万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
349 / 983

一か月の内容

しおりを挟む
「そういう訳だから、二人にも付き合ってもらって良いか」

「全然構わないっすよ。超面白そうなんで」

「そうですね……私もシュラと同じく面白そうという気持ちが強いので、リーベさんの特訓にお付き合いします」

多分手伝ってくれるだろうとは思っていたが、随分とあっさり了承してくれたな。
二人共友達と遊んだり等の用事が多少はあると思っていたんだが……最悪俺一人でも大丈夫だし、そこはキッチリ伝えとかないとな。

「二人共同級生から何か誘われたりしたらそっちを優先して良いんだからな」

「あぁーー……了解っす。でも、ラガスさんが同級生から受けた依頼、本当に面白そうじゃないっすか。だからそれを手伝いたいって気持ちが強いっす」

「そうですねぇ~……お誘いを全て断りはしないと思いますが、やはり小説でしか聞かないような話が身近に寄ってきた分かれば、そちらを優先したくなります」

うん、二人の気持ちはちょ~良く解る。
俺も異世界だからこういった婚約騒動の話はどこかで起きてるんだろうなとは思ってたけど、こうやって自分の元に騒動を解決するために力を貸して欲しいって依頼が来るとは全く思ってなかった。

あっ……俺がジークとセルシアの婚約を結果的に破棄したあれは……しょうがないよな?
俺が望んでああなった訳じゃない。それにジークとは騒動って言うほどことが大きくなってないし。

「二人の気持ちは良く解った。まっ、好きな様にしてくれ。それでリーベには既に伝えてるんだが、平日はここで俺達三人でリーベの訓練に付き合う。そして休日は街の外に出てモンスターと実戦訓練だ」

「訓練してから成果を実戦で発揮するって流れを重ねるんすね」

「基本的にはそれが一番効果的だと思うからな。訓練に関しても模擬戦を重ねて……俺は魔弾の操作も教えてって感じだな」

一か月の間にどれだけ伸びるかは解らないけど、リーベの眼はマジで本気だった。
順調に進めばそこそこパワーアップする筈だ。

ただ……ちょっと主人公気質な幼馴染君のことを考えるとトレーニングだけの成果では少々不安が残るな。

「いきなり難しい顔になったっすけど、何か問題でもあるんすか?」

「問題……確かに問題かもな。説明に出て来た幼馴染君は少し主人公気質なところがあるんじゃないかって思ってな」

「主人公気質と言いますと、気持ちの強さで戦闘中にも拘わらず急激に強くなる……といった内容ですか?」

「そう、それだ。俺の考え過ぎかもしれないが、そういった現象が起こる可能性もある。俺の考え過ぎかもしれないけど……用心しておいて損はないだろ。主人公気質な奴じゃなくても特待生で入学してるんだし、実力は確かだろ」

「そうですね……特待生ともなると、並みの貴族の子息や令嬢では敵わないかもしれない。それを考えれば手札をいくつか用意しておいた方が良さそうですね」

メリルの言う通り、いくつか手札が必要だ。
魔弾の操作だって上達速度によっては良い手札になる。

それと扱う武器も何か特殊効果がある魔剣が好ましい。

「武器に関しては既に良い者を持っているならそのままで良いんだが、場合によってはリーベの財力で何とかした方が良いかもな」

「……そこで差を付けても良いんすかね?」

「貴族と平民だからそういったところは平等にした方が良いってことか?」

「そんな感じっす。それでも勝っても戦った本人とその婚約者が納得するかが心配というか……」

ん~~~……武器の性能で勝ったとしてもアザルトさんの方は変えに出さないけど、納得はしなさそうだな。
でも、ハンターの道を進むならやっぱろお金は重要なんだと気付き、そこまで不屈にはならないか?

リーベに関してはそこら辺は納得してくれそうだけどな。
そういう手も使わなければならないってのは解ってそう……だと思う。

「リーベの目的は幼馴染君に勝ってアザルトさんとの縁を切らせることだ。そこを躊躇するようなヘタレじゃないだろ。それに良質な物を身に着けるのは剣だけだ」

「そうっすね。財力も手札のうちってことっすよね」

「あんまり派手な物は用意しない方が良いかもしれないが、状況を変える一手になるのが好ましい」

この決闘の結果がとうなろうとも俺達に殆ど影響は無いけど、鍛えたりアドバイスするからにはやっぱり勝って欲しいから出来る限りのことはやらないとな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

処理中です...