485 / 970
悪いが趣味じゃない
しおりを挟む
「それじゃあ、やっぱりラガス兄さんはその……イーリスさん? とも婚約するの?」
「なんでそうなるんだよ。その話は断ったって言っただろ」
「そうだけどさ、強くて綺麗な人なんでしょ」
「……確かにその通りではあるな」
接近戦はまだまだ素人に毛が生えた程度だろうけど、魔法を使った遠距離戦の腕は高い。
容姿は……セルシアとは違った鋭い美しさ? ってのがある感じか。
綺麗にバラには棘がある。
その言葉が相応しい見た目と性格をしてるな。
「なら、ラガス兄さんの好みにピッタリじゃん」
「セリス……俺の話を思い出せよ。性格面では全く合わないんだよ。というか、向こうが一方的に俺のことを嫌ってるし……親であるリザード公爵が俺との婚約を望んでいたとしても、無理なものは無理だよ」
向こうが一方的に俺のことを嫌ってなければ、イーリスの印象は変わったかもしれないけど……いや、そもそも俺はセルシアとのパートナー関係がなければ男爵家の四男。
イーリスは爵位の上下関係をそれなりに意識するタイプの令嬢っぽいから……結局仲良くなるのは無理そうだな。
「……でもラガス兄さん、もしかしたら向こうの気が変わって好意的になるかもしれませんよ」
「えぇ~~~、そんなことあるか?」
レアードは俺よりも女心を解ってそうだけど……万が一、億が一、そうなる可能性はない筈だ。
仮に……本当に俺に対してそういう気持ちを持ったとしても、今までのこと……あと、イーリスの性格的に素直に好意を伝えてくることはない。
ツンデレみたいな形になるんだろうけど、それはそれでウザいというか鬱陶しいというか……世の中のツンデレ好きには悪いが、俺は嫌いなんだよな。
「もしかしたらあれよね、リザード公爵からラガス兄さんと仲良くなりなさいって言われて、感情を押し殺してラガス兄さんに近づいてくるかも」
「もしそういう流れで近づいてくるなら、お前とそういう仲になる気はないから無理するなって正面から伝えるな」
イーリスには俺じゃなくてちゃんと良い相手がいるだろ。
幸いにも実家は公爵家。
結婚相手は基本的に選び放題のはず。
まぁ………結婚相手の条件がセルシアよりタイマンで強いとか限定してしまうと、条件に当てはまる人はかなり少なると思うが。
てか、あれだけ気が強い人と望んで結婚したいと思う男はいるのか?
絶対に結婚した相手は尻に敷かれる未来が訪れるだろ。
よっぽどドМ君なら喜んで結婚したいと望むのかもしれないが……本人の前では言えないけど、行き遅れの令嬢になりそうだ。
「ラガス兄さん……超容赦ないね」
「感覚的に容赦する必要がないと思ってるからな」
メリルにも結構遠慮なく言うけど、イーリスはなんというか……本当に容赦なく言葉をぶつけても良いと思ってしまうんだよな。
向こうから容赦ない言葉をぶつけてきた訳だし。
「そういえばさ、やっぱり学園に入ればアリク兄さんやクレア姉さんより強い人がいるんですよね」
「……いるな」
まずはロッソ学園の現生徒会長のリース先輩。
リース先輩はマジでアリクやクレア姉さんよりも強い。
後は……フレイア女学院のレーシア・ラージュさんか。
アリクなら身体能力のゴリ押しでいけるかもしれないけど……それでも五分五分ってところかな。
クレア姉さんにとっても厳しい相手になる。
「二人も同年代と比べれば圧倒的に強いと思うが、それでも同じような例外的な人は存在する……もしかして、学園に入学するのがちょっと怖くなってきたか?」
「まさか、そんなことないよ。寧ろ、そんな奴がいるな是非とも倒したいよ」
「レアードに同感ね。同年代にそんな人がいるなら、絶対に私の剣でぶった斬ってやるんだから」
はは、杞憂だったみたいだな。
ただ……その例外的には貴族の学園だけに現れる訳じゃないけどな。
「勿論、ラガス兄さんにだって勝つつもりだから」
「同じく!!!」
「……はっはっは!! やる気満々だな。良いぞ、二人が学園に入学したらとりあえず卒業するまで、いいくらでも勝負してやるよ」
こりゃもしかしたら、俺もうかうかしてられないかもな。
「なんでそうなるんだよ。その話は断ったって言っただろ」
「そうだけどさ、強くて綺麗な人なんでしょ」
「……確かにその通りではあるな」
接近戦はまだまだ素人に毛が生えた程度だろうけど、魔法を使った遠距離戦の腕は高い。
容姿は……セルシアとは違った鋭い美しさ? ってのがある感じか。
綺麗にバラには棘がある。
その言葉が相応しい見た目と性格をしてるな。
「なら、ラガス兄さんの好みにピッタリじゃん」
「セリス……俺の話を思い出せよ。性格面では全く合わないんだよ。というか、向こうが一方的に俺のことを嫌ってるし……親であるリザード公爵が俺との婚約を望んでいたとしても、無理なものは無理だよ」
向こうが一方的に俺のことを嫌ってなければ、イーリスの印象は変わったかもしれないけど……いや、そもそも俺はセルシアとのパートナー関係がなければ男爵家の四男。
イーリスは爵位の上下関係をそれなりに意識するタイプの令嬢っぽいから……結局仲良くなるのは無理そうだな。
「……でもラガス兄さん、もしかしたら向こうの気が変わって好意的になるかもしれませんよ」
「えぇ~~~、そんなことあるか?」
レアードは俺よりも女心を解ってそうだけど……万が一、億が一、そうなる可能性はない筈だ。
仮に……本当に俺に対してそういう気持ちを持ったとしても、今までのこと……あと、イーリスの性格的に素直に好意を伝えてくることはない。
ツンデレみたいな形になるんだろうけど、それはそれでウザいというか鬱陶しいというか……世の中のツンデレ好きには悪いが、俺は嫌いなんだよな。
「もしかしたらあれよね、リザード公爵からラガス兄さんと仲良くなりなさいって言われて、感情を押し殺してラガス兄さんに近づいてくるかも」
「もしそういう流れで近づいてくるなら、お前とそういう仲になる気はないから無理するなって正面から伝えるな」
イーリスには俺じゃなくてちゃんと良い相手がいるだろ。
幸いにも実家は公爵家。
結婚相手は基本的に選び放題のはず。
まぁ………結婚相手の条件がセルシアよりタイマンで強いとか限定してしまうと、条件に当てはまる人はかなり少なると思うが。
てか、あれだけ気が強い人と望んで結婚したいと思う男はいるのか?
絶対に結婚した相手は尻に敷かれる未来が訪れるだろ。
よっぽどドМ君なら喜んで結婚したいと望むのかもしれないが……本人の前では言えないけど、行き遅れの令嬢になりそうだ。
「ラガス兄さん……超容赦ないね」
「感覚的に容赦する必要がないと思ってるからな」
メリルにも結構遠慮なく言うけど、イーリスはなんというか……本当に容赦なく言葉をぶつけても良いと思ってしまうんだよな。
向こうから容赦ない言葉をぶつけてきた訳だし。
「そういえばさ、やっぱり学園に入ればアリク兄さんやクレア姉さんより強い人がいるんですよね」
「……いるな」
まずはロッソ学園の現生徒会長のリース先輩。
リース先輩はマジでアリクやクレア姉さんよりも強い。
後は……フレイア女学院のレーシア・ラージュさんか。
アリクなら身体能力のゴリ押しでいけるかもしれないけど……それでも五分五分ってところかな。
クレア姉さんにとっても厳しい相手になる。
「二人も同年代と比べれば圧倒的に強いと思うが、それでも同じような例外的な人は存在する……もしかして、学園に入学するのがちょっと怖くなってきたか?」
「まさか、そんなことないよ。寧ろ、そんな奴がいるな是非とも倒したいよ」
「レアードに同感ね。同年代にそんな人がいるなら、絶対に私の剣でぶった斬ってやるんだから」
はは、杞憂だったみたいだな。
ただ……その例外的には貴族の学園だけに現れる訳じゃないけどな。
「勿論、ラガス兄さんにだって勝つつもりだから」
「同じく!!!」
「……はっはっは!! やる気満々だな。良いぞ、二人が学園に入学したらとりあえず卒業するまで、いいくらでも勝負してやるよ」
こりゃもしかしたら、俺もうかうかしてられないかもな。
44
お気に入りに追加
3,493
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
悪役令嬢は蚊帳の外です。
豆狸
ファンタジー
「グローリア。ここにいるシャンデは隣国ツヴァイリングの王女だ。隣国国王の愛妾殿の娘として生まれたが、王妃によって攫われ我がシュティーア王国の貧民街に捨てられた。侯爵令嬢でなくなった貴様には、これまでのシャンデに対する暴言への不敬罪が……」
「いえ、違います」
だって私、悪役令嬢なんですもの(笑)
みなせ
ファンタジー
転生先は、ゲーム由来の異世界。
ヒロインの意地悪な姉役だったわ。
でも、私、お約束のチートを手に入れましたの。
ヒロインの邪魔をせず、
とっとと舞台から退場……の筈だったのに……
なかなか家から離れられないし、
せっかくのチートを使いたいのに、
使う暇も無い。
これどうしたらいいのかしら?
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる