308 / 989
負けたくない理由はある
しおりを挟む
「向こうは素手同士で戦うらしいし、俺らは剣同士で戦おうか」
既にセルシアとカレア・デーリスル駆け出し、軽くお互いにまずは様子見って感じかな。
「安心しろ、直ぐに潰してやるからよ」
「はっはっは、それは無理な相談だな」
確かにそういうセリフを吐くだけの体格はあるが、ぶっちゃけそこまで強さは内容に思える。
「ふんッ!!!!」
おっ、パートナーのカレア・デーリスルとは違って開幕速攻で本気か?
身体強化と腕力強化を同時に使用してるだろうし……あとは、持っている魔剣の類の大剣による身体強化の効果か。
見た目的にそこまで魔力量があるとは思えないが……とりあえず俺もセルシアと同じく様子見だな。
基本的な剣術は習っている様で、太刀筋はあんまり乱暴では無い。
ただ、その見た目と扱っている武器が大剣ということもあって迫力はあるよなぁ……ただ、今のところそれだけか。
「く、そがッ!!!! チョロチョロと動き回りやがって!!!」
「そりゃ俺もそんな大剣を食らったら大怪我するからな。チョロチョロ動いて躱すに決まってるだろ」
「うるせーーーッ!!!!!」
若干スピードが上がったように思えるが、それでもまだまだ危機を感じはしないな。
にしてもボレアス・ドランガット……大剣術に関してはそこまで才は無いのか? それとも努力を重ねていないのか?
あんまり技の方にキレがないんだよな。
「その表情、本当にウザいなッ!!!!」
近距離で魔力の斬撃を容赦なく放って来るが、軌道がまる解かりなので問題無く避けられる。
てか、表情がウザいって酷くないか?
別に今はそんなニヤニヤした面はしていないと思うんだが……まっ、この場に鏡は無いから俺が今どんな顔をしてるのかは分からなくて当然か。
「昇爆斬!!!!」
「おっと、それは受けたく無いな」
俺から距離を取ったと思ったら昇爆斬を出してきたか……一応スキルレベルはそこそこなのか? あいつの技量があんまり読めないな。
地面に全力で大剣を振り下ろし、そこが起点となって地面に罅が入る。
そして狙った対象の足元まで辿り着くと爆破……罅が入る速度が個人の技量にそこまで関係無い。
だから……自分に使われるとちょっと嫌な技の一つだ。
「でも、解りやすいから対策しやすいってのもあるけどな」
当然、俺は避ける。
そもそも、大剣を全力で地面に叩きつけるなんて予備動作が大き過ぎる。
ただ、躱すタイミングを見誤るとモロに食らってしまう可能性がある。
使用者の意思次第で大剣を地面の叩きつけるまでの間に、軌道は変えられる。
「ちっ!! 避けるのだけは一丁前だなッ!!!」
「……そんな三下みたいなセリフを使うなよ。雑魚キャラに見えるぞ」
俺の今までの試合を観ていたら、そんな事は思わない筈なんだが……もしかして俺の試合を一回も観ていないのか?
自分で言うのはあれだが、今回の大会の中ではまぁ……悪い意味で有名だと思ってたんだけどな。
「つーか、そんなちょろちょろ避けてる俺に一撃を当てられないなんて、お前の力量も大したこと無いみたいだな」
「黙れッ!!!! 俺はお前みたいな甘っちょろい覚悟でこの場に立ってる訳じゃなねぇんだよッ!!!!!!」
ほぉ~~~、覚悟……ねぇ~~~~。
確かにそんな無い……というか無い気がする。
セルシアとのシングルスでは絶対に負けたく無いって気持ちがあったけど、それ以外の戦いではそんな覚悟っていう重い感情は持っていなかったな。
そんな感情を持ってるって事は、次期当主なのか……もしかしたら親や兄弟が騎士団関係の人なのか? 確かに将来国を守る者になるかもしれないボレアス・ドランガットにとっては、負けられない大会なのかもな。
ただ、俺としてもパートナーであるセルシアやその実家の評判に泥を塗りたくないという思いはある。
「覚悟、ねぇ~~~……あのさ、そういう御託は俺に勝ってから吼えろよ。口だけは一丁前さんよ」
ーーーーーーーーーーーーー
熱が出て倒れてました。投稿遅れてすみません。
既にセルシアとカレア・デーリスル駆け出し、軽くお互いにまずは様子見って感じかな。
「安心しろ、直ぐに潰してやるからよ」
「はっはっは、それは無理な相談だな」
確かにそういうセリフを吐くだけの体格はあるが、ぶっちゃけそこまで強さは内容に思える。
「ふんッ!!!!」
おっ、パートナーのカレア・デーリスルとは違って開幕速攻で本気か?
