上 下
317 / 950

宣伝になる

しおりを挟む
「……お前達がハンターとしてパーティーを組めば……いいや、結構俺達と似た感じか」

「そうか? そんな事は……いや待て、確かにそうかもしれない」

俺のメイン武器は魔弾だが、ぶっちゃけ接近戦の方が戦っていて気分が良いという感覚はある。
そしてシュラは言わずもがな接近戦がメインの戦闘スタイルだ。遠距離攻撃が出来ないって訳じゃ無いが、それでも前に出て戦う性格だ……うん、絶対に前衛だ。

「メリルは光栄に見えるかもしれないが、実際は前衛……いや、中間か? とりあえず、完全な後衛タイプじゃ無いだろ」

「そうだな。接近戦もしつつ、一歩下がって搦手を使って仕留めるって戦い方だろうな」

そしてセルシアに関しては……やっぱり接近戦がメインだよな。
魔法の腕に関してはイーリス程では無いが、十分に高い実力を持っている。
けど、セルシアも俺と同じく接近戦で戦っている方が気分が良いタイプの筈だ。

てか……パーティーの人数を考えればもしかしてルーンさんとキリアさんが付いて来ないって可能性があるのか?

……正直言って、俺はそこまで仲が良いという訳では無い……でも嫌いではない。寧ろ好感が持てる相手だ。
まっ、そこら辺はおいおい決めるだろう。

「それに、お前にはルーフェイスという従魔もいるんだろ」

「あぁ、自慢の仲間だ。言っとくけど、マジで強いからな」

「お前がそこまで自慢する仲間が弱いとは思えねぇーよ。分かってはいたが、お前のパーティもルーキー離れし過ぎだろ」

「お互いさまって事だな。とりあえず、今は未来のハンター生活より目の前の団体戦だけどな」

大会ラストの部門。
学校全体の実力を示す種類の大会って言っても良いかもな。

もしかしたら……そこで真打ち登場的な生徒が現れる可能性もあるか?

「団体戦なぁ……お前はどういう結果になると思う」

「どうって言われてもなぁ……正直、負ける気は一切しないな。それ程までに完璧な布陣だろ」

俺とセルシアにクレア姉さんとアリク、そしてリース会長とサルネさんにリア・グレーシアさん。
リア・グレーシアさんもシングル戦を見る限り、相当強かった。

正直、クレア姉さんだけは接近戦と遠距離戦が出来るけど、ニ・八ぐらいで遠距離戦よりの実力だ。
だから組み合わせが悪ければ……いいや、クレア姉さんのことだからきっと何か策は考えてるか。

「俺もそう思う。お前のパートナーも大概埒外だからな」

「……まっ、強いっていう事は事実だ」

団体戦だから三勝すれば勝ちだ。
一応五人共戦うみたいだが、三試合とも五勝する気が……それはちょっと調子に乗り過ぎか。

「団体戦のみに出場するって人はいるの?」

「……団体戦は、ある意味シングルやダブルスよりも優勝の勝ちが高い大会だ」

「学校の総力戦だからってこと?」

「そういう事だろうな。だから、学校側から生徒に頭を下げて団体戦に出てくれないかと申し出る場合もあるそうだ」

あぁ~~~、なるほど。
生徒の中にはシングルスやダブルスだけに集中したいって生徒もいるだろうからな。

そういった事情を考えれば、学校側が生徒に頭を下げる状況になる、か。

「団体戦は三戦行われるが……とりあえずお前とリースの勝ちは確定だ」

「断言する程か」

「断言する程、お前ら二人の実力は飛び抜けている。勿論、戦うであろう相手は本気で挑んでくるだろう。その一戦の為だけに最高の武器を用意するかもしれない」

そ、そこまで……家からのプレッシャーとかを考えれば、そこまでするのは当たり前か。
ただ……こっちも武器の性能で負けるつもりは無いけどな。
アブストラクト……あの魔剣の性能はバランスが良い。そして普通に相手に刺さる。

「そんでお前のパートナーだ。あれは三年生の目から見ても十分な脅威だ。てか、お前とあれだけバチバチに戦ってる時点で三年生の大半は絶対に勝てないと思って心が折れる」

「色んな点から見てもそうだろうな。とりあえず、それで三勝ってところか?」

「そういうことだ。後は俺ら三年が頑張ればストレートで勝てる。辛勝と圧勝では印象が違うから、学校側としては全勝してくれと思ってんだろうな」

学校の宣伝としてはそういう思いがあるか……シングルスとダブルスの結果だけでも十分だと思うけど。

「まっ、俺達が本気を出せば問題無く勝てるだろ」

「……ふっ、言ってくれるな。まぁ……負けるつもりは一切無いけどな」

だろうな。クレア姉さんも同じ事を考えてそうだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない

猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。 まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。 ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。 財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。 なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。 ※このお話は、日常系のギャグです。 ※小説家になろう様にも掲載しています。 ※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。 異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

処理中です...