万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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賢く全力で動く

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『この匂いは……オーガかな?』

『オーガか……まぁ、なんとかなるか』

オークやリザードマンより体が大きいモンスターだが、それでもCランク。
上位種でなければ俺たちが全滅することはない。

「おい、こっちのオーガが向かって来てるらしいぞ」

「……それでは、私たち従者組が倒しましょう」

主人の食事時間を邪魔させる訳にはいかないって思ってそうだな。
その気持ちは超嬉しいけど……どうやら目をキラキラさせてる奴らが二人いる。

「ねぇ、ラガス兄さん。僕たちが相手しても良いかな」

「絶対に言うと思った」

普段なら、見つけても足音を立てず気配を消して逃げてるって話に嘘はないだろう。
でも、今日は俺たちがいる。

多少無茶が出来ると思ってるんだろうな。

「お二人とも、相手はCランクのモンスターです。万が一の可能性がございますのでお下がりください」

「いや、折角のチャンスだから僕たちに戦わせてください」

「絶対に無茶しないから!!!!」

「うっ」

一応立場的には二人の方が上だから、メリルが二人の行動を強制することは出来ない。

というか、絶対に一言いえば引き下がってくれると思ってただろうな。
二人とも絶対に自分たちがやりたいって顔してるし……まぁ、目を離さないようにしてればいいか。

「メリル、二人にやらせてみろ」

「しかしラガス坊ちゃま、相手がオーガであれば二人が大怪我してしまう可能性は十分にあります!」

「分かってる。でも、お前は俺が色々出来るのは知ってるだろ」

大怪我を速攻で治癒するのは難しいが、時間があれば俺の回復弾で治せる。

「……はぁーーー、分かりました。もう何を言っても無駄そうですね」

「大丈夫だって。本当にヤバそうになったら直ぐに手を出すから。ルーフェイス、悪いが他にモンスターが寄ってこないか見張っといてもらっても良いか」

『了解! 任せてよ!!!』

ルーフェイスが見張りに力を入れれば、レアードたちの戦いが外野に邪魔されることはない。

さて……四人がどこまでやれるか見せてもらおう。

「ニルナ、エルシャ。気張りなさい」

「「はい!!!」」

「気張るのは良いけど、あんまり緊張し過ぎるなよ」

メリルとシュラが従者二人に声を掛けた後、直ぐにオーガが姿を現した。

「グガガガガ!!」

これは…………良い匂いがするだけじゃなく、他にも美味そうな食料が転がってるって感じの笑い声か?
そんなに歴戦のオーガって感じにも思えないし……とにかく四人が危ない状況になったら直ぐに助けられるように、そこだけ注意しておこう。

「四人とも相手は格上だ。全力で戦いながら頭を使えよ」

「「「「はい!!!!」」」」

いつも通りセリスエルシャが前に出て、レアードとニルナが後ろからサポートと攻撃。

うんうん、良い感じだ。
四人とも俺が言った通り、出し惜しみせずにオーガと戦っている。

「グガッ!!!!」

「よっと」

オーガが振り回す木の棍棒は確かに危ないけど、セリスとエルシャが本気になれば攻撃を躱してカウンターを決めることも難しくない。

二人を無視して地面を抉るように棍棒振り回してレアードとニルナを攻撃しようとしても、レアードの魔力の防壁を打ち破れない。

「……四人とも、上手く戦えていますね」

「そうだな。決定打には欠けるが、それでも上手く戦えてるよ、本当に」

四人は本当に自分たちのペースで今のところ誰かが負傷することなく、無駄に力勝負などせずに戦えている。

ただ、それでもオーガはCランクのモンスターだり、比較的耐久力に優れている個体。
当然身体強化のアビリティや、魔力や闘気を体や武器に纏う技術を身に着けている。

四人の攻撃が軽いとは言わないが……それでも中々決め手となる攻撃を与えられていない。

「けど、四人とも俺が言ったことをちゃんと理解してるみたいだな」

これはもしかしたら……本当に俺たちの出番はないか?
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