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それで、終わりでは無いよな
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セルシアがライトニング・ドライブを使い、俺がラビットフットを使ってから一分弱ぐらいは経ったか?
一分弱程度なんて普段は短いって感じるけど、この一分弱はとても長く……濃く感じた。
お互いに長剣を振った数は軽く五百か六百ぐらいは超えてるか?
もうどう動いたとかそういうのは覚えていないな。それぐらいセルシアと戦っているこの時間が充実している。
ただ、だんだんとその楽しい時間の終わりが見えてくる。
戦闘スタイルだけで言えば、俺よりセルシアの方が魔力量が上に思えるかもしれない。
しかし、地道な努力が実を結んた結果……今のところ俺の方が魔力量は多い。
将来的には抜かされるかもしれないけどな。
それにスタミナも俺の方が上。持久戦になれば俺の方に分がある。
「シッ!!!!」
「っと……最後の一撃って感じか」
この試合初めて雷の斬撃をクロスさせて飛ばしてきた。
流石にモロに貰うのは不味いので全力で横跳びして躱す。
「うん、最後の一撃。今私が出せる、最強の一撃」
「そうか……それなら、俺もそれに応えないとな」
左半身を前に出し、突きの構えを取るセルシア。
俺も同じように突きの構えを取る。
セルシアの刃に相手を蹴散らす魔力が集められるように、俺の刃からは獣の力が溢れだす。
本当は今回の大会で使うつもりなんて無かったんだが、今のセルシアが相手なら使っても問題は無い。
お互いに準備が整い……相手をぶっ潰す最後の一撃を放つ。
「雷王の砕牙」
「獣王の進撃」
同じ雷すら飲み込もうとする雷の王が放つ矛。
そして百獣の王、獅子が全てを壊滅させる突貫。
その二つが中央でぶつかり合い、リングを揺らす。
いや、会場ごと揺れたかもしれない。それほどまでに衝撃は大きい。
雷の矛と獅子の突貫。どちらが勝ったのか……正直微妙なところだ。
俺の攻撃の方が少々勝っていた気がするけど……本当に小さな差だ。
獅子が直撃した訳じゃ無い。衝撃波は届いたかもしれないけどな。
で、これで決勝戦はセルシアの魔力切れで俺の勝ち・・・・・・そんな訳無いよな!!!!
「ハッ!!! やっぱりまだ余力があったか」
「……結構、良い不意打ちだと思ったんだけど、ね」
「良いや、良い一撃だったよ。でも、俺の勘がそれを上回った」
あれが最後で最強の一撃……確かに最強の一撃だっただろう。
ただ、なんとなく最後の一撃になるとは思えなかった。
絶対に俺に勝つ。そんな強い意志がセルシアの瞳に宿っていた。
だから警戒した。最強の一撃を放った後に、勝ちを狙う一撃が来るかもしれないと。
そう思っていたら後ろからやって来た。
それこそ、最後の一撃だ。
最後に残った数滴の魔力を身体強化に使い、残ったスタミナを振り絞って俺に斬り掛かった。
「俺の……勝ち、だな」
「そう、だね。私の……負け。でも、次は……負けな、い」
魔力を全て使い切ったことで意識が途切れ、セルシアは倒れる。
地面に落ちない様に受け止め、審判の方に顔を向ける。
「勝者、ラガス・リゼートッ!!!!!!」
審判の合図により、俺の勝利宣言が響き渡る。
その瞬間、今まで一番空気が揺れたのではと思った。
それ程までに観客達の歓声は大きく、拍手の音も大きかった。
さて、今回一年生の大会で男爵家の四男が優勝してしまった訳だが……まぁ、前にも同じような事は起こっている。
カロウス兄さんとロウド兄さんにクローナ姉さんも学生時に何度も優勝しているみたいだからな。
男爵家の子息や令嬢が何度も優勝を掻っ攫ってしまうのは……血統主義の貴族達にとっては面白く無い結果だろう。
それでもこの結果が覆ることは無い。
セルシアを医務室に送り届け、二年生の決勝戦を観るために直ぐ移動する。
「ラガス坊ちゃま、お疲れ様でした」
「おう……結構疲れたというか、油断出来なかったな」
「最後の一撃は読めていたのですか?」
「……完全に読めていたって訳じゃ無い」
セルシアが言葉を巧みに使って油断を誘う様なタイプだとは思っていなかった。
今までそういう戦い方をしていなかった。
ただ……最後の攻撃を読めたのは本当に何となくって感じだったな。
「メリルなら……あの一撃、雷王の砕牙はどうやって対処した?」
「全力で避けます。それ以外に私が対処出来る方法は無いかと。私の場合は少々火力不足ですからね。……無理すればなんとかなるかもしれませんが。シュラはどのように対処しますか?」
「俺は城壁と鬼気を利用して全力でガードだな。それか鬼火を使ってなんとか迎撃……出来るとは思う」
確かにシュラの腕力と鬼火を使えばなんとかなりそうだな。
さて、二年生の決勝戦にはうちの学校の生徒は出ていないが、レベルが高い試合になりそうだし観ておかないとな。
一分弱程度なんて普段は短いって感じるけど、この一分弱はとても長く……濃く感じた。
お互いに長剣を振った数は軽く五百か六百ぐらいは超えてるか?
もうどう動いたとかそういうのは覚えていないな。それぐらいセルシアと戦っているこの時間が充実している。
ただ、だんだんとその楽しい時間の終わりが見えてくる。
戦闘スタイルだけで言えば、俺よりセルシアの方が魔力量が上に思えるかもしれない。
しかし、地道な努力が実を結んた結果……今のところ俺の方が魔力量は多い。
将来的には抜かされるかもしれないけどな。
それにスタミナも俺の方が上。持久戦になれば俺の方に分がある。
「シッ!!!!」
「っと……最後の一撃って感じか」
この試合初めて雷の斬撃をクロスさせて飛ばしてきた。
流石にモロに貰うのは不味いので全力で横跳びして躱す。
「うん、最後の一撃。今私が出せる、最強の一撃」
「そうか……それなら、俺もそれに応えないとな」
左半身を前に出し、突きの構えを取るセルシア。
俺も同じように突きの構えを取る。
セルシアの刃に相手を蹴散らす魔力が集められるように、俺の刃からは獣の力が溢れだす。
本当は今回の大会で使うつもりなんて無かったんだが、今のセルシアが相手なら使っても問題は無い。
お互いに準備が整い……相手をぶっ潰す最後の一撃を放つ。
「雷王の砕牙」
「獣王の進撃」
同じ雷すら飲み込もうとする雷の王が放つ矛。
そして百獣の王、獅子が全てを壊滅させる突貫。
その二つが中央でぶつかり合い、リングを揺らす。
いや、会場ごと揺れたかもしれない。それほどまでに衝撃は大きい。
雷の矛と獅子の突貫。どちらが勝ったのか……正直微妙なところだ。
俺の攻撃の方が少々勝っていた気がするけど……本当に小さな差だ。
獅子が直撃した訳じゃ無い。衝撃波は届いたかもしれないけどな。
で、これで決勝戦はセルシアの魔力切れで俺の勝ち・・・・・・そんな訳無いよな!!!!
「ハッ!!! やっぱりまだ余力があったか」
「……結構、良い不意打ちだと思ったんだけど、ね」
「良いや、良い一撃だったよ。でも、俺の勘がそれを上回った」
あれが最後で最強の一撃……確かに最強の一撃だっただろう。
ただ、なんとなく最後の一撃になるとは思えなかった。
絶対に俺に勝つ。そんな強い意志がセルシアの瞳に宿っていた。
だから警戒した。最強の一撃を放った後に、勝ちを狙う一撃が来るかもしれないと。
そう思っていたら後ろからやって来た。
それこそ、最後の一撃だ。
最後に残った数滴の魔力を身体強化に使い、残ったスタミナを振り絞って俺に斬り掛かった。
「俺の……勝ち、だな」
「そう、だね。私の……負け。でも、次は……負けな、い」
魔力を全て使い切ったことで意識が途切れ、セルシアは倒れる。
地面に落ちない様に受け止め、審判の方に顔を向ける。
「勝者、ラガス・リゼートッ!!!!!!」
審判の合図により、俺の勝利宣言が響き渡る。
その瞬間、今まで一番空気が揺れたのではと思った。
それ程までに観客達の歓声は大きく、拍手の音も大きかった。
さて、今回一年生の大会で男爵家の四男が優勝してしまった訳だが……まぁ、前にも同じような事は起こっている。
カロウス兄さんとロウド兄さんにクローナ姉さんも学生時に何度も優勝しているみたいだからな。
男爵家の子息や令嬢が何度も優勝を掻っ攫ってしまうのは……血統主義の貴族達にとっては面白く無い結果だろう。
それでもこの結果が覆ることは無い。
セルシアを医務室に送り届け、二年生の決勝戦を観るために直ぐ移動する。
「ラガス坊ちゃま、お疲れ様でした」
「おう……結構疲れたというか、油断出来なかったな」
「最後の一撃は読めていたのですか?」
「……完全に読めていたって訳じゃ無い」
セルシアが言葉を巧みに使って油断を誘う様なタイプだとは思っていなかった。
今までそういう戦い方をしていなかった。
ただ……最後の攻撃を読めたのは本当に何となくって感じだったな。
「メリルなら……あの一撃、雷王の砕牙はどうやって対処した?」
「全力で避けます。それ以外に私が対処出来る方法は無いかと。私の場合は少々火力不足ですからね。……無理すればなんとかなるかもしれませんが。シュラはどのように対処しますか?」
「俺は城壁と鬼気を利用して全力でガードだな。それか鬼火を使ってなんとか迎撃……出来るとは思う」
確かにシュラの腕力と鬼火を使えばなんとかなりそうだな。
さて、二年生の決勝戦にはうちの学校の生徒は出ていないが、レベルが高い試合になりそうだし観ておかないとな。
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