462 / 970
上手く切り上げたが
しおりを挟む
「……四人とも、速いね」
「まぁ、戦える従者として俺たちを守るのが役目だからな……敵が現れたとなれば、即座に動くのがあいつら」
キリアさんとルーンも俺たちと一緒に生活を送るようになってから、何度も模擬戦を行うようになった。
その成果もあり、実力は順調に上がっている。
まだシュラとメリルには敵わないけどな。
「ルーフェイスは参加しなくても良かったのか?」
『ん~~~~……今回は良いかな。そこまで強そうじゃないし』
「はっはっは! 確かにルーフェイスからみたらそうかもしれないな」
グレーグリズリーのランクはD。
狼竜のルーフェイスにとってはちょっと物足りない相手か。
「ルーフェイスが戦ったら、直ぐに、終わると、思う」
「だから参加しないそうだ。ルーフェイスが戦って楽しいと思う相手はCかBランクからだからな」
今はブラックウルフの姿をしてるが、真の姿はドラゴンだ。
ドラゴンの相手を、そこら辺のモンスターが務まるわけがない、か。
「というか、守るのが仕事とか言っときながら……シュラの奴、絶対に遊んでるだろ」
俺たちを狙って襲ってきたグレーグリズリーの数は三体。
その内の一体をキリアさんとルーンが、そしてもう一体はメリルが相手をしている。
メリルは戦闘開始、速攻で終わらせた。
糸生産と操糸で一瞬だけ動きを止めた。
パワー系のグレーグリズリーなら動きを止められようとも、糸を引き千切ることぐらいわけなく行える。
だが、その止まった一瞬で宙を舞い、グレーグリズリーの首を短剣で切り落とした。
相変わらず綺麗に戦うよな。
そしてキリアさんとルーンも二対一ってのはあるけど、優位に戦いを進めてる。
ルーンが超接近戦タイプだとすれば、キリアさんはサポート出来る接近戦タイプ。
遠距離攻撃も使えるが、二人とも接近戦メインでグレーグリズリーを相手に上手く戦えてる。
防御することはあれど、有効打は全く貰ってないしな。
無粋な横やりが入らなきゃ、このまま二人が確実に勝つ。
それで、シュラだけど……やっぱ楽しんでるよな、あれ。
「シュラだったら懐に潜り込んで、魔力を心臓に叩きこめば一発で終わらせられるのに」
「ハンターとして、理想的な、倒し方。確かに、シュラなら、出来る」
「セルシアもそう思うよな。なのにそうせず、バチバチに殴り合ってる……俺だってバチバチに戦いたいよ」
よっぽど冷静なやつか、臆病な奴じゃなきゃ戦いから逃げようとしない。
逃げようとせずに……絶対に殺そうと立ち向かってくる。
そこが真剣勝負というか、モンスターとガチで戦う良いところなんだよな。
「お、キリアさんとルーンも倒し終わったか。残るはシュラだけ」
あいつ、こういう時だけは本当に手加減が上手いよな。
グレーグリズリーの限界値を引き出そうと、相手の体がボロボロにならない程度の攻撃を加えて、闘争心を更に熱くさせようとしてる。
楽しいだろうなぁ~~……でも、あんまり楽しみ過ぎてたらメリルが怒り始めるぞ、シュラ。
「ふんっ!!!!」
「おっ、ようやく終わらせたか」
魔力を拳に纏い、衝撃を心臓に伝えて破壊。
最初からやろうと思えば出来てたんだろうけど……とはいっても、時間にして数分程度。
大して時間は掛かってないし、見てるこっちも楽しんだから別に良いんだけど……メリルが怒り始める前に終わらせたって感じだな。
「シュラ、少し時間を掛け過ぎではありませんか」
「そうか? グレーグリズリーが相手なんだし、これぐらい普通だろ」
「普通の人ならばそうかもしれませんが、あなたならもっと早く倒せたでしょう」
「いや、そうかもしれないけどさ、別にそんな焦って倒す必要はないだろ」
「今の私たちはラガス坊ちゃまとセルシア様の護衛のようなもの。そして現在はリゼード家に向かう途中。その障害となる存在は素早く排除するべきでしょ」
「うっ……わ、分かったよ。次からはそうするって」
はは、さすがに正論をぶつけられると口喧嘩はシュラの完敗みたいだな
「まぁ、戦える従者として俺たちを守るのが役目だからな……敵が現れたとなれば、即座に動くのがあいつら」
キリアさんとルーンも俺たちと一緒に生活を送るようになってから、何度も模擬戦を行うようになった。
その成果もあり、実力は順調に上がっている。
