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「ラガス坊ちゃま、そろそろ剣を使用してもよろしいのでは?」
「いや、もう少し楽しませてもらう!!」
ヴェノムスネークと戦い始めてもう数分は経ったか?
毒、咬みつき、尾による攻撃。
果てには長い体を使って俺を締め上げようとしてくる。
更に、撒き散らした毒はその効力を失うことはない。
うっかり毒液の溜まりを踏んでしまうと、毒にやられてしまう。
一応解毒できるから、食らっても大丈夫といえば大丈夫だけど……食らった瞬間は苦しいから、なるべく食らいたくない。
「シャアアアアッ!!!」
「うぉ!」
尾撃をブリッジで躱すと、尾はそのまま木に激突。
そして、あっさりと木を折ってしまった。
そのお陰というか、随分と動きやすくなった。
とはいえ、あまり木々を破壊され続けるのもよろしくないし……そろそろ終わらせるか。
「せいせいせいっ!!!!」
「ッ!!?? シャッ!!!」
「のわっ!? こいつ……本当にタフだな」
咬みつきを躱して三回連続良い感じのパンチを決めたんだが、吹き飛ばされることなく耐えて毒球を吐きやがった。
攻撃が効いてないってことはないと思うんだけどな……いや、マジ実際にそんなにダメージが入ってないのか?
「ラガス坊ちゃま! ヴェノムスネークは、坊ちゃまの力を受け流しているかと思われます!!!」
「えっ? マジか!!??」
確かに体を殴った時、ちょっと変な感覚はあったが……メリルがそう言うなら、多分そうなんだろうな。
でも、人型でもないモンスターがそんな技術を会得できるのか?
誰かに倣わないと、そうそう会得できる技術じゃないだろ。
狼竜眼で視てみるか……はは~~~~、なるほど。そのアビリティのお陰か。
「メリル、こいつどうやら力流を持ってるみたいだ!!」
「なるほど、そういうことだったのですね」
おそらく、偶々生まれ持った才能……ってところだろうな。
こりゃサイクロプスやオーガ、オークの上位種とかじゃ仕留められない。
ある程度力があって、動きが不規則。
状態異常攻撃の毒が使えて、しかも力を受け流すアビリティを持ってる……身体能力を除けば、Bランクに足突っ込んでるか?
断定は出来ないけど、それぐらいの強さは持ってる。
「ラガス坊ちゃま、剣を使った方がよろしいのでは!!」
「いや、大丈夫だ!! このままやる!!」
別に打撃が効かないからって、俺には魔弾という相棒がある。
咬みつきを結構多用するし、口を開けた瞬間に魔弾をぶち込めば、流石に体内を撃たれたら力流を持っていようと、どうにもできないだろ。
まぁ、今回はそういった手段は使わないけどな。
「ふんっ!!!」
「ジャっ!!??」
拳の衝撃を内部に通す。
加えて、その衝撃も逃げないように速く浸透させることを意識する。
そうすれば、ダメージを受け流す暇もないだろ。
力流のアビリティレベルは二だったし、どうやらこんな感じで戦えば素手でも行けそうだな。
「おら!!!」
「ジャッ!!?? しゃ……」
「さすがに脳を潰せば一撃みたいだな」
咬みつきを好んで行ってたのが仇になった、って形だな。
タイミング良く上に飛んでしまえば、楽に上と取れる。
後は頭部を狙って衝撃波を打ち込んで終わり。
場合によっては読まれて食われる危機に直面するかもしれないけど……その時は魔弾を撃てば良いだけだよな。
「お疲れ様です、ラガス坊ちゃま。途中で、威力を体の内部に通す打ち込み方に切り替えましたね」
「あぁ、そっちの方が受け流す間もなくダメージを与えられると思ったからな」
多分だけど、衝撃を速く浸透させなくとも普通の打撃よりはダメージが残る筈。
「普通の衝撃ではなかったようですが……何はともあれ、終わってみれば快勝でしたね」
あら、やっぱりメリルには違いがバレてたか。
「では、セルシア様たちの元に戻って解体しましょうか」
「そうだな……うん、ちょっと手伝ってもらっても良いか」
「えぇ、勿論ですよ」
別に従者のメリルに解体を手伝ってもらうぐらいは良いよな?
