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偏るかも

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「なるほどね、確かにその二人が混ざると強敵だな」

「だろ……でも、お前なら勝てるだろ」

「……王道も邪道も俺の手札にはあるからな」

ただ、あの二人が持つ才が混ざったって考えれば……普通に恐ろしい。
それ程に、イーリス・リザードとクロウザが持つ才と重ねた努力は一般人の普通の努力では、絶対に辿り着けない領域まで進んでいる。

それでも……今のところまだ俺の方が何百歩と進んでいるだろうけど。

「切り札、なぁ……俺には今のところそれらしい技が無いからな」

「そうなのか? でも……アリクの火は、まだまだこれからだと思うぞ」

「俺の火? それは火の魔力という事か?」

「魔力……多分それであってると思うけど、少し違う気がする」

上手く言葉に表せないな。
でも、まだアリクは才能を全て開花させたとは思えない。

「なんだよそれ……でも、俺にはまだまだ強くなれる可能性があるって事か?」

「そういう事だと俺は思うよ。というか、まだ十五歳なんだからまだまだこれからだろ。学園を卒業したらハンターになるんだろ。なら、まだまだお前は変わって行けるだろ」

アリクの進路は俺やクレア姉さんと同じくハンターだ。
……けど、アリクって誰とパーティーを組むつもりなんだ?

「そういえば、アリク。お前……卒業したら一人でハンターになるのか? それとも既に組もうと考えている友人はいるのか?」

「一応だが、クレアの奴から一緒にパーティーを組まないかって言われている」

「……はっ!? マジで」

「そういう反応になるよな。でもマジだ。俺もクレアからそれを伝えられた時はそんな表情になったよ」

マジかぁ……絶対に無いと思っていたが、クレア姉さんもアリクの努力を認めたって事か。
というか、クレア姉さんはおそらくサルネさんにも一緒にハンターとして活動しないかと声を掛けてる……そしてそれはリース会長にも同じく。

そしてアリクが混ざれば……やば、中々に最強のルーキーじゃないか?

「中々に強いパーティーになるな。てか、絶対にルーキーの域を超えてるじゃん」

「だろうな、俺もそう思った」

「けど……アリクはあれだけど、執事やメイドさん達はどうするの」

クレア姉さんには蹴りが得意なミーシャさんがメイドとして傍にいる。
サルネさんにはいないのかもしれないけど、リース会長には絶対にいるだろうし……最大で七人パーティーになるのか?

それはちょっと多過ぎる気がするな。

「そこら辺の話はまだしていないが……ハンターのパーティーメンバーは基本的に四人から五人だ。メイドや執事が全員付いてきたら少々多い……おそらく一人だけ付いて来ることになるだろうな」

「一人だけ……その枠に、ミーシャさんは入りそうなのか?」

「絶対に入るだろうな」

えっ、そうなの? 確かにある程度強いとは知っているけど、侯爵家の令嬢の傍にいるメイドや執事よりも強いのか?
それは知らんかった。

「あいつは今回の大会に出ていなかったが、出場していたらメイドの部でメリルとバチバチに戦っていただろう」

「はぁ~~~~、そりゃ凄いな。でもさ……もしそうなったら、アリクはハーレム状態だな」

「ぶっ飛ばすぞ。寧ろ理性が持つかどうか色々心配だ」

はっはっは、それもそうか。
全員種類は違えど美女揃いだ。男から嫉妬の対象になること間違いなしだ。

「アリクとしては、もう一人ぐらい男が欲しいところだな」

「そうだな。できればタンクの役割を担える奴が良いんだが……学園でタンクが出来て俺達に付いて来れそうな奴はいなさそうなんだよな」

貴族の子息といては是非とも入りたそうなパーティーだが、温室育ちの坊ちゃん達がハンターとして生きていくのは基本的に厳しいというか……嫌がるよな。

「なるほどね。リース会長とアリクは武器を使った接近戦。そんでサルネさんは体術での接近戦、ミーシャさんもそこに入るのか。そんでクレア姉さんが魔法を使って後衛から攻撃……リース会長も魔法で攻撃出来るとはいえ、結構バランス偏ってるな」

「だろ、だから俺としてはタンクの役割を担える奴が欲しいんだが……クレア以外の魔法担当の奴が欲しいところだ」

欲を言えば回復系に特化した人が良いんだろうな……今のところ超火力重視パーティーって感じだな。
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