万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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その繋がりがあったからこそ

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ライド君が怒り出す前に、この前ザックスたちに伝えた内容を全部話した。

こういった事になるかもしれないけど、それでも君はあの三人の優しさを利用して、パーティーを組むつもりなのかと。

「…………」

最後まで話したら、がっつり俯いてしまった。
まぁ、そうなるとは思ってた。

でも……俺が話してる最中の反応を見る限り、それなりに三人に掛ける普段が大きいのは分かってたみたいだな。

「ライド君、君もザックスたちの友人だが……俺もあいつらの友達だ。そりゃ最終的に決めるのは三人の意志かもしれないが、友達としてはわざわざ破滅が待つ道へと進ませたくない。この気持ちは……分かるだろ」

「……そう、だね」

あれ以降の詳しい事情はそこまで知らないけど……既にライド君にも、アザルトさんが背負った借金の金額を聞いたのか?

普通なら卒倒すると思うけど……チラッと見た感じ、まだ捨てる気はないって感じか。

「ただな……おそらく、これから先あいつらと長い時間過ごすのは君だ。だからな……選択肢をあげる。あの三人と縁を切るか……アザルトさんと別れるかだ」

「ッ!!??」

酷なことを言ってるのは分かってる。

本気で己の我を通して手に入れた最愛の人。
そんな人を簡単に捨てられるわけがない。

でも……これから先、あの三人と一緒に居たいなら、これぐらいの決断をして貰わないと困るんだよな。

「君が……侯爵家の令息に挑んででも欲して、愛した人だ……ほぼ無関係の人に捨てろと言われて、捨てられないことぐらい解ってる」

普通に考えれば、無理だ。
逆に捨てたら、第三者からはどんな神経してるんだって思われるだろ。

「ただ、君自身もあの三人と一緒に居続ければ……いずれ地獄を味あわせることになる。それは理解してるんだろ」

「かも、しれない」

うん、そこら辺をしっかり認めてるあたり、多分アザルトさんから返さなければいけない金額は聞いてるな。

現実的にひゃい段階でなんとかなる金額なら「だとしても、僕たちが力を合わせれば何とか出来る!!」的な事を言うはずだ。

なのに、そんなセリフを吐かないってことは、ちゃんと現実を見えてるようだな。

「ふぅーーーー……あれだ、ライド君。俺はな、君はある意味被害者だと思ってるんだよ」

「僕が、被害者、だと。それはどういう意味なんだい」

「文字通り……君は、アザルトさんから被害を受けた者だ」

リーベという婚約者がいるアザルトさんを、ライド君はなんとかして引きはがそうとした。

それは自体は、ん~~……色々と不味いとは思うんだけど、知識があまりない平民という立場を考えれば、仕方ないと思ってしまう……俺の個人的な感想だけどな。

それに、ライド君が実際にリーベ君とバチバチに戦い、本当に後一歩というところまで追い詰めた。
挑んだ勇気、実際にそこまで追い詰めた実績。

そこだけを考えれば、同じ貴族の中でも評価する者はいると思う。

「冷静に、落ち着いて聞いてくれ……嘘だと思うかもしれないが、俺は君の敵じゃない。ただ……自分の、友の未来を考えた決断をして欲しいと思っている」

「僕は……いや、でも……」

直ぐに答えが出てこない……当然だよな。
もの凄く葛藤するだろうけど、ちゃんと答えを出して欲しい。

「話を戻すけど、アザルトさんは貴族でありながら……その責務を放棄した。アザルトさんの家に、婚約者の実家が支援したことで……君たちの生活も、少しは楽になったんじゃないか?」

「ッ……そうですね。多分、その支援の恩恵は、受けたと思います」

「だろうな。ただ、そうやって環境を整えた結果……じゃあ、それをなかったことにして今まで支援してきた大金が返ってくるのか? それはあり得ない。既にその金は増やすために使われたのではなく、領民たちの生活を豊かにする形、流れの為に使われた。帰って来る筈がないんだよ」

いや、ぶっちゃけ本当にそんな事をアザルトさんのご両親が行ってたのかは知らないけど、ライド君が支援の恩恵を受けたと口にするなら、良い方向には使われてたみたいだな。

「豊かにするために使われた金は、アザルトさんとライド君が戦った令息……リーベとの繋がりがあったからこそ、得られたものだ。その繋がりが切れれば、当然なんらかの形で返さなければならない。それが解らないほど、アザルトさんもバカではないだろ」

学園に入学するまで、ライド君は本当に何とかしようと……とりあえず強くなることだけを考えてきたはず。
それは仕方ないんだよ。

でも、アザルトさんの愚行は……どう考えても仕方なくない。
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