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どちらにしろ変わらない

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「それにしても、モンスターを解体するの随分と上手くなったな」

「実家に戻っている間に、モンスターを倒すだけじゃなくて解体も行ってたからね。ほら、ラガスが教えてくれたじゃないか。実際にやればやるほど技術は身に付くって」

「……そうだったか?」

そんな事を伝えた様な気がしなくもないけど……駄目だ、思い出せない。
でも、俺自身がそういった考えを持ってるのは確かだな。

勿論知識は大事だし、戦闘に関しては訓練も大事だ。
ただ……それを実際に実戦で使える様にならないと、それは本当に技術が身に付いたとは言えない。

「というかさ……ロックス。ご両親にかなり心配されたんじゃないか?」

「ま、まぁ……うん、そうだね。母さんには凄く心配されたよ。元々ハンターになることに賛成はしてくれてなかったからね」

「もしかして、騎士の道に進んで欲しいと思ってたとか?」

「まさにその通りだよ。見栄とかの為じゃなくて、戦う職業にしても騎士の方が命の安全性は高いと思ってたんだろうね」

「なるほどね……確かに、生活面を考えるとハンターより騎士の方が良いって思うかもしれないな」

実際に、衛生面とか食事の面……給金の面とかを考えると、最初の内は騎士の方が良いかもしれない。
でもハンターはその辺りを自分と、仲間の力で改善していけるし、あまり権力争いとかなく、上に登れる。

その辺りの事情を考えれば、ハンターの方が夢見る男にとっては良い道なのではと思うが…………それに、ハンターにしろ騎士にしろ、戦う職業なんだから死ぬ確率とかはそこまで変わらないと思うんだけどな。

「でも、ロックスはハンターになりたいんだろ」

「あぁ、勿論。何と言うか……騎士になれたとしても、堅苦しい生活はちょっとね」

「はっはっは! 俺と同じ様な考えだな」

「ふふ。ラガスの考えが移ったのかもしれないね……それにしても、セルシアさんとメリルさん、戻ってくるのちょっと遅いね」

「ん~~~~~…………まぁ、そうかもな」

ルーフェイスの言葉的に、熊系のモンスターがいたところは、そう遠くない筈。
二人の脚を考えれば、一分もかからず到着するだろ。

熊系モンスターの実力が高い……ランクがCであっても、セルシアには紫電崩牙がある。
あれを使えば時間を掛けずに倒せる。
てか、当たりさえすればとりあえず切断は出来るしな。

いや……Cランクのモンスターだとしても、敢えて一般的な剣で戦ってるってことか?

「もしかしたら、セルシアは遭遇した熊系モンスターを練習相手にしてるのかもな」

「わざと不利な状況で戦ってるってことかい?」

「かもしれないな……セルシアならあり得ると思わないか」

「そうだね。セルシアさんなら全然あり得そうだ」

何だかんだで実力は着実に上げてきてるし、Cランクでもよっぽど長く生きてる特別な個体とかじゃ無ければ勝てるだろ。

それに、傍にはメリルがいる。
セルシアに致命傷になり得る一撃が入ろうとしたら、絶対に毒か糸を使って防ぐ。

従者という職業に就いてる人間だからか、そういったところには敏感に反応する。
だからセルシアが負けることはまずない……と思いたいが、ちょっと心配になってきたな。

『ルーフェイス、セルシアに何か変化があったりしたか?』

『ん? 特になんもないと思うけど……あっ、でもいつもと違って攻撃の音が違う気がする』

『攻撃の音?』

つまり、セルシアは剣を使わずに戦ってるってことか?

『えっとね、鈍い音だね』

『鈍い音……そっか、ありがとな』

なるほどなるほど、そういうことか。
もしかして……リーベの成長に触発された感じか?

それを考えれば、熊系のモンスターはタフだし腕力強いし……練習台としては申し分ないな。

「……なんか一人で納得した顔になったけど、見に行かなくて良いの?」

「まだ解体途中だろ。お前を放って身に行ける訳ないだろ」

それに、心配しなくてもそろそろ戻ってくるだろ……素材はボロボロかもしれないけどな。
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