295 / 954
恨みを持つ者はいる
しおりを挟む
「ラガス坊ちゃま、随分とつまらなそうな顔をしていますが」
「……見ていて分かっただろ。相手がどれだけ弱いか」
熱い戦いを求めている熱血野郎って訳じゃ無い。
だから相手が弱くても良いんだが……正直肩透かしを食らったような感じというか……まっ、俺が変に期待し過ぎていただけか。
「ラガスさんの魔弾はDランクのモンスターぐらいならそこまで手間が掛からず倒せるんすから、同じ一年生が対処出来る訳無いっすよ」
「そうか……そういうもんか」
確かに操ろうと思えば数十単位で魔弾を操って攻撃することが出来るし……それはもはや虐めだよな。
二人と一緒に残りのダブルスを観ているけど、俺とセルシアの相手になるペアは……殆どいない。
いや、一回戦目は戦い方が宜しく無かったよな。
魔弾の遠隔操作による攻撃は……うん、ぶっちゃけ遠慮無さ過ぎた。
しかしそうなれば、二回戦目からはしっかりと遠距離と近距離で役割を分けた方が良さそう、か。
でも、俺とセルシアはどちらも近距離寄り……ただ、どっちが遠距離攻撃が得意かといえば俺だろうな。
てことは俺が遠距離戦担当だな。
「あんまり好きでは無いけど、やるしかないな」
「何をするんですか?」
「流石に二回戦、三回戦でも一回戦の時みたいに魔弾だけで試合を終わらすのはちょっとなぁ……観ていてつまらないだろ」
「そう、ですね……あれが何回も続くと流石に飽きてくるかと」
「だろ。全員が全員魔弾で倒されるかは解らないけど、観ている人達はつまらないだろうからな……俺は別にどう思われようと構わないけど、セルシアによろしく無い感情が向けられるのはなぁ……」
やっぱりそれは良くない。
セルシアに良くない感情が向けられれば、それが家の方にまで向けられるのは……まぁ、実際のところ痛くも痒くもないかもしれないけど。
「相変わらずですねぇ~」
「そのニヤニヤ顔はやめろ」
まったく……まぁ、俺もメリルの立場ならニヤニヤしてる自信はあるな。
表情には出さなくても絶対に心の中でニヤニヤしている。
「まっ、正直無理な話っすよ。シングルスのワンツートップの二人が手を組んでるっすから。連帯が優れていても、お二人のスピードを抑える程の策があるとは……というか、仮に何か対策してきてもラガスさんなら全て突破出来そうじゃないっすか」
「確かにな。そもそも何かをさせる隙を与える事は無い」
セルシアのスピードは一級品だ。動きが直線だけってわけじゃ無いからな。
そして遠距離に関しては俺の魔弾がある。今回の大会で持ち込めるマジックアイテムの数は一つ……杖タイプのマジックアイテムなら結界とか張れる性能が付いているかもしれないけど、おそらく破れる筈だ。
てか、それで無理なら拳で直接破壊すればいいし。
「さて、そろそろ昼飯でも食べに行くか」
「そうですね。ダブルスも一旦ここで区切りでしょう」
「昼に二回戦目があると思うっすけど……どうしますか? がっつりいきますか?」
あんまり食い過ぎは食後の運動に響くけど……大して動かないだろうし、関係無いか。
「おう、がっつり食おう」
会場から近場のレストランへと移動し、案内された席へと座る。
そしてなるべく腹一杯食べられそうな料理を選び、料理がやって来るまで待つ。
「それにしても……思っていたより平和に進んでいますね。それとも、ラガス坊ちゃまが平和に進めているのですか?」
「あぁ……俺じゃ無くて誰かが上手くやってるんだろ」
ディーザスの連中が上手いことやってくれている。
やっぱり大会の結果で俺に恨みを持つ貴族はちょいちょいいる。
だが、そういった連中達をキッチリ対処してくれている。
というか、本当にあいつらの力を借りれるようにしておいて良かった。
「すみません、こちらの席に相席したいという方がいるのですが、よろしいでしょうか?」
俺達と相席したい? いったい誰なんだ?
「……見ていて分かっただろ。相手がどれだけ弱いか」
熱い戦いを求めている熱血野郎って訳じゃ無い。
だから相手が弱くても良いんだが……正直肩透かしを食らったような感じというか……まっ、俺が変に期待し過ぎていただけか。
「ラガスさんの魔弾はDランクのモンスターぐらいならそこまで手間が掛からず倒せるんすから、同じ一年生が対処出来る訳無いっすよ」
「そうか……そういうもんか」
確かに操ろうと思えば数十単位で魔弾を操って攻撃することが出来るし……それはもはや虐めだよな。
二人と一緒に残りのダブルスを観ているけど、俺とセルシアの相手になるペアは……殆どいない。
いや、一回戦目は戦い方が宜しく無かったよな。
魔弾の遠隔操作による攻撃は……うん、ぶっちゃけ遠慮無さ過ぎた。
しかしそうなれば、二回戦目からはしっかりと遠距離と近距離で役割を分けた方が良さそう、か。
でも、俺とセルシアはどちらも近距離寄り……ただ、どっちが遠距離攻撃が得意かといえば俺だろうな。
てことは俺が遠距離戦担当だな。
「あんまり好きでは無いけど、やるしかないな」
「何をするんですか?」
「流石に二回戦、三回戦でも一回戦の時みたいに魔弾だけで試合を終わらすのはちょっとなぁ……観ていてつまらないだろ」
「そう、ですね……あれが何回も続くと流石に飽きてくるかと」
「だろ。全員が全員魔弾で倒されるかは解らないけど、観ている人達はつまらないだろうからな……俺は別にどう思われようと構わないけど、セルシアによろしく無い感情が向けられるのはなぁ……」
やっぱりそれは良くない。
セルシアに良くない感情が向けられれば、それが家の方にまで向けられるのは……まぁ、実際のところ痛くも痒くもないかもしれないけど。
「相変わらずですねぇ~」
「そのニヤニヤ顔はやめろ」
まったく……まぁ、俺もメリルの立場ならニヤニヤしてる自信はあるな。
表情には出さなくても絶対に心の中でニヤニヤしている。
「まっ、正直無理な話っすよ。シングルスのワンツートップの二人が手を組んでるっすから。連帯が優れていても、お二人のスピードを抑える程の策があるとは……というか、仮に何か対策してきてもラガスさんなら全て突破出来そうじゃないっすか」
「確かにな。そもそも何かをさせる隙を与える事は無い」
セルシアのスピードは一級品だ。動きが直線だけってわけじゃ無いからな。
そして遠距離に関しては俺の魔弾がある。今回の大会で持ち込めるマジックアイテムの数は一つ……杖タイプのマジックアイテムなら結界とか張れる性能が付いているかもしれないけど、おそらく破れる筈だ。
てか、それで無理なら拳で直接破壊すればいいし。
「さて、そろそろ昼飯でも食べに行くか」
「そうですね。ダブルスも一旦ここで区切りでしょう」
「昼に二回戦目があると思うっすけど……どうしますか? がっつりいきますか?」
あんまり食い過ぎは食後の運動に響くけど……大して動かないだろうし、関係無いか。
「おう、がっつり食おう」
会場から近場のレストランへと移動し、案内された席へと座る。
そしてなるべく腹一杯食べられそうな料理を選び、料理がやって来るまで待つ。
「それにしても……思っていたより平和に進んでいますね。それとも、ラガス坊ちゃまが平和に進めているのですか?」
「あぁ……俺じゃ無くて誰かが上手くやってるんだろ」
ディーザスの連中が上手いことやってくれている。
やっぱり大会の結果で俺に恨みを持つ貴族はちょいちょいいる。
だが、そういった連中達をキッチリ対処してくれている。
というか、本当にあいつらの力を借りれるようにしておいて良かった。
「すみません、こちらの席に相席したいという方がいるのですが、よろしいでしょうか?」
俺達と相席したい? いったい誰なんだ?
52
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる