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弱くない、ただ相手が強過ぎだ
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……もう、何分経った?
五分ぐらいは戦ったか? よく解からないな。
でも、それだけ充実した戦いをしてるってのは解る。
つーーか、この人本当に強い。魔力量もクレア姉さんよりちょい上か?
俺が全力じゃなくてセーブしてるってのもあるけど、思ったより決着が着かない。
というより、ラージュさんが全く諦めない。
「ふぅーーーー、そろそろ……終わりにしませんか」
「あら、あなたが負けてくれるのかしら?」
「いいや、そのつもりはありません」
降参っていう選択肢は絶対に無いって感じか。
ここまで良い戦いが出来たんだから誰も攻めることは無いと思うんだが……ラージュさんのプライドがそれを許さないのかもな。
「でしょうね、それなら本気で戦ったらどう?」
「……潰れても、文句は無いと」
確かに俺は本気で戦っていない。それはラージュさんも解っているみたいだ。
延々と中・近距離戦を続けているが、俺は殆ど息切れをしていない。
それに対し、ラージュさんのスタミナは殆ど切れかけている。
それだけでもどちらが優勢で、まだ俺が全力では無いという事が解る人には解かる。
「そうね、あなたに手加減されても負ける……そっちの方がよっぽど屈辱的な負け方ね」
……腹は決まってるって訳か。
それじゃ、ギリギリの範囲で潰しにいくか。
「うおおぉぉおおおおおおおおおおおーーーーーーーーッ!!!!!!!」
天に吼えるように雄叫びを上げる、獣の様に、鬼の様に……竜の様に吼える。
その瞬間、今までの感覚を切り離して相手を潰す為だけの思考に変えた。
纏っていと闘気に自然と魔力が混ざり、魔闘気となる。
「いくぞ」
自分でも解る、声が低くなっている。
生徒から狩人に変わった。
「ぐッ!!!」
その場から一脚でラージュさんとの距離を縮め、側頭部に向かって蹴りを放つ。
ギリギリ反応したが、ウィンドバリアを唱えている余裕はないようで、杖でガードされた。
結構マジで蹴ったんだが、それでも折れないか……耐久力にも優れた杖って事か。
でも、まだまだこっからだ。
「ふんッ!!!」
「ガっ!?」
「お、らっ!!」
直ぐに距離を詰めて左拳をボディに入れ、右腕でラリアットをぶちかます。
今の俺の腕力をラージュさんが耐えられる訳が無く、軽く吹っ飛ぶ。
「魔弾」
追撃に両指で魔弾を放つ。
「ウィンドバリア!!!」
あら、防がれてしまったか。
けどもう目の前なんだよな。
「シッ!!!!」
「ッ!!??」
腹の一掌前で掌を叩き込み、衝撃で弾き飛ばす。
さて……そろそろ終いだな。
「連撃拳」
飛んだラージュさんに向かって連続で右ストレートを空に打ち付け、衝撃波を与えた。
今度はウィンドバリアも間に合わず、全ての衝撃を食らってリング外へと吹っ飛んだ。
そして審判がテンカウントを始める。
もう十分に楽しんだ、時間も学園の上の連中が満足する程戦っただろう。
だから……もう良いだろ。
リース会長視点
「ありゃ終わったな」
「そう、ね。もう無理でしょうね」
「ラガスの、勝ち」
「・・・・・・」
傑物、その一言だろうね。
あまりにも強過ぎる。
ラージュが弱い訳じゃない。
アリクには悪いが、二人が戦った時よりも今のラージュの方が実力を出し切れている気がする。
本当に……少し恐怖を感じる程に強い。
私も強い部類だと思っている。ただ、一年生の頃から今のような実力を身に着けていたはいなかった。
なのにラガス君は一年生の段階でラージュを圧倒する程の実力を身に着けている。
「これから先二年間、ラガス君とセルシアさんがいるからシングルスとダブルスの優勝は揺るがないようだ」
「そりゃそうだろうな。三年生を圧倒する一年がこれから更に強くなる。てか、全力を出していないのにも関わらずあの結果だ。どの学園もシングルスで優勝するのは不可能だと諦めるだろうな」
「あれだけ吼えていても、倒すという範疇で留まっている。ラガスにとって、レーシアさんは全力で仕留めに掛かるには値しない、ということね」
その通りだろう。確かに彼は天に向かって吼えた。
だが、それと同時に剣を鞘に入れて素手と魔弾だけで勝負に出た。
何度も思う、ラージュが弱い訳では無い。
ラガス君が強過ぎるんだ。
五分ぐらいは戦ったか? よく解からないな。
でも、それだけ充実した戦いをしてるってのは解る。
つーーか、この人本当に強い。魔力量もクレア姉さんよりちょい上か?
俺が全力じゃなくてセーブしてるってのもあるけど、思ったより決着が着かない。
というより、ラージュさんが全く諦めない。
「ふぅーーーー、そろそろ……終わりにしませんか」
「あら、あなたが負けてくれるのかしら?」
「いいや、そのつもりはありません」
降参っていう選択肢は絶対に無いって感じか。
ここまで良い戦いが出来たんだから誰も攻めることは無いと思うんだが……ラージュさんのプライドがそれを許さないのかもな。
「でしょうね、それなら本気で戦ったらどう?」
「……潰れても、文句は無いと」
確かに俺は本気で戦っていない。それはラージュさんも解っているみたいだ。
延々と中・近距離戦を続けているが、俺は殆ど息切れをしていない。
それに対し、ラージュさんのスタミナは殆ど切れかけている。
それだけでもどちらが優勢で、まだ俺が全力では無いという事が解る人には解かる。
「そうね、あなたに手加減されても負ける……そっちの方がよっぽど屈辱的な負け方ね」
……腹は決まってるって訳か。
それじゃ、ギリギリの範囲で潰しにいくか。
「うおおぉぉおおおおおおおおおおおーーーーーーーーッ!!!!!!!」
天に吼えるように雄叫びを上げる、獣の様に、鬼の様に……竜の様に吼える。
その瞬間、今までの感覚を切り離して相手を潰す為だけの思考に変えた。
纏っていと闘気に自然と魔力が混ざり、魔闘気となる。
「いくぞ」
自分でも解る、声が低くなっている。
生徒から狩人に変わった。
「ぐッ!!!」
その場から一脚でラージュさんとの距離を縮め、側頭部に向かって蹴りを放つ。
ギリギリ反応したが、ウィンドバリアを唱えている余裕はないようで、杖でガードされた。
結構マジで蹴ったんだが、それでも折れないか……耐久力にも優れた杖って事か。
でも、まだまだこっからだ。
「ふんッ!!!」
「ガっ!?」
「お、らっ!!」
直ぐに距離を詰めて左拳をボディに入れ、右腕でラリアットをぶちかます。
今の俺の腕力をラージュさんが耐えられる訳が無く、軽く吹っ飛ぶ。
「魔弾」
追撃に両指で魔弾を放つ。
「ウィンドバリア!!!」
あら、防がれてしまったか。
けどもう目の前なんだよな。
「シッ!!!!」
「ッ!!??」
腹の一掌前で掌を叩き込み、衝撃で弾き飛ばす。
さて……そろそろ終いだな。
「連撃拳」
飛んだラージュさんに向かって連続で右ストレートを空に打ち付け、衝撃波を与えた。
今度はウィンドバリアも間に合わず、全ての衝撃を食らってリング外へと吹っ飛んだ。
そして審判がテンカウントを始める。
もう十分に楽しんだ、時間も学園の上の連中が満足する程戦っただろう。
だから……もう良いだろ。
リース会長視点
「ありゃ終わったな」
「そう、ね。もう無理でしょうね」
「ラガスの、勝ち」
「・・・・・・」
傑物、その一言だろうね。
あまりにも強過ぎる。
ラージュが弱い訳じゃない。
アリクには悪いが、二人が戦った時よりも今のラージュの方が実力を出し切れている気がする。
本当に……少し恐怖を感じる程に強い。
私も強い部類だと思っている。ただ、一年生の頃から今のような実力を身に着けていたはいなかった。
なのにラガス君は一年生の段階でラージュを圧倒する程の実力を身に着けている。
「これから先二年間、ラガス君とセルシアさんがいるからシングルスとダブルスの優勝は揺るがないようだ」
「そりゃそうだろうな。三年生を圧倒する一年がこれから更に強くなる。てか、全力を出していないのにも関わらずあの結果だ。どの学園もシングルスで優勝するのは不可能だと諦めるだろうな」
「あれだけ吼えていても、倒すという範疇で留まっている。ラガスにとって、レーシアさんは全力で仕留めに掛かるには値しない、ということね」
その通りだろう。確かに彼は天に向かって吼えた。
だが、それと同時に剣を鞘に入れて素手と魔弾だけで勝負に出た。
何度も思う、ラージュが弱い訳では無い。
ラガス君が強過ぎるんだ。
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