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それは知っている。だから使わない
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俺とセルシアはリングに上がると今日一番と思えるぐらいに観客達の歓声が大きくなる。
二人共圧倒的な戦いを見せたからか、それとも俺とセルシアがパートナーだから……何はともあれ観客達のテンションはマックスになってるみたいだな。
「……ラガス」
「どうした?」
「全力で、いくね」
「……おう。それを全部跳ね返すよ。ただ、純粋に楽しませてもらうけどな」
そう言いながら帯剣しているアブストラクト抜いて右手に持つ。
それだけまた観客達の反応が変わった。
確かに今まで帯剣しながら一回も使ってないんだから気になるのは反応するのは当たり前か。
観客達のテンションと同様に解説の人の気分も上がってるのか、解説に熱がかなり籠っている。
「それ、使うんだね」
「お互いに長剣を使うんだ。偶には斬り合ってみるのも良いかと思ってな。それとも、拳や魔弾の方が良かったか?」
「そんなこと、無いよ。ラガスとは、あまり剣で斬り合ったことは無い、から……楽しみ、だよ」
ッ!! ははっ、既に剣気が漏れ出してる。
やる気満々って顔だな。
もう、これ以上話すことも無いだろうし、さっさと始めてしまおう。
審判に目で合図を送り、それを上手く読み取ってくれたお陰で試合は直ぐに始まる。
「それではお互いに構えて・・・・・・始めっ!!!!!!」
審判の今日一の大きさと思われる合図により、俺とセルシアはお互いにその場から一気に駆け出して斬り合う。
ただ、セルシアが持っている長剣には雷の効果が付与されているのでこちらも刃に魔力を纏って戦わなければ痺れてしまう。
魔力の総量は多めだからそれぐらいは問題無いんだけど……ははっ、思ったより楽しいなッ!!!
「ラガス、とっても楽しそう、だね」
「そう言うセルシアこそ、凄い良い笑顔になってるぞ」
お互いに何度も模擬戦を行っているが、所詮は模擬戦。負けたところで何かがあるわけでは無い。
ただ、今回は一年生の中で誰が一番強いのかと競い合う一戦、しかも決勝戦。
いつもとは何かが違う。
俺もセルシアまだ身体強化系のアビリティを使っていないのでお互いに上下左右斜め、どの方向から斬撃を繰り出したとしても当たることは無い。
いや、もしかしたら心情的な余裕なのは俺の方か。
お互いにスピードタイプの戦闘スタイルとはいえ、モンスターを倒してきた数の差で俺の方が素の身体能力は上だ。
当たりこそしないが……このままだ均衡は崩れるか。
なんて思っていたら嫌な予感がしたので即座に身体強化のアビリティを使ってセルシアの斬撃をバックステップで躱す。
「っと、中々鋭い一撃だな」
「でも、やっぱり簡単に躱す、ね」
「そりゃ今から来るかもしれないって雰囲気があるからな」
「そう……それは消すのは、中々難しそうね」
基本的に無表情なセルシア。
しかし構えから攻撃に移る際、何かを行おうとする際にはこう……脳に、体に、本能に何かが飛んで来る。
殺気や闘気って感じでは無いんだよなぁ~。
なにかしらの信号……って言えば良いのか? そんなものが飛んで来る。
だからセルシアが身体強化のアビリティを使用すると察して反応することが出来た。
流石にセルシアが身体強化のアビリティを使用するなら、俺も使わないと不味いからな。
「別に不満って訳じゃ無いんだが、魔法は使わないのか?」
セルシアの魔法の才はイーリス程では無いにしろ、初級魔法は容易に無家勝で発動出来る。
決勝戦が始まって大体三分ほど、ずっと長剣だけ斬り合っているので体術も魔法も一切使っていない。
それが悪いって訳じゃ無いが、どうせならそういうのも含めて戦いたい。
「ん~~~~……でも、中途半端な魔法じゃ、意味がない、よね。だから、魔法は使わない」
「あぁ~~……そういえば話した気がするな」
一応俺の切り札の一つなんだが、セルシアにはアブストラクトの効果を話した様な話していない様な……知ってるって事は多分話したんだろうな。
「だから、純粋に剣術と体術で、勝負する」
……良いね、今まで一番楽しそうな顔してるじゃん。
二人共圧倒的な戦いを見せたからか、それとも俺とセルシアがパートナーだから……何はともあれ観客達のテンションはマックスになってるみたいだな。
「……ラガス」
「どうした?」
「全力で、いくね」
「……おう。それを全部跳ね返すよ。ただ、純粋に楽しませてもらうけどな」
そう言いながら帯剣しているアブストラクト抜いて右手に持つ。
それだけまた観客達の反応が変わった。
確かに今まで帯剣しながら一回も使ってないんだから気になるのは反応するのは当たり前か。
観客達のテンションと同様に解説の人の気分も上がってるのか、解説に熱がかなり籠っている。
「それ、使うんだね」
「お互いに長剣を使うんだ。偶には斬り合ってみるのも良いかと思ってな。それとも、拳や魔弾の方が良かったか?」
「そんなこと、無いよ。ラガスとは、あまり剣で斬り合ったことは無い、から……楽しみ、だよ」
ッ!! ははっ、既に剣気が漏れ出してる。
やる気満々って顔だな。
もう、これ以上話すことも無いだろうし、さっさと始めてしまおう。
審判に目で合図を送り、それを上手く読み取ってくれたお陰で試合は直ぐに始まる。
「それではお互いに構えて・・・・・・始めっ!!!!!!」
審判の今日一の大きさと思われる合図により、俺とセルシアはお互いにその場から一気に駆け出して斬り合う。
ただ、セルシアが持っている長剣には雷の効果が付与されているのでこちらも刃に魔力を纏って戦わなければ痺れてしまう。
魔力の総量は多めだからそれぐらいは問題無いんだけど……ははっ、思ったより楽しいなッ!!!
「ラガス、とっても楽しそう、だね」
「そう言うセルシアこそ、凄い良い笑顔になってるぞ」
お互いに何度も模擬戦を行っているが、所詮は模擬戦。負けたところで何かがあるわけでは無い。
ただ、今回は一年生の中で誰が一番強いのかと競い合う一戦、しかも決勝戦。
いつもとは何かが違う。
俺もセルシアまだ身体強化系のアビリティを使っていないのでお互いに上下左右斜め、どの方向から斬撃を繰り出したとしても当たることは無い。
いや、もしかしたら心情的な余裕なのは俺の方か。
お互いにスピードタイプの戦闘スタイルとはいえ、モンスターを倒してきた数の差で俺の方が素の身体能力は上だ。
当たりこそしないが……このままだ均衡は崩れるか。
なんて思っていたら嫌な予感がしたので即座に身体強化のアビリティを使ってセルシアの斬撃をバックステップで躱す。
「っと、中々鋭い一撃だな」
「でも、やっぱり簡単に躱す、ね」
「そりゃ今から来るかもしれないって雰囲気があるからな」
「そう……それは消すのは、中々難しそうね」
基本的に無表情なセルシア。
しかし構えから攻撃に移る際、何かを行おうとする際にはこう……脳に、体に、本能に何かが飛んで来る。
殺気や闘気って感じでは無いんだよなぁ~。
なにかしらの信号……って言えば良いのか? そんなものが飛んで来る。
だからセルシアが身体強化のアビリティを使用すると察して反応することが出来た。
流石にセルシアが身体強化のアビリティを使用するなら、俺も使わないと不味いからな。
「別に不満って訳じゃ無いんだが、魔法は使わないのか?」
セルシアの魔法の才はイーリス程では無いにしろ、初級魔法は容易に無家勝で発動出来る。
決勝戦が始まって大体三分ほど、ずっと長剣だけ斬り合っているので体術も魔法も一切使っていない。
それが悪いって訳じゃ無いが、どうせならそういうのも含めて戦いたい。
「ん~~~~……でも、中途半端な魔法じゃ、意味がない、よね。だから、魔法は使わない」
「あぁ~~……そういえば話した気がするな」
一応俺の切り札の一つなんだが、セルシアにはアブストラクトの効果を話した様な話していない様な……知ってるって事は多分話したんだろうな。
「だから、純粋に剣術と体術で、勝負する」
……良いね、今まで一番楽しそうな顔してるじゃん。
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