394 / 954
辞めたいとは思わない
しおりを挟む
「ラガスは……学園を早く卒業したいと思わないのか」
「いや、特に思ってないけど……なんでだ?」
「お前は無意識から意識的にかは分からないが、厄介事に巻き込まれやすいタイプだろ」
「まぁ……そうだな」
大体向こうからやって来て、俺が喧嘩を買ってしまうパターンだな。
「厄介事が続いたら、自然と学校を辞めたくなる気がするんだが」
「そうかもしれないけど、俺の場合はセルシアがいるからな……厄介事が続いて起きそうだから、一緒に学校を辞めてくれなんて言えないだろ」
「……確かにそうだな」
というか、セルシアが首を縦に振ってくれても流石に公爵様が許さないだろ。
学園を卒業して一緒にハンターとして活動するのは良くても、一緒に自主退学するのはアウトだ。
「厄介事はうんざりする時があるけど、なんだかんだで解決するからな」
腕力で解決出来る時もあれば、パートナーであるセルシアの実家の力で解決する場合もあるだろう。
相手が面倒な輩であれば……ディザスターの力を使えば、最終的にはなんとかなる筈だ。
王都で最強の暗殺ギルドだからな。
……何故か俺がマスターになってしまったけど。
「ラガスなら、大抵のことは己の力だけで解決出来そうだな」
「模擬戦とか決闘で済むなら話は早いな。ただ、大抵の奴は親に泣きつこうとする」
「……いるな、そういうクソみたいな馬鹿は」
はっはっは、中々辛辣な言葉だな。
ただ、その感想には同意だ。
「しかし、大抵の奴はロウレット家当主の力を恐れる。そうなれば、結局俺には何もできずに終わるんだよ」
「公爵家に逆らおうとする当主は殆どいないだろうな……いるとすれば、ロウレット家を公爵の椅子から蹴落としたいと考えている愚か者ぐらいだろう」
そういった連中がいる可能性もゼロではない、か。
公爵家ぐらい高い地位に座り続けていると、無意識に恨みを買ってそうだしな。
ただ、そう簡単に蹴落とせるほど甘い存在じゃないだろ。
「ただ、ラガス。もし……仮にだが、公爵家よりも上の存在がお前に喧嘩を売ってきたらどうするつもりだ」
公爵家よりも上の存在が……俺に喧嘩を売る?
いったいそれはどういう状況だ??
「いやぁ~、それはちょっとあり得なくないか。俺は特にそういった人達から恨みは買ってないと思うけど」
「上ではないが、イーリス・リザードからは恨みを買っているのではないか?」
「……そういえばそうだったな」
最近はリーベとライド君の決闘で頭が一杯だったから、存在が脳内から消えてた。
恨みは確実に勝ってるだろうな。
ただ、あいつ個人で出来ることなんてしれてるだろ。
それにあいつの親父さんとは和解というか、仲良く? なった気がするし……うん、どうこうしてくることはないな。
「それか……王族、とかだな」
「おいおいおい、ちょと待て。俺は大会の時にしか国王様と会ってないぞ。それに大した会話もしていないし……お互いに何かしらの感情を持つほどの親交がないって」
王族と喧嘩とか、それはマジでシャレにならな過ぎる。
「仮に、の話だ。そこまで本気で捉えるな」
「お、おう……でも、マジでそんなことが起こったら流石に怯むというか、どうしたらいいか迷うな」
父さんには勿論だけど、カロウス兄さんにも迷惑が掛かる。
基本的には避けたい相手だ。
「そうか、流石のラガスでも王族相手にはそうなるか」
「いや、だって王族だぞ。さすがに俺も叩き潰したりなんて出来ないって」
仮に意見がぶつかったとしても、なるべく穏便に済ませたい。
というか、そもそも必要最低限しか関わりたくない。
「……発想がそもそもぶっ飛んでるな」
「いや、だって喧嘩を売られたら普通は二度と変な気を起こさないようにぶっ飛ばすもんだろ」
「二度と逆らえないように、そう考えるとぶっ飛ばす方が正しいか……もう少し手のかかる方法は取らないのか?」
「俺に細かいことは向いてないな」
情報で相手を脅すなら、ディザスターの連中に手を借りれば良いだけだが……ぶっ飛ばして終わるなら、それが一番良い。
超スッキリするしな。
まぁ……厄介事なんて絡まれないのが一番なんだけどな。
「いや、特に思ってないけど……なんでだ?」
「お前は無意識から意識的にかは分からないが、厄介事に巻き込まれやすいタイプだろ」
「まぁ……そうだな」
大体向こうからやって来て、俺が喧嘩を買ってしまうパターンだな。
「厄介事が続いたら、自然と学校を辞めたくなる気がするんだが」
「そうかもしれないけど、俺の場合はセルシアがいるからな……厄介事が続いて起きそうだから、一緒に学校を辞めてくれなんて言えないだろ」
「……確かにそうだな」
というか、セルシアが首を縦に振ってくれても流石に公爵様が許さないだろ。
学園を卒業して一緒にハンターとして活動するのは良くても、一緒に自主退学するのはアウトだ。
「厄介事はうんざりする時があるけど、なんだかんだで解決するからな」
腕力で解決出来る時もあれば、パートナーであるセルシアの実家の力で解決する場合もあるだろう。
相手が面倒な輩であれば……ディザスターの力を使えば、最終的にはなんとかなる筈だ。
王都で最強の暗殺ギルドだからな。
……何故か俺がマスターになってしまったけど。
「ラガスなら、大抵のことは己の力だけで解決出来そうだな」
「模擬戦とか決闘で済むなら話は早いな。ただ、大抵の奴は親に泣きつこうとする」
「……いるな、そういうクソみたいな馬鹿は」
はっはっは、中々辛辣な言葉だな。
ただ、その感想には同意だ。
「しかし、大抵の奴はロウレット家当主の力を恐れる。そうなれば、結局俺には何もできずに終わるんだよ」
「公爵家に逆らおうとする当主は殆どいないだろうな……いるとすれば、ロウレット家を公爵の椅子から蹴落としたいと考えている愚か者ぐらいだろう」
そういった連中がいる可能性もゼロではない、か。
公爵家ぐらい高い地位に座り続けていると、無意識に恨みを買ってそうだしな。
ただ、そう簡単に蹴落とせるほど甘い存在じゃないだろ。
「ただ、ラガス。もし……仮にだが、公爵家よりも上の存在がお前に喧嘩を売ってきたらどうするつもりだ」
公爵家よりも上の存在が……俺に喧嘩を売る?
いったいそれはどういう状況だ??
「いやぁ~、それはちょっとあり得なくないか。俺は特にそういった人達から恨みは買ってないと思うけど」
「上ではないが、イーリス・リザードからは恨みを買っているのではないか?」
「……そういえばそうだったな」
最近はリーベとライド君の決闘で頭が一杯だったから、存在が脳内から消えてた。
恨みは確実に勝ってるだろうな。
ただ、あいつ個人で出来ることなんてしれてるだろ。
それにあいつの親父さんとは和解というか、仲良く? なった気がするし……うん、どうこうしてくることはないな。
「それか……王族、とかだな」
「おいおいおい、ちょと待て。俺は大会の時にしか国王様と会ってないぞ。それに大した会話もしていないし……お互いに何かしらの感情を持つほどの親交がないって」
王族と喧嘩とか、それはマジでシャレにならな過ぎる。
「仮に、の話だ。そこまで本気で捉えるな」
「お、おう……でも、マジでそんなことが起こったら流石に怯むというか、どうしたらいいか迷うな」
父さんには勿論だけど、カロウス兄さんにも迷惑が掛かる。
基本的には避けたい相手だ。
「そうか、流石のラガスでも王族相手にはそうなるか」
「いや、だって王族だぞ。さすがに俺も叩き潰したりなんて出来ないって」
仮に意見がぶつかったとしても、なるべく穏便に済ませたい。
というか、そもそも必要最低限しか関わりたくない。
「……発想がそもそもぶっ飛んでるな」
「いや、だって喧嘩を売られたら普通は二度と変な気を起こさないようにぶっ飛ばすもんだろ」
「二度と逆らえないように、そう考えるとぶっ飛ばす方が正しいか……もう少し手のかかる方法は取らないのか?」
「俺に細かいことは向いてないな」
情報で相手を脅すなら、ディザスターの連中に手を借りれば良いだけだが……ぶっ飛ばして終わるなら、それが一番良い。
超スッキリするしな。
まぁ……厄介事なんて絡まれないのが一番なんだけどな。
39
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる