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歴代最速の速さで

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「お疲れ様、シュラ」

「うっす。いやぁ~~~~、やっぱり現役の騎士様は強いっすね」

「元騎士でもない執事にそう簡単には負けられねぇよ」

ふむ。やっぱりオルアさんにもドレッグさんと同じく、騎士としての誇りやプライド? みたいなものがあるんだな。

良い意味でのプライドや誇りで安心できるけど、これが悪い意味でめんどくさいプライドや誇りを持ってる人だったら、旅の途中で延々と喧嘩してただろうな。

ガルガント国王もそこら辺は考慮して護衛を選んでくれたとは思うけど。

「ただ、やっぱり騎士に成りたてのひよっことかた比べたら、やっぱり上だろうな」

「おっ、良かったなシュラ。現役騎士のお墨付きだ」

「そうっすね。騎士に成りたての人たちが聞けば、とんでもなく恨めしそうな視線を向けられそうっす」

た、確かにそれはそうかもしれないな。

これからひよっこ騎士に会う可能性がゼロではないし、シュラの実力とかをオルアさんたちが近衛騎士団で話すこともあるだろうから、たまたま遭遇したひよっこ騎士にそういった視線を向けられる日も遠くないか。

「……普通に考えればあり得ないんだけどな。やっぱり、ラガス君よる英才教育の効果か?」

「英才教育と呼ばれるようなことはしてませんよ」

ただ、基本的に毎日鍛錬と実戦を繰り返す。
それを何日何十日、何百日と続けてきた。

……寧ろ、シュラがここまで強くなったのは本人の才能による点がそれなりに大きい。
確かに他の人間が子供の頃から鍛錬と実戦を繰り返す様な危ない生活を送っていれば、まぁまぁ強くなれる。

でも……シュラほどの実力を身に着けるには、やはり才能という生まれ持った力がなければ、現時点まで辿り着くのに生半可な努力では到達できない。

シュラが努力してないって訳じゃないんだけどな。

「そうかもしれないが、それでもシュラの力は並ではない。全力ではないとはいえ、模擬戦を行ったからこそ解る」

「私もそこに関しては同意見ですね。ラガス殿より年齢は上ですが、それでも桁外れの力を持っていることに間違いはないでしょう」

二人とも随分と褒めてくれるな。
まぁ、自分の執事が褒められるのは悪い気しないけど。

「ただ……セルシア殿に関しても、やはり驚かされますね」

「そうですね」

現在は俺たち四人の前で、セルシアとサリナさんが模擬戦を行っている。
俺は転生者だから自分の力を即座に理解し、おそらく生物の中で最も早い段階から鍛錬を行っている……シュラとメリルに関しては他者と比べて、並み以上の才能は持ってるだろう。

それでも、他の子供と比べれば割と早い段階から少々無茶な鍛錬を続けている。

しかしセルシアはそんな俺たちと比べて、英才教育は受けてきたかもしれないけど、無茶なトレーニングや実戦は繰り返してきてなかった。

「紫電崩牙を報酬として頂いたので、もう学生では相手にならないかもしれませんね」

「あの一品を使ったらそうなるのは確実だ。でも、あれを使わずともサリナと良い感じに斬り合ってるし……学生の中でもトップクラスの連中じゃなきゃ、話にならないだろうな」

「オルアの言う通りですね……ラガス殿とシュラ殿、そしてメリル殿。そこに加えてセルシア殿が加われば、歴代最速のスピードでハンターランクを駆けあがるでしょう」

正確には、そこにルーフェイスも加わる。
ルーフェイス自身にハンターランクを与えることは出来ないけど、従魔だから俺たちの一戦力としてハンターギルドはぁ捉えるはず。

それを考えると、歴代最速のスピードでランクを上げるのも現実味がありそうだな。
特に実力を隠してとかは考えてないし……というか、大会に参加した時点でそれは無理があるって話だよな。

獣、鬼、竜魔法は最大の切り札だから、人前ではあまり使わないってスタイルは変わらないけど、他は周囲の目を気にすることなく使えば……とりあえず戦闘の腕に関しては良い評価を貰えそうだ。
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