まだシュラとメリルには敵わないけどな。
「ルーフェイスは参加しなくても良かったのか?」
『ん~~~~……今回は良いかな。そこまで強そうじゃないし』
「はっはっは! 確かにルーフェイスからみたらそうかもしれないな」
グレーグリズリーのランクはD。
狼竜のルーフェイスにとってはちょっと物足りない相手か。
「ルーフェイスが戦ったら、直ぐに、終わると、思う」
「だから参加しないそうだ。ルーフェイスが戦って楽しいと思う相手はCかBランクからだからな」
今はブラックウルフの姿をしてるが、真の姿はドラゴンだ。
ドラゴンの相手を、そこら辺のモンスターが務まるわけがない、か。
「というか、守るのが仕事とか言っときながら……シュラの奴、絶対に遊んでるだろ」
俺たちを狙って襲ってきたグレーグリズリーの数は三体。
その内の一体をキリアさんとルーンが、そしてもう一体はメリルが相手をしている。
メリルは戦闘開始、速攻で終わらせた。
糸生産と操糸で一瞬だけ動きを止めた。
パワー系のグレーグリズリーなら動きを止められようとも、糸を引き千切ることぐらいわけなく行える。
だが、その止まった一瞬で宙を舞い、グレーグリズリーの首を短剣で切り落とした。
相変わらず綺麗に戦うよな。
そしてキリアさんとルーンも二対一ってのはあるけど、優位に戦いを進めてる。
ルーンが超接近戦タイプだとすれば、キリアさんはサポート出来る接近戦タイプ。
遠距離攻撃も使えるが、二人とも接近戦メインでグレーグリズリーを相手に上手く戦えてる。
防御することはあれど、有効打は全く貰ってないしな。
無粋な横やりが入らなきゃ、このまま二人が確実に勝つ。
それで、シュラだけど……やっぱ楽しんでるよな、あれ。
「シュラだったら懐に潜り込んで、魔力を心臓に叩きこめば一発で終わらせられるのに」
「ハンターとして、理想的な、倒し方。確かに、シュラなら、出来る」
「セルシアもそう思うよな。なのにそうせず、バチバチに殴り合ってる……俺だってバチバチに戦いたいよ」
よっぽど冷静なやつか、臆病な奴じゃなきゃ戦いから逃げようとしない。
逃げようとせずに……絶対に殺そうと立ち向かってくる。
そこが真剣勝負というか、モンスターとガチで戦う良いところなんだよな。
「お、キリアさんとルーンも倒し終わったか。残るはシュラだけ」
あいつ、こういう時だけは本当に手加減が上手いよな。
グレーグリズリーの限界値を引き出そうと、相手の体がボロボロにならない程度の攻撃を加えて、闘争心を更に熱くさせようとしてる。
楽しいだろうなぁ~~……でも、あんまり楽しみ過ぎてたらメリルが怒り始めるぞ、シュラ。
「ふんっ!!!!」
「おっ、ようやく終わらせたか」
魔力を拳に纏い、衝撃を心臓に伝えて破壊。
最初からやろうと思えば出来てたんだろうけど……とはいっても、時間にして数分程度。
大して時間は掛かってないし、見てるこっちも楽しんだから別に良いんだけど……メリルが怒り始める前に終わらせたって感じだな。
「シュラ、少し時間を掛け過ぎではありませんか」
「そうか? グレーグリズリーが相手なんだし、これぐらい普通だろ」
「普通の人ならばそうかもしれませんが、あなたならもっと早く倒せたでしょう」
「いや、そうかもしれないけどさ、別にそんな焦って倒す必要はないだろ」
「今の私たちはラガス坊ちゃまとセルシア様の護衛のようなもの。そして現在はリゼード家に向かう途中。その障害となる存在は素早く排除するべきでしょ」
「うっ……わ、分かったよ。次からはそうするって」
はは、さすがに正論をぶつけられると口喧嘩はシュラの完敗みたいだな
45
お気に入りに追加
3,493
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
悪役令嬢は蚊帳の外です。
豆狸
ファンタジー
「グローリア。ここにいるシャンデは隣国ツヴァイリングの王女だ。隣国国王の愛妾殿の娘として生まれたが、王妃によって攫われ我がシュティーア王国の貧民街に捨てられた。侯爵令嬢でなくなった貴様には、これまでのシャンデに対する暴言への不敬罪が……」
「いえ、違います」
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる