上 下
520 / 950

ちょっと多過ぎる

しおりを挟む
「……おいおい、ふざけてんのか」

絶賛、ちょっと切れ気味中。
何故かというと……オルトロスと遭遇してから四回ほど、それなりに強いモンスターや、群れて襲い掛かるモンスターと遭遇した。

現在前の前にいるモンスターは、サイクロプスが二体。
これまた、遭遇したのが俺たちじゃなかったら結構ヤバい相手。

「ラガス坊ちゃま……いかがなさいますか」

向こうは完全に俺たちをロックオンしている。
だったら、逃げるわけにはいかないよな!!!

「ぶっ潰す。ただし、一体は俺一人で倒す」

「かしこまりました」

本当は正午前までに鉱山に入り、採掘を行うつもりだった。
でも今はどうだ? 太陽の位置的に絶対正午を過ぎてる。

「ゴァァァアアアアアアッ!!!!」

「うるせぇ!!!! でくの坊!!!!!」

普段だったら口に出さない暴言を吐きながら、振り下ろされる棍棒を躱して腹に連続パンチ。

「ッ!? ウゴッ!? ハ、ァ!?」

「さっさと、死んでろ!!!!」

モンスターと遭遇する度に万が一を考えて少し休憩を挟んでたのが良くなかったかもな。

そんな事を考えながら魔力の衝撃をサイクロプスの心臓に叩きこんだ。

「ウッ!!!!???? ォ、ア……」

「はぁ~~~~……こいつも帰ってから解体しよう」

今解体を行えば、更に鉱石を採掘する時間が短くなってしまう。

「ラガスさん、こっちも終わったっす」

「おう……うん、早いな」

足元に蜘蛛の糸があるってことは、メリルが転ばしたんだな。
それで……頭が大きく凹んでる。

サイクロプスだし、結構遠慮なしに金棒を振り下ろしたみたいだ。
おそらくだけど、眼球は傷付いてるよな……って、今はそんなことどうでも良いんだよ!

速く鉱山に行かないと!!

全速力で森を駆け抜け、今度は途中でモンスターと遭遇することなく……ようやく鉱山の入り口に到着した。

「ラガス坊ちゃま、体調は大丈夫ですか?」

「あぁ……大丈夫だ、問題無い」

ちょいちょい魔力を消費しながら走ってたけど、多少息切れする程度。
これぐらいは鉱山内を歩いてたら直ぐに元に戻る。

「それより、予定していた時間よりも遅く到着してしまった。ルーフェイス、すまないがお前の力を頼らせてくれ」

『ふふ、任してよ!!!!』

「頼んだ」

狼竜であるルーフェイスの鼻は結構特殊で、鉱山に埋まっている鉱石の場所まで把握できてしまう。
他にも同じ芸当が出来るモンスターもいるようだが、それでも鉱石の場所まで鼻で感知できてしまう個体はそう多くない。

魔眼のお陰で暗闇でも良く見える。
てか、光属性の魔弾を常に浮かべてるから周囲はハッキリと見えるんだけど……ぱっと見た感じ、やっぱりあまりめぼしい功績はないか?

『……………………ラガス、こっちに行こ』

『了解』

もしかして良い感じの反応を見つけたのか?
ルーフェイスの感知能力を信じ、ぴったりと後ろを付いて行く。

「キィィィエエエエエアアアアアッ!!!!」

「だから……邪魔なんだよ!!!!」

壁から急に現れて襲ってきたロックワームを携帯している狼牙瞬雷を抜き、斬撃刃を放って一刀両断。
空間感知で魔核の位置を把握して放ったから、直ぐに動かなくなった。

魔核はちょっと惜しいと思うが、今はそんなこと言ってられない一秒でも長く採掘に時間を使いたい。
死体は亜空間に入れて即座にダッシュ。

「ラガス坊ちゃま、魔核を破壊していましたが良かったのですか?」

「あぁ、今回は別に構わない。鉱山にはモンスターを倒しに来たんじゃなくて、鉱石を採掘しに来たんだからな」

それにこう言ってはあれだが、ロックワームのランクはD。
魔核もそこまで重要な素材ではないので、今の状況でわざわざ時間を掛けて丁寧に倒す必要はない。

『この辺りだと思う』

「オーケー」

つるはしを力一杯振るったら鉱石を無駄に傷付けるかもしれないので、ここは慎重に慎重に進めていく。
すると、比較的珍しい部類である蒼天石の採掘に成功。

よし!!! この調子でがっつり集めるぞ!!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした

月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。 それから程なくして―――― お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。 「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」 にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。 「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」 そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・ 頭の中を、凄まじい情報が巡った。 これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね? ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。 だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。 ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。 ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」 そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。 フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ! うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって? そんなの知らん。 設定はふわっと。

パーティー会場で婚約破棄するなんて、物語の中だけだと思います

みこと
ファンタジー
「マルティーナ!貴様はルシア・エレーロ男爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄そして、ルシアとの婚約をここに宣言する!!」 ここ、魔術学院の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、ベルナルド・アルガンデ。ここ、アルガンデ王国の王太子だ。 何故かふわふわピンク髪の女性がベルナルド王太子にぶら下がって、大きな胸を押し付けている。 私、マルティーナはフローレス侯爵家の次女。残念ながらこのベルナルド王太子の婚約者である。 パーティー会場で婚約破棄って、物語の中だけだと思っていたらこのザマです。 設定はゆるいです。色々とご容赦お願い致しますm(*_ _)m

他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類
ファンタジー
『辛い人生なんて冗談じゃ無いわ! 楽に生きたいの!』 開いた扉の向こうから聞こえた怒声、訳のわからないままに奪われた私のカード、そして押し付けられた黒いカード…。 よくわからないまま試練の多い人生を押し付けられた私が、うすらぼんやり残る前世の記憶とともに、それなりに努力しながら生きていく話。 ※注意事項※ 幼児虐待表現があります。ご不快に感じる方は開くのをおやめください。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話

ルジェ*
ファンタジー
 婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが─── 「は?ふざけんなよ。」  これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。 ********  「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください! *2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!

処理中です...