ヴェノムスネークはだいたい体長が十メートル近くあるから、解体するのにちょっと時間が掛かるんだよな~~。
「いや、もう少し楽しませてもらう!!」
ヴェノムスネークと戦い始めてもう数分は経ったか?
毒、咬みつき、尾による攻撃。
果てには長い体を使って俺を締め上げようとしてくる。
更に、撒き散らした毒はその効力を失うことはない。
うっかり毒液の溜まりを踏んでしまうと、毒にやられてしまう。
一応解毒できるから、食らっても大丈夫といえば大丈夫だけど……食らった瞬間は苦しいから、なるべく食らいたくない。
「シャアアアアッ!!!」
「うぉ!」
尾撃をブリッジで躱すと、尾はそのまま木に激突。
そして、あっさりと木を折ってしまった。
そのお陰というか、随分と動きやすくなった。
とはいえ、あまり木々を破壊され続けるのもよろしくないし……そろそろ終わらせるか。
「せいせいせいっ!!!!」
「ッ!!?? シャッ!!!」
「のわっ!? こいつ……本当にタフだな」
咬みつきを躱して三回連続良い感じのパンチを決めたんだが、吹き飛ばされることなく耐えて毒球を吐きやがった。
攻撃が効いてないってことはないと思うんだけどな……いや、マジ実際にそんなにダメージが入ってないのか?
「ラガス坊ちゃま! ヴェノムスネークは、坊ちゃまの力を受け流しているかと思われます!!!」
「えっ? マジか!!??」
確かに体を殴った時、ちょっと変な感覚はあったが……メリルがそう言うなら、多分そうなんだろうな。
でも、人型でもないモンスターがそんな技術を会得できるのか?
誰かに倣わないと、そうそう会得できる技術じゃないだろ。
狼竜眼で視てみるか……はは~~~~、なるほど。そのアビリティのお陰か。
「メリル、こいつどうやら力流を持ってるみたいだ!!」
「なるほど、そういうことだったのですね」
おそらく、偶々生まれ持った才能……ってところだろうな。
こりゃサイクロプスやオーガ、オークの上位種とかじゃ仕留められない。
ある程度力があって、動きが不規則。
状態異常攻撃の毒が使えて、しかも力を受け流すアビリティを持ってる……身体能力を除けば、Bランクに足突っ込んでるか?
断定は出来ないけど、それぐらいの強さは持ってる。
「ラガス坊ちゃま、剣を使った方がよろしいのでは!!」
「いや、大丈夫だ!! このままやる!!」
別に打撃が効かないからって、俺には魔弾という相棒がある。
咬みつきを結構多用するし、口を開けた瞬間に魔弾をぶち込めば、流石に体内を撃たれたら力流を持っていようと、どうにもできないだろ。
まぁ、今回はそういった手段は使わないけどな。
「ふんっ!!!」
「ジャっ!!??」
拳の衝撃を内部に通す。
加えて、その衝撃も逃げないように速く浸透させることを意識する。
そうすれば、ダメージを受け流す暇もないだろ。
力流のアビリティレベルは二だったし、どうやらこんな感じで戦えば素手でも行けそうだな。
「おら!!!」
「ジャッ!!?? しゃ……」
「さすがに脳を潰せば一撃みたいだな」
咬みつきを好んで行ってたのが仇になった、って形だな。
タイミング良く上に飛んでしまえば、楽に上と取れる。
後は頭部を狙って衝撃波を打ち込んで終わり。
場合によっては読まれて食われる危機に直面するかもしれないけど……その時は魔弾を撃てば良いだけだよな。
「お疲れ様です、ラガス坊ちゃま。途中で、威力を体の内部に通す打ち込み方に切り替えましたね」
「あぁ、そっちの方が受け流す間もなくダメージを与えられると思ったからな」
多分だけど、衝撃を速く浸透させなくとも普通の打撃よりはダメージが残る筈。
「普通の衝撃ではなかったようですが……何はともあれ、終わってみれば快勝でしたね」
あら、やっぱりメリルには違いがバレてたか。
「では、セルシア様たちの元に戻って解体しましょうか」
「そうだな……うん、ちょっと手伝ってもらっても良いか」
「えぇ、勿論ですよ」
別に従者のメリルに解体を手伝ってもらうぐらいは良いよな?
ヴェノムスネークはだいたい体長が十メートル近くあるから、解体するのにちょっと時間が掛かるんだよな~~。
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