身体強化と腕力強化を同時に使用してるだろうし……あとは、持っている魔剣の類の大剣による身体強化の効果か。
見た目的にそこまで魔力量があるとは思えないが……とりあえず俺もセルシアと同じく様子見だな。
基本的な剣術は習っている様で、太刀筋はあんまり乱暴では無い。
ただ、その見た目と扱っている武器が大剣ということもあって迫力はあるよなぁ……ただ、今のところそれだけか。
「く、そがッ!!!! チョロチョロと動き回りやがって!!!」
「そりゃ俺もそんな大剣を食らったら大怪我するからな。チョロチョロ動いて躱すに決まってるだろ」
「うるせーーーッ!!!!!」
若干スピードが上がったように思えるが、それでもまだまだ危機を感じはしないな。
にしてもボレアス・ドランガット……大剣術に関してはそこまで才は無いのか? それとも努力を重ねていないのか?
あんまり技の方にキレがないんだよな。
「その表情、本当にウザいなッ!!!!」
近距離で魔力の斬撃を容赦なく放って来るが、軌道がまる解かりなので問題無く避けられる。
てか、表情がウザいって酷くないか?
別に今はそんなニヤニヤした面はしていないと思うんだが……まっ、この場に鏡は無いから俺が今どんな顔をしてるのかは分からなくて当然か。
「昇爆斬!!!!」
「おっと、それは受けたく無いな」
俺から距離を取ったと思ったら昇爆斬を出してきたか……一応スキルレベルはそこそこなのか? あいつの技量があんまり読めないな。
地面に全力で大剣を振り下ろし、そこが起点となって地面に罅が入る。
そして狙った対象の足元まで辿り着くと爆破……罅が入る速度が個人の技量にそこまで関係無い。
だから……自分に使われるとちょっと嫌な技の一つだ。
「でも、解りやすいから対策しやすいってのもあるけどな」
当然、俺は避ける。
そもそも、大剣を全力で地面に叩きつけるなんて予備動作が大き過ぎる。
ただ、躱すタイミングを見誤るとモロに食らってしまう可能性がある。
使用者の意思次第で大剣を地面の叩きつけるまでの間に、軌道は変えられる。
「ちっ!! 避けるのだけは一丁前だなッ!!!」
「……そんな三下みたいなセリフを使うなよ。雑魚キャラに見えるぞ」
俺の今までの試合を観ていたら、そんな事は思わない筈なんだが……もしかして俺の試合を一回も観ていないのか?
自分で言うのはあれだが、今回の大会の中ではまぁ……悪い意味で有名だと思ってたんだけどな。
「つーか、そんなちょろちょろ避けてる俺に一撃を当てられないなんて、お前の力量も大したこと無いみたいだな」
「黙れッ!!!! 俺はお前みたいな甘っちょろい覚悟でこの場に立ってる訳じゃなねぇんだよッ!!!!!!」
ほぉ~~~、覚悟……ねぇ~~~~。
確かにそんな無い……というか無い気がする。
セルシアとのシングルスでは絶対に負けたく無いって気持ちがあったけど、それ以外の戦いではそんな覚悟っていう重い感情は持っていなかったな。
そんな感情を持ってるって事は、次期当主なのか……もしかしたら親や兄弟が騎士団関係の人なのか? 確かに将来国を守る者になるかもしれないボレアス・ドランガットにとっては、負けられない大会なのかもな。
ただ、俺としてもパートナーであるセルシアやその実家の評判に泥を塗りたくないという思いはある。
「覚悟、ねぇ~~~……あのさ、そういう御託は俺に勝ってから吼えろよ。口だけは一丁前さんよ」
ーーーーーーーーーーーーー
熱が出て倒れてました。投稿遅れてすみません。
66
お気に入りに追加
3,501
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる