上 下
552 / 965

戦いにくい足場

しおりを挟む
「グゥォォオオオオオオオッ!!!!」

「ガァァアアアアアッ!!!!」

「どいつもこいつ、元気いっぱいだな!!!」

オークみたいに木の棍棒を持ってる奴や、おそらく冒険者を殺して手に入れたであろう大剣? を使って殺しに来るオーガが多い。

中には体技をメインに襲ってくる奴もいるが……今のところ、俺とルーフェイスはノーダメージでなんとかやれてる。

オーガはCランクの中でも身体能力は高い方だが、それでもラビットフットを使った状態であれば、なんとかなるもんだな。
でも……バキバキに折られてる木とか、思いっきり凹んでる地面を見ると、何が何でもオーガの一撃は食らいたくない。

最初の方は魔弾の貫通力を上げて、透明にして目玉を狙えば結構楽に殺せてたんだけど、野生の勘? で五体ぐらい殺してからは意外と避けるようになった。

『ラガス、こいつら意外と、強いね!!』

『そうだな……どこかに、こいつらを強化しているリーダーがいるんだろうな!!』

今までオーガとは戦ってきたことがある。
ただ、今戦っている通常種のオーガは、今まで戦ってきた個体よりも少し強い。

魔弾も貫通力を上げて、尚且つ目を狙っていなかったら貫くことは難しい……かもしれない。

魔弾以外にも狼牙瞬雷やアブストラクトを使ってるから、攻撃の手札に困ることはないんだけど……結構ばっさり斬らないと、こいつら回復しちゃうんだよな。

元々生命力? が高いのは分かってたけど……もしかして、それも強化されてるのか?

それを考えると……このオーガ達を束ねてるリーダー格は、マジで強そうだな……そいつの素材だけは、綺麗に欲しくなってきたな。

「ッ!!?? 上位種も来たか!」

オーガナイト、ソルジャー、ファイター……見事なまでの力強い前衛たちだな。

いつも思うんだが……お前ら、そんなしっかりとした武器どこで手に入れてるんだよ。
ロングソードに大剣にナックル……しかも、そこそこ質が良さげな武器……いや、武器の質ならこっちも負けてないし!!!

「おらっ!!!!」

アブストラクトは刃が伸びるから、相手のリーチが長くても斬り分には問題無い!!!!

通常種と比べて確かに身体能力が上だが……まだいける。
狼牙瞬雷のお陰で脚力が上がってるから、強烈な一撃に捕まることはないけど……そろそろ、足場がめんどくさくなってきたな。

受け止めようと思えば受け止められるとは思うけど、大きな隙になるからオーガや上位種の攻撃は基本的に躱してる。

ただ、そうなると折れた木とか凹んだ地面が……うん、凄い動きづらい。

『ルーフェイス、少しだけオーガの相手を頼んでも良いか』

『任せて!!!』

後、倒したオーガの死体も邪魔なので、少しの間だけルーフェイスにオーガの相手を任せて回収に勤しむ。

そして再び戦いに参戦。
と思ったら、後方から強者の気配を感じた。

「アルガンツ先生!!!」

「どうやら無事の様だな」

「えぇ、まだ大将が出てきてないので、なんとか大丈夫です」

「……はぁ~~~~、分かってはいたが君の実力は本当にずば抜けているな」

軽く会話しながら斬撃でオーガの首を斬り落としてしまう先生も、教師陣の中でずば抜けて強いと思うんだけどな。

「それにしても……本当に狼竜なんだな」

「ふふ、そうですよ。俺の自慢の仲間です!!」

「狼竜を従魔にしている者は、俺が知る限りラガスだけだ」

自慢じゃないけど、それはそうだろうな。
本職がテイマーの人でも、ドラゴン系のモンスターを仲間にするのは難しい。

当たり前だけど、強いモンスターをテイムしようとすれば、死ぬ可能性が高くなる。
そんで、狼竜自体が中々発見出来ない存在だし……歴史的に見ても、狼竜を従魔にした人は数えるほどしかいないだろうな。

「それで、私が到着するまでにいったい何体を倒した」

「……多分、二十数体ぐらいだと思います。ただ、まだ大将格のやつは現れてないですね」

「そうか……まぁ、討伐に参加した面子を考えれば、問題無く倒せるだろう」

バレント先生もいるんだし、生徒たちに被害が出ることはないと思いたい……というか、本当になんでいきなりオーガの群れが攻めてきたのかだけ知りたいな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...