万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか？

久しぶりの再会

特訓が始まってから二週間目の休日、実戦が終わってからリーベとは別れて行動していた。
シュラとメリルも用事があるので現在は俺とルーフェイスのみ。

『二人で街を散策するのは初めてだね！！』

『そうだな。まだ日が暮れるまで時間がある。のんびりと散策しよう』

腹一杯にならない程度に露店で飯をつまむ。
金はそこそこあるからいくら買っても懐は痛くない。

まぁ……周りから視線を多く向けられてるのはちょっと鬱陶しいが、絡まれる気配はない。

ただ、ちょっと面倒な視線も感じるな。
ディーザスの連中がいるから大丈夫だとは思うが、一応警戒しておくか。

「あれ、ラガスじゃねぇか」

この声は……ザックスじゃねぇか。
てことは、隣にいるのはレイアとミリアか。

「久しぶり、ラガス。元気にしてた？」

「久しぶりだね、ラガス君」

「三人とも久しぶりだな」

三人がここにいるってことは、ハンターを育成する学園に受かったってことだな。

「お前が出場していた大会はバッチリ観てたぞ。むちゃくちゃ大活躍だったじゃねぇか！！！」

「ザックスの言う通り、対戦相手を圧勝していた……あんな戦い方、私達には出来ないわ」

「戦い方を学ぶのが早かったからな」

つっても、三人はそこそこ才能があって比較的戦い方を学ぶのも早かったから同級生と比べてかなり上を行ってると思うけどな。

「ザックス達だって学校では優秀な部類なんだろ」

「ふっふっふ……実はだな、入学試験の成績が優秀だったから特待生に選ばれたんだよ！！！」

「へぇ～～、そりゃ本当に凄いな」

特待生ってそれなりの実力が無かったら勝ち取れない枠だ。
優秀だとは思っていたが、本当に優秀だったみたいだな。

「俺だけじゃなくてレイアとミレアも特待で受かったんだぜ！！！」

「マジか、皆優等生じゃん。特待生の枠って少ないだろ」

「五人よ。今年は私達と平民の男子が一人と貴族の令嬢が一人よ」

……特待を平民が四人も占めてるって中々ヤバくないか？？
俺の予想が合ってれば絶対に貴族組に絡まれると思うんだが。

「そっか……変な奴らに絡まれたりしてないか？」

「貴族の子息には絡まれたな。俺がお前より下なんてあり得ない、決闘だ！！！　って言われて決闘する事になった」

そ、そうなのか。
やっぱりそっちもそっちで結構苦労してたんだな。

「こんな大通りで立ち話するのもあれだし、カフェの中でも入ろうか」

「それは嬉しいけど、私達そこまでお金は持っていないけど……」

三人が在籍している学園には生徒が受けられるクエストがあり、それをクリアすれば報酬金が貰える。
ザックス達は今のところ三人と同じ特待生をゲットした男子学生と一緒にパーティーを組んで依頼を受けているが、そこまで金に余裕がある訳じゃない。

「大丈夫だって、今日は俺が奢るよ。三人が特待で受かったって記念にさ」

「マジで！？　よっしゃ！！」

「ザックス、喜ぶのは良いけどカフェなんだからがっつり食べられるようなメニューは無い筈よ」

「ありがとう、ラガス君。ちゃんと働けるようになったら何か返すね」

「気長に待ってるよ、ミリア。それじゃ、さっさと行こうぜ」

王都には多くのカフェがあるので手頃な店は直ぐに見つけられた。
そして中に入り、適当にメニューを頼んでから会話を再開。

「それで、ザックスはその決闘も申し込んできた奴に勝ったんだよな」

「おう、勿論だぜ！！　まず身体強化のアビリティを使て詰めて寄って、殴ると見せかけて脚を刈る。そんで倒れたところで腹を顔面に拳をぶっこんでやったんだ！！」

「はっはっは、良いじゃねぇか！！！　やっぱり絡んでくる奴はぶっ飛ばした方が気持ちいよな」

「そうなんだよ。もしかしてラガスもぶっ飛ばしたのか？」

「俺は……そうだな。ちょっと色々あって決闘にはなったな。そういえな二人はどうなんだ？　そっちの学園にも貴族の令嬢はそこそこいるんだろ」

「私達もザックス同じような感じよ。結局私達が勝ったけど」

やっぱりそうだよな。貴族の子供が平民の子供に明確な形で抜かれたらプライドは当然傷付く。
そしてら決闘騒ぎにまで流れるのが一連の動きだよな。