万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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恨みを持つ者はいる

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「ラガス坊ちゃま、随分とつまらなそうな顔をしていますが」

「……見ていて分かっただろ。相手がどれだけ弱いか」

熱い戦いを求めている熱血野郎って訳じゃ無い。
だから相手が弱くても良いんだが……正直肩透かしを食らったような感じというか……まっ、俺が変に期待し過ぎていただけか。

「ラガスさんの魔弾はDランクのモンスターぐらいならそこまで手間が掛からず倒せるんすから、同じ一年生が対処出来る訳無いっすよ」

「そうか……そういうもんか」

確かに操ろうと思えば数十単位で魔弾を操って攻撃することが出来るし……それはもはや虐めだよな。
二人と一緒に残りのダブルスを観ているけど、俺とセルシアの相手になるペアは……殆どいない。

いや、一回戦目は戦い方が宜しく無かったよな。
魔弾の遠隔操作による攻撃は……うん、ぶっちゃけ遠慮無さ過ぎた。

しかしそうなれば、二回戦目からはしっかりと遠距離と近距離で役割を分けた方が良さそう、か。
でも、俺とセルシアはどちらも近距離寄り……ただ、どっちが遠距離攻撃が得意かといえば俺だろうな。

てことは俺が遠距離戦担当だな。

「あんまり好きでは無いけど、やるしかないな」

「何をするんですか?」

「流石に二回戦、三回戦でも一回戦の時みたいに魔弾だけで試合を終わらすのはちょっとなぁ……観ていてつまらないだろ」

「そう、ですね……あれが何回も続くと流石に飽きてくるかと」

「だろ。全員が全員魔弾で倒されるかは解らないけど、観ている人達はつまらないだろうからな……俺は別にどう思われようと構わないけど、セルシアによろしく無い感情が向けられるのはなぁ……」

やっぱりそれは良くない。
セルシアに良くない感情が向けられれば、それが家の方にまで向けられるのは……まぁ、実際のところ痛くも痒くもないかもしれないけど。

「相変わらずですねぇ~」

「そのニヤニヤ顔はやめろ」

まったく……まぁ、俺もメリルの立場ならニヤニヤしてる自信はあるな。
表情には出さなくても絶対に心の中でニヤニヤしている。

「まっ、正直無理な話っすよ。シングルスのワンツートップの二人が手を組んでるっすから。連帯が優れていても、お二人のスピードを抑える程の策があるとは……というか、仮に何か対策してきてもラガスさんなら全て突破出来そうじゃないっすか」

「確かにな。そもそも何かをさせる隙を与える事は無い」

セルシアのスピードは一級品だ。動きが直線だけってわけじゃ無いからな。
そして遠距離に関しては俺の魔弾がある。今回の大会で持ち込めるマジックアイテムの数は一つ……杖タイプのマジックアイテムなら結界とか張れる性能が付いているかもしれないけど、おそらく破れる筈だ。

てか、それで無理なら拳で直接破壊すればいいし。

「さて、そろそろ昼飯でも食べに行くか」

「そうですね。ダブルスも一旦ここで区切りでしょう」

「昼に二回戦目があると思うっすけど……どうしますか? がっつりいきますか?」

あんまり食い過ぎは食後の運動に響くけど……大して動かないだろうし、関係無いか。

「おう、がっつり食おう」

会場から近場のレストランへと移動し、案内された席へと座る。
そしてなるべく腹一杯食べられそうな料理を選び、料理がやって来るまで待つ。

「それにしても……思っていたより平和に進んでいますね。それとも、ラガス坊ちゃまが平和に進めているのですか?」

「あぁ……俺じゃ無くて誰かが上手くやってるんだろ」

ディーザスの連中が上手いことやってくれている。
やっぱり大会の結果で俺に恨みを持つ貴族はちょいちょいいる。

だが、そういった連中達をキッチリ対処してくれている。

というか、本当にあいつらの力を借りれるようにしておいて良かった。

「すみません、こちらの席に相席したいという方がいるのですが、よろしいでしょうか?」

俺達と相席したい? いったい誰なんだ?
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