万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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無言の時間をなくそう

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「へぇ~~~、まさかこの鉱石が売ってるとはな……買うか」

休憩がてらに散歩に向かった鉱石を売っている店へと入ると、一つの鉱石に強い興味を持った。

「お客さん、珍しい鉱石が好きなんですか」

「えぇ、趣味で結構使うんで珍しい鉱石というか……鉱石全般に興味がある」

眼先に置かれている鉱石は暗黒石。
鉱山で採掘されることはあるが、非常に珍しい鉱石の一種。

(確かヤガスさんが闇魔法を使えたって言ってたよな……うん、ここで買わないと他の誰かに買われるかもしれないし、買ってしまおう)

「すいません、これ買います」

「まいど。金貨三十枚だ」

店主は俺にちゃんと代金分の金を持っているのかは尋ねなかった。
俺がラガス・リゼードだって気付いてるのかもな。

いちいち金を持ってるのか疑われないのは嬉しい事だ。
きっちり金貨三十枚を支払い、店の外に出る。

その店には暗黒石以外は特に珍しい鉱石をなかったし、他の店も見てみるか……って、休憩がてらに散歩してる筈なのに、頭の中は仕事モードのままだな。
まぁ……魔靴の素材を考えたりするのは嫌いじゃないから良いんだけどさ。

さて、次の店ではまた珍しい鉱石があるかな~~~~…………ん? あれはもしかして……やっぱりそうだ。
ダブルスの大会で戦ったあの……鋭い刃物系イケメンの男子生徒だ。

懐かしい存在を発見すると、向こうもどうやら俺の気付いた様子。
軽く会釈をすると……刃物系イケメンがこちらにやって来た。

「…………」

「…………」

えっと、俺に用があるのかな?
それとも単にお茶しませんか、的なお誘いか?

傍から見ればヤンキーに絡まれてるボッチ君に思われるかもしれないけど、刃物系イケメンから敵意や険悪な空気は感じない。

どちらかというと……何やら悩んでる様子、って感じだと思う。

「大会で戦ったぶりだな」

とりあえず、このまま無言では話が進まないので俺から会話を切り出す。

「あ、あぁ。そうだな。学園が違うから、普段は会うことがないだろう」

「それもそうだな。もうそろそろ夏休みは終るけど、どんな感じで過ごした? 俺は…………それなりに、楽しく過ごしてたよ」

思い返すとかなり激動の夏休み……前世と比べれば圧倒的に忙しく、大変な夏休みだったな。
まぁまぁ刺激のある日々だったし、もう二度と体験したくないって訳では……いや、さすがに二度目の大剣は嫌だな。

今度の夏休みはもう少しゆっくり過ごしたい願望はある。

「俺は……実家に帰ったり、鍛錬を積む……あまり普段と変わらない日々ではある」

「そ、そうか……」

「……」

いかんいかん、また無言の時間になってしまった。

精神年齢では俺の方が上なんだし、なんとかしなと!
多分……悩みがあるんだよな。
それを一回しか会ったことがない俺に相談しても良いのか否か、そんな事を考えてそうだから……丁度暇だし、相談に乗ろうじゃないか!!

解決出来るかどうかは別だけどな!

「なぁ、なんか悩みごとでもあるのか」

「ッ!!??」

「いや、そんなに驚くなよ。結構顔に出てたぞ」

変に驚いたらその鋭い刃物系イケメンフェイスが台無しだぞ。

「そ、そうか……そうだな。今、少し悩みごとがあってこの辺りを散歩していた」

「どんな悩みごとなんだ? 今日は特に予定ないから、俺で良かったら相談に乗るぞ」

「い、良いのか?」

「あぁ、勿論。バチバチに戦った仲だろ。相談の一つや二つぐらい乗るぞ」

「……ありがとう、感謝する」

一端近くのカフェに入り、軽い注文を頼んでから早速何を悩んでいるのか聞きだす。

「それで、どんなことで悩んでるんだ」

結構深刻そうというか、表情的に軽い悩みではない筈だ。
もしかして、家族が治療が難しい病気に掛かったとかそういう悩みか。

「そ、その……婚約者に、プレゼントを送ろうと思っていて、それが……その、中々決まらないんだ」

……超年頃男子の悩みじゃないですか。
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