万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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面倒事ではないよ?

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「という訳で、明日からちょっと遠出することになったから」

「……ラガス坊ちゃま、面倒な件には絡まれないと言っていませんでしたか?」

えっと……何故か明日からスレイドと目標の鉱石が採掘されている鉱山に向かうと告げたら、凄い青筋がピクピクしてるんだが。

「おう、そう言ったな」

「えぇ、確かにそう言ってました。そして私はラガス坊ちゃまのことを信用しました……何故そうなったのですか??」

「何故って…………偶々スレイドと会って、悩んでたみたいだから相談に乗ったんだよ。そしたら結果的に一緒に鉱山に行って、目的の鉱石を採掘しようぜってなったんだ」

一度流れは説明してるので、かなり端折ってもう一度説明した。
そりゃスレイドは友達っていうほど親しくはないかもだけど、不器用なりにマジで考えてたんだ。

悪い奴じゃないってのは分かってるから、手伝ってやりたいと思ってもおかしくないだろ。

「なぁ、シュラ。別に悪いことって言うか、面倒な厄介事じゃないよな」

「ま、まぁ……そうっすね。一個だけ聞きたいんすけど、それはそのスレイドさんとラガスさん……後ルーフェイスだけで行くつもりなんすよね」

「そうだな。あんまり大所帯で行くのもあれだからな。確かに王都から目的の鉱山まではちょっと遠いけど、ルーフェイスの脚なら大して時間掛からずに到着できると思うんだよ」

「そりゃそうっすね……うん、俺はラガスさんの考えに……まぁ、賛成かな」

有難う、シュラ! お前ならそう言ってくれると思ってたよ!!
立場上、そう言うしかないのかもしれないけど。

「確かに、大勢で行くのは、何か違うんだろう、ね」

「そういうことだな。鉱山まで行く脚と、鉱山で万が一が起こらない様にするためにルーフェイスと俺が行く」

「……良い判断、だと思う。ルーフェイスの鼻があれば、そこまで時間を掛けずに、見つけられると、思う、よ」

「やっぱりそう思うよな」

先日の鉱山で採掘した時に、ルーフェイスは的確に鉱石があるところを発見してくれた。
さすがに細かい宝石の匂いまで嗅ぎ分けるのは難しいと思うけど、ルーフェイスの鼻があるだけで目的の鉱石の発見率は大幅に変わるはず。

「普段世話になってる恩を返す、か…………俺はラガス様がそのスレイド様に協力するのは全然構わないと思いますよ」

ルーン!!! お前も参戦してくれるのか……嬉しいよ!  
だからメリル、あんまりルーンを睨むな。

本当に自分で考えてそう思い、発言してくれただけなんだから!

「メリルは、やっぱり、心配性。ラガスは、超強い。ルーフェイスも、超強い。それに、鉱山に行って、採掘するだけ。問題が起こることは、殆どない」

「ッ…………そう、かもしれませんね」

おぉ~~~~~、さすがセルシア。
シュラやルーンが俺に賛成しても否定的な顔をしてたのに、セルシアが肯定的な意見を言ってくれたことで、メリルが納得しかけてる。

「……ですが、ラガス坊ちゃま。夏休みがあと何日で終わるかちゃんと覚えていますか」

「後四日だろ。大丈夫だって、さすがに見つからなかったら帰ってくるから」

「…………本当ですか?」

「あぁ、勿論だ。さすがに夏休み明けの授業をいきなり欠席するのは嫌だからな」

今まで一回も欠席遅刻することなくやってきだんし、このまま維持したいと思ってる。

「はぁ~~~~~~~~~~~~……分かりました。ですが、ちゃんと無事に……そして夏休みが始まる前日までには必ず帰ってきてください。お願いしますよ」

「絶対にそれは守るよ」

無事に帰ってくるのは当然として、やっぱりこう……いかなる理由があっても夏休み明け初日の授業に遅刻するとか、やっぱり嫌というかダサいと思うんだよ。

だから絶対にメリルとの約束は守る!!!!

仮に守れなかったら、絶対に特大の雷を落とされる。
学生の間は一人で外出禁止とか言われるかもしれないし……うん、それは絶対に嫌だ。
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