらもう。一緒にアザルトさんと借金を返す道を選び、ザックスたちと縁を切る。もしくは、アザルトさんとの縁を切ってザックスたちと共にハンターとなる……どちらかの道を選んでほしい」
「……ぼ、僕は」
「一応言っておくけど、今すぐ答えを出す必要はない」
「えっ……」
むっちゃ驚くじゃないですか。
だって、今すぐ決める内容にしては重すぎるでしょ。
「申し訳ないけど、今回の話は三人にも伝えてる。ザックスたちにも、答えを直ぐに出す必要はないと伝えてる……まぁ、いつまでに答えを出すとかは聞いてないけどね」
ただ、俺としては早い内に決めてほしいな~と思ってる。
「でもな、個人的には早い内に決めた方が良いと思ってる……ライド君の為にな」
「ぼ、僕の為にですか?」
「あぁ、そうだ。いや、片方の選択肢についてザックスたちの為という気持ちの方が大きいけど、もう片方の選択肢に関してはライド君の為と言い切れるよ。だって、ライド君がアザルトさんの背負った借金額を聞いたのはつい最近だろ」
「は、はい。そうですね」
よし、嘘は言ってない……多分だけど、嘘を付いてるようには思えない。
個人的にはここが重要なんだよな。
「他の第三者たちにとって、その部分を聞くとライド君は騙された側の人間。そう判断される。平民出身だし、貴族の詳しいそこら辺の情報を知らなかった訳だしね」
知ってたならあれだけど、知らなかったなら……ここでアザルトさんと縁を切っても、アザルトさんが事実を隠していたから逃げられた……と、周囲から思われてもおかしくない。
だって黒曜金貨十数枚から数十枚の借金だぜ。
そりゃともに苦難を乗り越えようと思っていた仲でも、そこでバッサリ亀裂が入ってもおかしくないって。
「だから……あの三人と真っ当なハンター人生を歩みたいなら、早い内にアザルトさんと別れることを勧めるよ」
簡単に言ってしまえば、愛を取るか友情を取るかの話。
まぁ、どっちの選択肢を取っても大なり小なりデメリットはあるだろうけど……そこは飲み込むしかない。
34
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる