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その泣き言が恨み言が、悲劇を呼ぶ

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「嘗めんじゃねぇぇぇええええええええーーーーーーッ!!!!」

「はっはっは、吼えるならそれだけの実力を見せろ」

本当に沸点が低い奴だな。
ただ、その感情が戦闘に左右されないとは断言出来ない。

ボレアス・ドランガットがどれだけ自分の力を引き出せたとしても、全く負けるつもりは無い。
だからか……できれば、ボレアス・ドランガットの実力を全てみたいと思う。

……絶対に安全圏にいるからこそ出てきそうな考えだな。
ちょっと小者臭がする考えだが……今は置いておこう。

「俺が守ってばかりだと思うなよ」

「ぐっ、く……そがッ!!! まだだーーーッ!!!!」

おそらく魔剣の効果だろうが、刃には火が纏われている。
それに体には魔力と闘気が同時に纏われている……魔闘気じゃ無いから少々燃費は悪いだろうが、それでも身体能力は確実に上がっている。

それに加えて身体強化のアビリティまで……こいつ、全力で俺に挑んでくれているのは有難いが、絶対に四回戦や五回戦の事を考えていないよな。

「フレイムジャブ!!!!」

おぉう、連続で突きを繰り出して火の刃を連続で突き出す技か。
ジャブって名前の通り中々に速い……でも、反応出来ない速度じゃ無いな

「よっ、ほっ、とっ、ふっ」

「なっ!!!???」

飛んで来る火の刃にはそこまで攻撃力が無いので、アブストラクトに魔力を纏っていれば十分に弾ける。

「面の攻撃としては結構厄介な攻撃だな」

「はぁ、はぁ、はぁ……嫌味か糞野郎」

いや、そんなつもりは無いんだが……そうか、至って普段通りの顔でそういう事を言うから信じて貰えないんだろうな。

「そんじゃ、まだまだ楽しもうか」

「く、そがッ!! この底無し体力野郎がッ!!!!」

はっはっは、それはお前がスタミナ向上の訓練をしていないからだ。
あと、動きにちょいちょい無駄がある。

「どうした、動きが鈍くなってきてるぞ」

「ごふっ!!!」

斬撃を避け、蹴りを腹にぶち込む。
あぁ~~~、もしかしたら折れたか? 罅が入ったのは確実だろうな。

ただ、場外には落ちてない。
アドレナリンドバドバだろうから、まだまだ動けるはずだ。

「な、めるな、よ……俺は、俺はッ!!! 絶対に負けねぇーーーッ!!!!」

「良い気合と覚悟だな。お前が持っている手札、気力……全てを絞り出してこい。受け止めて弾き返してやる」

それからボレアス・ドランガットの攻撃を一切避けず、全て防御し続けた。
勿論反撃しているので、徐々に斬傷が増えていく。

そして二分ぐらいか? 
ボレアス・ドランガットは全力で俺に勝とうと挑み続けてきた。
そして俺はそれを受け続け……タイムリミットがやって来た。

こいつは……確かに非凡では無かった。持っている物は凡才だ。
ただそれでも……まぁ、他の奴に劣らず勝るガッツが……根性があった。
確かに昨日のクロウザ程強くは無かったが、そこは評価すべき点だな。

んじゃ……そろそろ試合を終わらすか。

「……クソがッ!! やっぱり才能なのかよ!!!!!」

「あぁ? いきなりどうしたんだよボレアス・ドランガット」

別にあれよだな……トラッシュトークをするような性格じゃない。
それじゃぁ……単純に泣き言か?

「うるせーーッ!!!! 才能だけで生きてきて何も苦労していない野郎が、無才を見下ろしてそんなに楽しいかよ!!!!」

こいつは……今、何を言ってるんだ?
負けたからってトチ狂ったのか?

「お前も、お前のきょうだいもっ!!!! ……どうせ楽に生きてきたんだろ、才能だけはあるだろうからなッ!!!!!」

どうせ楽に生きてきた? 才能だけは、ある?
こいつは……さっきまでのボレアス・ドランガットと同一人物なのか?

「ふざけんなよッ!!!! どいつもこいつも才能だけで駆け上がりやがって、こっちがどれだけ苦労してるかも知らないで見下ろしやがって」

……ヤバい。何かが……俺の中で何かが切れそうだ。
どうしよう、これ以上聞きたくない。もう、さっさと気絶させて終わらそう。

うん、それが一番良い。

「才能だけが取り柄の傲慢者共がッ!! いつか絶対に俺がぶっ潰してやる」

……駄目だ。何かが切れた、ブツっと切れた。
これ以上……感情を抑えることが出来ない。
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