560 / 974
それなら結局……
しおりを挟む
一先ず今回の演習は一応無事に終了? した。
それから先生たちは早速俺たち生徒が手に入れた素材の計算を始めている。
「しかし、お前が強いのは解っていたが……やはり、少々無茶が過ぎたんじゃないか?」
「その通りです。リーベ様、もっとこの暴走坊ちゃまに言ってください」
「悪かったって、今度から気を付けるから……多分」
そして俺たちは先生方の奢りで、街で一番有名どころの料理店で夕食を食べまくっている。
「多分とはなんですか。おそらく無茶しているのだろうとは思っていましたが、Aランク並みのモンスターと戦っているとは全く予想出来ません。ラガス坊ちゃまの身に何かあれば、旦那様や奥様にセルシア様たちが悲しむのを忘れないでください」
「分かってる、分かってるから……まぁ、でもあんなのが群れの中にいるのは、正直予想外だったよ」
いや、そりゃオーガキングのランクはAって分かってたから、もしかしたらAランクのモンスターと遭遇するかもな~とは思ってたよ。
でも……半分以上はジェネラルかな~って気持ちもあったし、ルーフェイスとアルガンツ先生もいるから、Aランクのモンスターがいても大丈夫だろとは……思ってたというか油断してたというか。
けど、あんな三本角のオーガジェネラルがいるとは一ミリも予想してなかった。
「本当に……強かったしな」
「……アラッド、本気で、戦った?」
「そうだな……手札を全部使った訳じゃないけど、割とガチで本気で戦った」
これはマジだ。
なんなら、ディーザスの連中と戦うと決めた時以上に強化してた……と、思う。
強化系アビリティのお陰で身体能力はちょいちょい勝ってたけど、あの再生力だけはちょっとな……うん、厄介過ぎた。
「俺、一応防御面も強化出来るけど、その状態でもガチンコ対決になったら、多分思いっきり吹っ飛ばされてたと思う」
「パワーでは向こうの方が一枚上手だったということか」
「後回復力もな。あの回復力がなかったら、絶対に何回か殺せてたんだよ。マジで」
「……みたいだね。眼が超本気だよ、ラガス」
「おっと、すまん」
あの状況を思い出して、少し怒気が漏れてしまった。
祝いの席で殺気や怒気を漏らすのは良くない良くない、気を付けないとな。
「ルーフェイスと組んで戦えば、もっと楽に勝てたのではありませんか?」
「そりゃな。いくら回復力……再生力が高くても、心臓と脳を潰せば流石に死んだ」
その二つを同時に潰しても回復したら、それはもう悔しいけど魔石を潰すしか……待てよ、さすがに脳や心臓を超高速で元通りにするのは回復に特化したやつでも無理だろうし、その隙を狙って魔石を取り除いてしまえばなんとかなるか?
「まっ、俺には魔弾があるかなら……最終的にそれを使って、なんとか出来たよ」
「……できれば使わずに倒したかったと、顔に出てますよ」
「…………」
ヤバいな、今日はそんなに顔に表情が出てるのか?
さっき怒気を一瞬漏らしてしまったのを考えれば、もう今日は自分の感情を全く隠せない日なのかもな。
「そうだな。個人的には強化系のアビリティを使った状態で、魔弾を使わずに倒したかったよ。でも、脳と心臓を潰すには、それが一番手っ取り早かった」
「ラガス、羅門は使わなかったのか? お前がその強化系アビリティを使用した状態に、更に羅門を使えばなんとかなったんじゃないのか」
「あぁ~~……かもしれないな」
圧倒的なスピードで心臓が治る前に脳も潰す。
羅門を使った状態なら、不可能じゃないかもしれない……けど、効果が切れたら動きが思いっきり鈍るからな。
「でも、効果が切れた後に更なる強敵とか現れたら、ルーフェイスとアルガンツ先生の邪魔になるだろ」
「そう思うなら、やはりルーフェイスとアルガンツ先生と一緒に三本角へ挑むべきだったのでは?」
「うっ……も、もう勘弁してくれ」
翌日にはもう突っ込まれなくなったが、今日は寝るまでちょいちょい弄られ続けた。
それから先生たちは早速俺たち生徒が手に入れた素材の計算を始めている。
「しかし、お前が強いのは解っていたが……やはり、少々無茶が過ぎたんじゃないか?」
「その通りです。リーベ様、もっとこの暴走坊ちゃまに言ってください」
「悪かったって、今度から気を付けるから……多分」
そして俺たちは先生方の奢りで、街で一番有名どころの料理店で夕食を食べまくっている。
「多分とはなんですか。おそらく無茶しているのだろうとは思っていましたが、Aランク並みのモンスターと戦っているとは全く予想出来ません。ラガス坊ちゃまの身に何かあれば、旦那様や奥様にセルシア様たちが悲しむのを忘れないでください」
「分かってる、分かってるから……まぁ、でもあんなのが群れの中にいるのは、正直予想外だったよ」
いや、そりゃオーガキングのランクはAって分かってたから、もしかしたらAランクのモンスターと遭遇するかもな~とは思ってたよ。
でも……半分以上はジェネラルかな~って気持ちもあったし、ルーフェイスとアルガンツ先生もいるから、Aランクのモンスターがいても大丈夫だろとは……思ってたというか油断してたというか。
けど、あんな三本角のオーガジェネラルがいるとは一ミリも予想してなかった。
「本当に……強かったしな」
「……アラッド、本気で、戦った?」
「そうだな……手札を全部使った訳じゃないけど、割とガチで本気で戦った」
これはマジだ。
なんなら、ディーザスの連中と戦うと決めた時以上に強化してた……と、思う。
強化系アビリティのお陰で身体能力はちょいちょい勝ってたけど、あの再生力だけはちょっとな……うん、厄介過ぎた。
「俺、一応防御面も強化出来るけど、その状態でもガチンコ対決になったら、多分思いっきり吹っ飛ばされてたと思う」
「パワーでは向こうの方が一枚上手だったということか」
「後回復力もな。あの回復力がなかったら、絶対に何回か殺せてたんだよ。マジで」
「……みたいだね。眼が超本気だよ、ラガス」
「おっと、すまん」
あの状況を思い出して、少し怒気が漏れてしまった。
祝いの席で殺気や怒気を漏らすのは良くない良くない、気を付けないとな。
「ルーフェイスと組んで戦えば、もっと楽に勝てたのではありませんか?」
「そりゃな。いくら回復力……再生力が高くても、心臓と脳を潰せば流石に死んだ」
その二つを同時に潰しても回復したら、それはもう悔しいけど魔石を潰すしか……待てよ、さすがに脳や心臓を超高速で元通りにするのは回復に特化したやつでも無理だろうし、その隙を狙って魔石を取り除いてしまえばなんとかなるか?
「まっ、俺には魔弾があるかなら……最終的にそれを使って、なんとか出来たよ」
「……できれば使わずに倒したかったと、顔に出てますよ」
「…………」
ヤバいな、今日はそんなに顔に表情が出てるのか?
さっき怒気を一瞬漏らしてしまったのを考えれば、もう今日は自分の感情を全く隠せない日なのかもな。
「そうだな。個人的には強化系のアビリティを使った状態で、魔弾を使わずに倒したかったよ。でも、脳と心臓を潰すには、それが一番手っ取り早かった」
「ラガス、羅門は使わなかったのか? お前がその強化系アビリティを使用した状態に、更に羅門を使えばなんとかなったんじゃないのか」
「あぁ~~……かもしれないな」
圧倒的なスピードで心臓が治る前に脳も潰す。
羅門を使った状態なら、不可能じゃないかもしれない……けど、効果が切れたら動きが思いっきり鈍るからな。
「でも、効果が切れた後に更なる強敵とか現れたら、ルーフェイスとアルガンツ先生の邪魔になるだろ」
「そう思うなら、やはりルーフェイスとアルガンツ先生と一緒に三本角へ挑むべきだったのでは?」
「うっ……も、もう勘弁してくれ」
翌日にはもう突っ込まれなくなったが、今日は寝るまでちょいちょい弄られ続けた。
45
お気に入りに追加
3,497
あなたにおすすめの小説
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる