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それなら結局……

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一先ず今回の演習は一応無事に終了? した。
それから先生たちは早速俺たち生徒が手に入れた素材の計算を始めている。

「しかし、お前が強いのは解っていたが……やはり、少々無茶が過ぎたんじゃないか?」

「その通りです。リーベ様、もっとこの暴走坊ちゃまに言ってください」

「悪かったって、今度から気を付けるから……多分」

そして俺たちは先生方の奢りで、街で一番有名どころの料理店で夕食を食べまくっている。

「多分とはなんですか。おそらく無茶しているのだろうとは思っていましたが、Aランク並みのモンスターと戦っているとは全く予想出来ません。ラガス坊ちゃまの身に何かあれば、旦那様や奥様にセルシア様たちが悲しむのを忘れないでください」

「分かってる、分かってるから……まぁ、でもあんなのが群れの中にいるのは、正直予想外だったよ」

いや、そりゃオーガキングのランクはAって分かってたから、もしかしたらAランクのモンスターと遭遇するかもな~とは思ってたよ。

でも……半分以上はジェネラルかな~って気持ちもあったし、ルーフェイスとアルガンツ先生もいるから、Aランクのモンスターがいても大丈夫だろとは……思ってたというか油断してたというか。

けど、あんな三本角のオーガジェネラルがいるとは一ミリも予想してなかった。

「本当に……強かったしな」

「……アラッド、本気で、戦った?」

「そうだな……手札を全部使った訳じゃないけど、割とガチで本気で戦った」

これはマジだ。
なんなら、ディーザスの連中と戦うと決めた時以上に強化してた……と、思う。

強化系アビリティのお陰で身体能力はちょいちょい勝ってたけど、あの再生力だけはちょっとな……うん、厄介過ぎた。

「俺、一応防御面も強化出来るけど、その状態でもガチンコ対決になったら、多分思いっきり吹っ飛ばされてたと思う」

「パワーでは向こうの方が一枚上手だったということか」

「後回復力もな。あの回復力がなかったら、絶対に何回か殺せてたんだよ。マジで」

「……みたいだね。眼が超本気だよ、ラガス」

「おっと、すまん」

あの状況を思い出して、少し怒気が漏れてしまった。
祝いの席で殺気や怒気を漏らすのは良くない良くない、気を付けないとな。

「ルーフェイスと組んで戦えば、もっと楽に勝てたのではありませんか?」

「そりゃな。いくら回復力……再生力が高くても、心臓と脳を潰せば流石に死んだ」

その二つを同時に潰しても回復したら、それはもう悔しいけど魔石を潰すしか……待てよ、さすがに脳や心臓を超高速で元通りにするのは回復に特化したやつでも無理だろうし、その隙を狙って魔石を取り除いてしまえばなんとかなるか?

「まっ、俺には魔弾があるかなら……最終的にそれを使って、なんとか出来たよ」

「……できれば使わずに倒したかったと、顔に出てますよ」

「…………」

ヤバいな、今日はそんなに顔に表情が出てるのか?

さっき怒気を一瞬漏らしてしまったのを考えれば、もう今日は自分の感情を全く隠せない日なのかもな。

「そうだな。個人的には強化系のアビリティを使った状態で、魔弾を使わずに倒したかったよ。でも、脳と心臓を潰すには、それが一番手っ取り早かった」

「ラガス、羅門は使わなかったのか? お前がその強化系アビリティを使用した状態に、更に羅門を使えばなんとかなったんじゃないのか」

「あぁ~~……かもしれないな」

圧倒的なスピードで心臓が治る前に脳も潰す。
羅門を使った状態なら、不可能じゃないかもしれない……けど、効果が切れたら動きが思いっきり鈍るからな。

「でも、効果が切れた後に更なる強敵とか現れたら、ルーフェイスとアルガンツ先生の邪魔になるだろ」

「そう思うなら、やはりルーフェイスとアルガンツ先生と一緒に三本角へ挑むべきだったのでは?」

「うっ……も、もう勘弁してくれ」

翌日にはもう突っ込まれなくなったが、今日は寝るまでちょいちょい弄られ続けた。
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