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冷静にはなれた
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「落ち着けよ、ザックス」
「ッ!!??」
本当に成長してるな。
さっきの圧……同じ歳の奴らなら、脚が竦んで動けない……もしくは、腰を抜かしてケツが地面に付いていたかもしれない。
だから、それよりも上の圧を与えて落ち着かせた。
「どうだ、落ち着いたか」
「……落ち着いてはいねぇ。でも、冷静にはなれた」
「それで十分だ」
冷静になってくれたなら、それで良い。
俺の話を聞く気があるってことだ。
「ライド君が、お前らにとって親友であり……これから先ハンターになって一緒にパーティーを組むのはもう、決定事項なのかもしれない」
もう、その気は満々なんだろう。
じゃなきゃ、あんな真剣な怒気は出てこない。
「俺もライド君が悪いやつだとは思ってないさ」
恋をした相手は悪かったかもしれないが、それでも真っ当に努力を積み重ね続けてきて、リーベに本当にあと一歩のとこまで追い詰めた。
でも……誰かの為にそこまで頑張れるからこそ、中々アザルトさんを捨てられるとは思えない。
「でもな……ザックス、ライド君が抱えている爆弾は、お前が思っている以上に厄介過ぎるんだよ」
「ッ……だからって、あいつの気持ちを裏切れって言うのかよ」
「ザックス、その表現は違う。お前たちの未来を考えれば、そうする方が良いんだよ。俺がお前たちの未来を勝手に考えるな……そう思うかもしれない」
「ぐっ」
図星みたいだな。
確かに時には道しるべは必要かもしれないが、絶対に自分の意志で選択したい……そうしなければならない状況というのはある筈だ。
でもな……三人の未来が本気で心配だからこそ、口を止めない。
「ただ、アザルトさんの実家が婚約者の実家から受けていた支援金額は、三人の予想をはあるかに越えているだろう。言っておくが、白金貨何十枚じゃ全く足りないからな」
「「「ッ!!」」」
三人の表情に驚愕、といった表情が浮かび……少し顔色が青くなった。
学校でハンターについて、モンスターの素材の価値についてなどを学べば、白金貨何十枚と稼ぐのがどれだけ困難な道のりなのか分かってるんだろう。
そして借金の額は、それの何倍もある。
「侯爵家だからな……当然、渡せる金額は多いだろう。その代わりといった形で、アザルトさんはとある令息の婚約者になった。おっと、怒るなよ。そいつの方を持つ形になるかもしれないが、その婚約者はいたって正常だ。婚約者を虐げる様な真似なんてしない、一本筋が通った漢だ」
嘘偽りない情報と感想。
リーベほど懐が深く、寛容な男はそうそういない。
仮に……アザルトさんはライド君への想いを諦め……それでも友達ではありたいと伝えれば、リーベはその想いを否定しないだろう。
「お前らは出会って大した日にちが経っていないアザルトさん、俺の言葉……どっちを信じる」
「そ、それは……」
ずるい言い方をしているのは解っている。
ただ、何がなんでも三人を辛い道に進ませたくない。
もしかしたら辛い道になるかもしれない、そんな話じゃないんだ!!!
絶対に辛く過酷な道……それはもう、既に決まっているんだ! 変えられないんだよ!!!
アザルトさんに、どうしようもない事情があるとかなら……俺も色々と考えるよ。
でもな、今回の件は同じ貴族という視点で考えれば、百パーセントアザルトさんが悪いんだ。
悪いが、三人がどんな想いを俺に伝えようとも、そこは変わらない。
「おそらく、侯爵家が援助した金額は黒曜金貨十数枚……いや、何十枚といったところか?」
あっ、ミリアが気絶しそうになった。
レイアもかなり衝撃を受けたようだが、椅子から落ちそうになったミリアをギリギリでキャッチ。
ザックスは……思いっきり震えてるな。
「白金貨だけでも、ハンターになったばかりの者が簡単に稼げる金額じゃない。ましてや黒曜金貨なんて稼げるのはいつの話になるんだ……って感じだろ」
王族やらなんやらから黒曜金貨を貰ってる俺が言うなと思われるかもしれないが、俺のケースは特殊過ぎるレアケース越えたウルトラレアケースだ。
「ッ!!??」
本当に成長してるな。
さっきの圧……同じ歳の奴らなら、脚が竦んで動けない……もしくは、腰を抜かしてケツが地面に付いていたかもしれない。
だから、それよりも上の圧を与えて落ち着かせた。
「どうだ、落ち着いたか」
「……落ち着いてはいねぇ。でも、冷静にはなれた」
「それで十分だ」
冷静になってくれたなら、それで良い。
俺の話を聞く気があるってことだ。
「ライド君が、お前らにとって親友であり……これから先ハンターになって一緒にパーティーを組むのはもう、決定事項なのかもしれない」
もう、その気は満々なんだろう。
じゃなきゃ、あんな真剣な怒気は出てこない。
「俺もライド君が悪いやつだとは思ってないさ」
恋をした相手は悪かったかもしれないが、それでも真っ当に努力を積み重ね続けてきて、リーベに本当にあと一歩のとこまで追い詰めた。
でも……誰かの為にそこまで頑張れるからこそ、中々アザルトさんを捨てられるとは思えない。
「でもな……ザックス、ライド君が抱えている爆弾は、お前が思っている以上に厄介過ぎるんだよ」
「ッ……だからって、あいつの気持ちを裏切れって言うのかよ」
「ザックス、その表現は違う。お前たちの未来を考えれば、そうする方が良いんだよ。俺がお前たちの未来を勝手に考えるな……そう思うかもしれない」
「ぐっ」
図星みたいだな。
確かに時には道しるべは必要かもしれないが、絶対に自分の意志で選択したい……そうしなければならない状況というのはある筈だ。
でもな……三人の未来が本気で心配だからこそ、口を止めない。
「ただ、アザルトさんの実家が婚約者の実家から受けていた支援金額は、三人の予想をはあるかに越えているだろう。言っておくが、白金貨何十枚じゃ全く足りないからな」
「「「ッ!!」」」
三人の表情に驚愕、といった表情が浮かび……少し顔色が青くなった。
学校でハンターについて、モンスターの素材の価値についてなどを学べば、白金貨何十枚と稼ぐのがどれだけ困難な道のりなのか分かってるんだろう。
そして借金の額は、それの何倍もある。
「侯爵家だからな……当然、渡せる金額は多いだろう。その代わりといった形で、アザルトさんはとある令息の婚約者になった。おっと、怒るなよ。そいつの方を持つ形になるかもしれないが、その婚約者はいたって正常だ。婚約者を虐げる様な真似なんてしない、一本筋が通った漢だ」
嘘偽りない情報と感想。
リーベほど懐が深く、寛容な男はそうそういない。
仮に……アザルトさんはライド君への想いを諦め……それでも友達ではありたいと伝えれば、リーベはその想いを否定しないだろう。
「お前らは出会って大した日にちが経っていないアザルトさん、俺の言葉……どっちを信じる」
「そ、それは……」
ずるい言い方をしているのは解っている。
ただ、何がなんでも三人を辛い道に進ませたくない。
もしかしたら辛い道になるかもしれない、そんな話じゃないんだ!!!
絶対に辛く過酷な道……それはもう、既に決まっているんだ! 変えられないんだよ!!!
アザルトさんに、どうしようもない事情があるとかなら……俺も色々と考えるよ。
でもな、今回の件は同じ貴族という視点で考えれば、百パーセントアザルトさんが悪いんだ。
悪いが、三人がどんな想いを俺に伝えようとも、そこは変わらない。
「おそらく、侯爵家が援助した金額は黒曜金貨十数枚……いや、何十枚といったところか?」
あっ、ミリアが気絶しそうになった。
レイアもかなり衝撃を受けたようだが、椅子から落ちそうになったミリアをギリギリでキャッチ。
ザックスは……思いっきり震えてるな。
「白金貨だけでも、ハンターになったばかりの者が簡単に稼げる金額じゃない。ましてや黒曜金貨なんて稼げるのはいつの話になるんだ……って感じだろ」
王族やらなんやらから黒曜金貨を貰ってる俺が言うなと思われるかもしれないが、俺のケースは特殊過ぎるレアケース越えたウルトラレアケースだ。
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