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アビリティなので

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『隙あり!!!!』

「ッ!!??」

俺の魔弾を無理矢理避けたせいで、不安定な状態になったんだろうな。
先程までなら多分避けられたルーフェイスの爪撃をがっつり食らった。

そのまま吹き飛ばされ、木に激突。
完全に本気を出してはいなくとも、ブラックウルフの状態を解いたルーフェイスの一撃は決して軽くない。
アサルトワイバーンといえば、まともに食らったら意識がふらつく。

丁度顔の側面に爪撃を食らったし、脳がぐらぐら揺れてるだろうな。

そしてアサルトワイバーンには悪いが、今回は三体一の戦い。
俺は念の為周囲に魔弾を浮かばせているが、一瞬の隙を狙って俺とルーフェイス以外の人物がダッシュ。

「ふんッ!!!」

最後はロウレット公爵様が魔靴に魔力を纏わせ、蹴りでアサルトワイバーンの首を裂いた。

「見事な一撃だ」

「そうですね。ただ、アサルトワイバーンはラガス君の魔弾を無理矢理避けてから、あっさりと勝負は決まりました。今回の戦いで一番活躍したのはラガス君かと、私は思います」

「そ、そうですか? ありがとうございます」

そんな真剣な表情で褒められるのは嬉しいが、やはり照れる。
けど、俺からすればアサルトワイバーンを相手に接近して戦ってる二人の方が功労者だと思うけどな。

感覚であのアサルトワイバーンが普通のワイバーンとは違う迫力を、圧を持ってるのが解る。
戦おうと思えば戦えると思うけど……やっぱり、個人的に今回の戦いで活躍してくれたのはルーフェイスとロウレット公爵様だな。

「一つお聞きしたいのですが、先程撃った魔弾は他の魔弾と何か……性質が違ったのでしょうか? 私にはアサルトワイバーンが野生の勘でそれに気付いて気にせず食らっていた魔弾をむりやり避けた様な気がしたのですか」

鋭いな~この人。
百戦錬磨の経験で気付いたのか、それとも冷静な分析力で気付いたのか……魔弾によるアシストも見せたんだし、別に答えても良いか。

「あの時、アサルトワイバーンに向けて撃った魔弾にはドラゴンスレイ……竜殺しの効果を付与させていました。アリスタさんの言う通り、アサルトワイバーンはそれを野性の勘で監視して避けたと思います」

「りゅ、竜殺しの効果を……それは、本当ですか?」

「えぇ、本当ですよ。俺の魔弾はただの魔弾ではなく、魔弾というアビリティを使って撃ってますから、そういうことも出来るんですよ」

他にもスレイ効果が付く属性はある。

まっ、その効果を手に入れたのかなりアビリティレベルを上げてからだったけどな。

「ただ、竜殺しの効果といえど付与された武器と比べれば攻撃力は低いですよ。所詮は元が魔弾ですからね」

「それは過小評価ですよ、ラガス君。竜殺しの効果が付与された遠距離攻撃を放てる。これはドラゴン系のモンスターと戦う時に非常に役立ちます」

「アリスタの言う通りだ。アサルトワイバーンが魔弾を避けた時、まさかとは思ったが本当にそのような効果を付与できたとはな……君には本当に色々と驚かされるよ」

「はは、どうも」

俺からすれば全くアサルトワイバーンを恐れずに立ち向かうロウレット公爵様に驚かされたよ。

『圧勝だったね、ラガス!!!』

『あぁ、そうだな。お疲れ様、ルーフェイス』

お疲れ様という意味を込めてルーフェイスを思いっきりモフモフする。
うん、相変わらずルーフェイスをモフモフするのは気持ちいな。

「しかしアサルトワイバーンと遭遇するとはな……やはりフォースとリッシュを連れてこなくて正解だったな」

そういえば二人は今回の狩りに着いてきたかったんだっけ。
確かに今回はアサルトワイバーンと三人で戦っている間に、セルシアたちに被害が及ぶことはなかった。

でも、他にもう一体Bランクのモンスターが現れてたと思うと……いや、アリスタさんがいるからBランクぐらいのモンスターなら大丈夫か?

「ラガスさん、今度強そうなモンスターが現れたら自分が戦っても良いっすか」

「おう、その時は任せるよ」

俺たちの戦いを観ていて火が付いたって感じだな。
帰るまでに遭遇するかどうかは分からないけど、もし遭遇したらシュラと……メリルあたりに任せるか。
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