万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
448 / 981

これ以上はもう止めて

しおりを挟む
帰りの道中に盗賊団や暗殺者が襲ってくることはなく、無事俺たちはガルガント王国へと帰ってくることに成功。

盗賊団に襲われることは仕方ないで済むかもしれないけど、暗殺者集団が仮に……万が一襲って来れば、もしかしたらアルガ王国が?
なんて疑う件に発展するかもしれないけど、俺としてはちょっと休みたい気持ちがあるので面倒事はしばらく勘弁。

いや、もしかしたらそういった連中が俺たちを狙っていたかもしれないけど、ディザスターの奴らが裏でこっそり始末していたりするか?
……絶対に無いとは言えなさそうだけど、仮にそんな奴らが俺たちを襲おうとしてたら一報寄こすよな。

つまりそれがないってことは、厄介で面倒そうな裏の人たちが俺たちを狙っていたってことはなさそう……って考えて良さそうだな。

「ラガス、難しそうな顔して、何考えてるの?」

「ん? そんな大したことは考えてないよ」

「大したことなくても、気になる」

「そ、そうか」

気になるんだったら教える。
ただ、セルシア……ちょっと顔が近い。
女子特有の良い匂いが漂ってくる。

興奮するとかそういうんじゃないんだが……とりあえずちょっと離れてほしい。

「俺たちがガルガント王国に戻るまで、暗殺者集団とかが襲ってくることはなかっただろ」

「そう、だね。一度も、なかった」

「もしそんな集団が一度でも襲って来れば、物凄く面倒な件に発展しただろうな~~、って思ったんだよ」

盗賊団であれば、単純に眼に入った獲物を狙って襲う。
裏で誰かに頼まれて襲うって可能性は否定出来ないけど、そうじゃないって可能性の方がやや高い……気がする。

「ラガス坊ちゃまがおっしゃったことが実際に起れば、王族の意志があったなかった関係無しに国際問題へ発展しますね」

だよな~~~。
メリルがそう言うなら、間違いなくそこまで面倒な問題に発展するんだろうな。

他の皆もうんうんって頷いてるし。

「馬鹿なことを考えて暴走するような貴族がいなくてラッキーだったな」

「そもそもな話、王族である馬鹿王子が暴走していましたけどね」

「……ま、まぁ確かにそうだな」

今回の元凶である第三王子……紛れもなく、あいつが暴走しなければわざわざ夏休み中にアルガ王国へ行く必要なことはなかった。

「結局、最後まで、暴走して、た」

「そ、そうだな……案外、その話が早く広まっていたのかもしれないな」

アルガ王国のことに関して詳しく知らないが、多少なりとも第三王子を次期国王に推す派閥があってもおかしくない。
俺と第三王子がぶつかったと知れば、何かしらアクションを起こして優位な状況に持っていこう……なんて考える人たちがいても不思議じゃないよな。

それとも、パートナー関係である俺らをほぼ強制的に呼び寄せたことで、さすがに今回はできることが一切ないと判断したか?

「なにはともあれ、決闘? が終わった後に面倒なことが起きなくて良かったなって思ってたんだ。大抵の敵が襲ってきてもこの面子なら問題無いだろうけど」

並みの連中であれば、俺たちに辿り着く前にディザスターたちが始末するし……いや、並みより上の連中であってもあいつらなら始末できるか。

それに……万が一、俺たちに辿り着いたとしてもドレッグさんたちやフェリスさんがいるし、ターゲットである……俺? が死ぬことはまずない。

「アルガ国王としては、これ以上問題を起こしたくない……というより、恥を晒したくないでしょうね」

「最後に第三王子が王城内で魔法を使って暴れ始めたのは驚いたっす。マジックアイテムを身に着けていない第三王子なら、余裕で兵士や騎士たちに捉えられる筈なのに」

……そうか。マジックアイテムを身に着けてたら優秀な王族であっても、王城で務める兵士ならさらっと捉えられるか。

でも、爆撃音は直ぐに止むことはなかったし……とりあえずまずは話し合いで抑えようと思ったのか?
国に仕える兵士や騎士なら仕方ないのかもしれないけど……大変だな~~~。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

完)まあ!これが噂の婚約破棄ですのね!

オリハルコン陸
ファンタジー
王子が公衆の面前で婚約破棄をしました。しかし、その場に居合わせた他国の皇女に主導権を奪われてしまいました。 さあ、どうなる?

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...